亡失の魂と焔の少女
――――暗闇が続く、俺は死んだのだろうか
ではなぜ俺は考えることが出来る?今ここで生死について考察できる?
ここは死後の世界なのだろうか。
俺は死後の世界など信じていない
死後の世界はいつか死ぬという結末を恐れた人々が作った逃げ道だ
だがこれはどうだ、事実俺はあの魔術師に殺された。
それは他の誰でもないこの俺が実感できている
俺はあの時死んだ。それだけは絶対だ
今、ここで起きている現実に戸惑う
あの時に自分は死んだ、だが今は生きている。この矛盾に俺の頭は処理に追いつかない
さて、どうするか......俺は考える。
―――刹那、光が体を包み込む
その瞬間、今まで認識できなかった自分の体を認識することができた。
(―――体が動く......俺は目を閉じているのか?......
とにかく目を開けて状況を判断しなければ、全てはそこから考えるとしよう)
目を開ける―――
夕焼けが俺の体を朱く染め、今が夕暮れ時であることを認識させる。
光が目に射しこみ痛みが発生する。
それでも何とか周りを見渡し状況を判断することが出来た。
俺は俺の目を疑った
あたり一面には色とりどりの様々な種類の花が咲いていた
大きい花もあれば、気を付けなければ踏みつぶしそうな小さな花もある
まるでここは楽園の華々しい花畑とでも想わせるかのような光景だった
―――だが俺が驚いたのはそんな事ではない
そんな華々しい光景とはまったく合わない数百、数千、幾千の墓標がたっていた
(なんだここは!?落ち着け!落ち着いて状況を判断しろ……!)
自らの驚愕という感情を「隠匿」し、冷静に頭を働かせる。
そこでようやく分かった
ここは魔素が濃すぎる。少なくとも現代にこれほど濃い魔素はあり得ない
これほど濃い魔素があればそれこそ協会そのものが動くレベルだ
ではここはどこだ...
過去に戻った?過去であればまだ数百年数千年前単位か?
そこまで遡ってようやくこれほどの魔素の濃さに納得できる
だが有り得ない。時間操作ともなればそれこそ虹の領域だ。
では未来?それこそ有り得ない。いつか魔素を枯渇し魔術が淘汰される時代が来る
魔素が減ることがあっても増えることない絶対に有り得ない!
空を仰ぐ、ここで一つ異変に気付く
(なんだあれは!?あんなモノがあり得るはずがない!!
あんなモノ、過去だろうと未来だろうと存在していいモノではない!!!)
柳が見たモノは天高く聳える塔
雲を突き抜け、頂上を視認することが出来ないほどの高さである
だが、そんなことはどうでもいい
ただの天高く聳える塔であれば未来に建設される可能性はある
問題はアレが魔力の塊でできているという事
現代の世界全てから魔力を集めようがアレの1000分の1にも魔力は届かないだろう
こんなものが聳えたっていれば周りの自然はあまりの魔力の濃さに耐えることが出来ず
朽ち果てる。自然は完全に死ぬはずだ
それは今俺がいる此処も例外ではない。こんなところに咲いている花が生きているわけがない
(つまるところこの塔だけがおかしいのではなく、この世界そのものがおかしいのか?
まだ判断するのは早いが、この解が一番しっくりくる
だがもしここが地球ではないどこかだとするのなら、
1つ、地球とは違う地球に似た惑星
2つ、そもそも基盤そのものが全く異なる世界
この2つのどちらかが、今は一番信憑性が高い。
だがそうだとしても星間隔の転移だとするならばそれもまた虹の領域であるし
異世界だとするなら多重宇宙理論間隔の平行宇宙運営能力だ。
そんなもの虹ですら有り得ない領域だ。
だとすれば仮定として一番可能性が高いのは他の惑星という可能性だ
ひとまずここは他惑星と仮定して行動するとしよう
そうして俺は大地を踏みしめる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数十分歩き続ける
肉体強化は出来るがこの世界のシステムを把握していない以上
軽率に魔術を使うべきではないだろうと判断し徒歩を続ける
約一時間ほど徒歩を続けた
けれど景色は変わらない
まだ周りは華が一面に咲いており幾千の墓標が立っている
先を視認するが目に見える限りは同じ光景が続いている
(もう少し移動を続けてみるか...この世界のことを把握していない限り
陽が沈んだ後に行動するのは正しい行動とは言えない...
とにかく境界を目指して行動するか)
四時間が経つ
夕焼けの景色は一向に変わらずまだ境目すら確認できない
(この世界の時間の流れはどうなっているんだ?まだ夕焼け景色が続いているのか?
おかしい…もう陽が沈んで夜になっていてもおかしくない時間なのに…)
柳は立ち止まる。休息をとることと同時に一つ確定したことがありそれを整理する為だ。
分かったことはここは地球ではない。ということだ
こんな異常状態が続いていた歴史など協会のデータにはなかった
あそこには過去の歴史すべてが貯蔵されている魔本があった
その魔本にもこんな異常光景のことなど記されていなかった。
つまるところここが地球であることはあり得ないという事になる
(......さて休息は十分とれた。行動を再開しよう...)
柳が歩き出そうと足を一歩踏み出した途端、一つ風が吹く
あまりの風の強さに一瞬目を逸らし、また目線を戻すとそこには
―――――――墓標に座っている一人の少女が俺を見ていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
俺は彼女を見たときに思ってしまった
瞬きをすればもうこの世から消えている雪のような儚さを
そんな印象を彼女に抱いてしまった
「―――ここに人が来るとは珍しいわね、貴方いったい誰なの?」
少女は俺に笑みを浮かべた顔を見せ、問うてきた
少女ははまるで歳いかない子供のような小さい背丈に金髪の二つ結い、
いわゆるツインテールの髪型でありその境界には大きなリボンのゴムをつけていた
服は黒いワンピース、腰のあたりにリボンが一つ、靴は履いていなく裸足であった
だがそんな事より俺が驚いたのはその肌、顔から手、脚その全身が火傷により肌がただれていた
顔の中央は火傷跡がなく奇麗な肌色をしているのが余計に火傷跡の悲惨さを際立たせる。
「...貴方もしかして私の肌を憐れんでる?かわいそうだと思ってる?」
彼女の顔は豹変し懐疑の視線を向ける
「いや違う、すまない謝ろう。いきなり現れたから脳の処理が追い付かなかっただけだ
少しここで迷子になってね、出口を探しているんだ」
相手の事が分からない以上、全て本心で話すべきではない
まずは相手のことを探らなければならない。
「俺は君を醜いとは思わない。職業柄君みたいな人間はよく見てきた。
だからいまさら火傷跡だけで笑わないし、憐れみもしない
...で、君ここの事よくわかっているなら出口の方向を教えてくれないか?」
また少女の顔は笑顔に戻りこう言った
「あははははっ!ここには出口はないわよ。いくら出口を探そうとも
貴方一人ではここから出るコトは出来ないわ」
「どういうことだ?ここには出口はない?君は一体何者だ?」
「私は人間よ、どうしようもないほどに弱くどうしようもないほどに我欲に囚われている
どこにで居る普通の人間よ」
でも返答には答えましょう、久々の客だしね、と彼女は続ける
「ここは結界なのよ。貴方からも魔素が流れているからにはわかるでしょ?結界くらい
でもこの結界は私が展開したわけじゃないわ。私がここに来た時にはもう存在していた
この結界は他者には解くことはできないわ。たとえどれだけ優れた魔術師であろうともね」
「つまり、俺はここから出るコトは出来ないか
あるいは結界を作った魔術を探しこの結界を溶かせるかの二種類しかないってことか」
少女は俺の困った顔を見てまるで予想通りとでも言いたげに、にんまり笑う
「―――いいえ、もう一つ方法があるわ。
私の僕となりなさい。私のために戦い、私のために生き、私のために死になさい
そう誓うのならばこの結界から出してあげる」
どういうことだ、と俺は疑念を口にする
「結界は展開した本人にしか解くことはできない
君はこの結界を展開していないと言った。その君がこの結界を解くことが出来るのか?
君にはこの結界を解く術はあるのか?」
少女は困惑する俺の顔を見て愉悦を感じたのか少し笑い声を含みながら
「えぇ、私にはこの結界を解く術はあるわ。理由は当然教えないけどね
それと肉弾戦や魔術戦闘に持ってきても無駄だと思うわ
―――貴方、私より弱いもの」
だから貴方は私の言うことを聞くしか術はない、とそう続ける
(俺も直観的に感じている。この少女は俺より強い
何回戦おうが勝てない。そう感じさせる類の強さだ)
「君の命令を聞いた際の俺のメリットは何だ。それがなければ不平等だ、交渉自体成り立たない」
少女は少し困ったような表情をし、柳に告げた
「メリットっていうメリットはないわね。
強いていえばこの結界から出て自由になれる事と
私が貴方を誰からも守ってあげる。
それでいいんじゃない?」
男は悩む
それだけでは交渉が成り立たない
今のままでは俺が少女に従う決定打には成り得ない
「それと、貴方自分が分からないのよね
記憶的な話ではなく本質的な話、今ここで私の案を断れば
貴方はいつまでたっても貴方を見つけることはできないわ」
その案を聞いた途端、俺は考えた
彼女は俺の悩みを見抜いている
彼女と共に居れば俺は俺を見つけることが出来るかもしれない
かつて失くした本当の俺を見つけることが出来るかもしれない
普通ならばこんな言葉を聞いたところで、嘲笑しているが
彼女の言葉には説得力を感じるところがあった
彼女共に居れば本当に自分を見つけられるような気がした
「了承だ」俺はそう返答しようとした
――――が、彼女の言葉に阻まれる。
「―――嘘よ、別に私の僕になんかならなくてもここからだしてあげる
......今結界を解いたわ。さっさとここから出ていきなさい
あっち側に行けば小屋があるから今日はそこで睡眠をとって
その奥にある村で匿ってもらいなさい」
彼女は俺から興味を失くしたかのような表情を浮かべそっぽを向きながら西方向を指さす
―――たしかに空気が歴然と変わった、結界は本当に溶けたようだ
「さっさと行きなさい、もう貴方には興味ないわ」
柳は彼女の言葉に対し言葉を返す
「待て、まだ結論を言っていない。
確かに前半部分を聞く限り俺は交渉に応じる気はなかった
だが後半部分を聞いて変わった。お前の僕にでもなんでもなろう
―――それで俺の中身が知ることができるなら」
少女は呆れた表情を俺に向けている
「貴方馬鹿なの?貴方には殆どメリットはないのよ?
それでも私の僕になってくれるの?」
少女の呆れた声に
「確かに俺には確然的なメリットはないのかもしれない
―――だが俺の中身を知る。それだけで俺にとってはメリットに事足りる」
彼女はさっきまでの呆れた顔から笑みがこぼれ大声で笑いだした
「アハハハハハハハハハハッ!
面白いのね貴方。貴方みたいな人初めて見たわ。フフッ!
今まであなたみたいに迷い込んだ人間はいたけど
みんな私のもとから離れ逃げて行った
―――――だからとても嬉しいの、たとえ私のためじゃなくても私と共に居てくれる存在が出来て」
少女は続けて唱える
「......じゃあ契約しましょう!右手を出して」
俺は契約をするために右手を出す
そうすると彼女は墓標から立ち俺の正面に立って右手を差し出す
そうして腕を交差させると
「指先から少し血を垂らして少し待つ...」
交差した互いの指先から血液が垂れ
その血液が自動的に魔法陣と呼ばれる紋章を描き始める
「後は契約の証明を行うだけ...私の詠唱に続けて唱えていって」
「了承した」と柳は応える
その返事を境に少女は詠唱を始める
「天秤より零れし血は地を赤く染めゆく我が求める世界は”普遍”
神の使途と也て聖戦を求むこと能わず」
彼女の詠唱が終わったことを悟り、俺も続けて復唱する
「天秤より零れし血は地を赤く染めゆく我が求める世界は”普遍”
神の使途と也て聖戦を求むこと能わず」
詠唱が終わると同時に地面に広がった血の魔法陣が色を変え発光を始める
それと同時に契約が完了した証なのか心臓付近に激痛が走る
激痛が鳴りやむのと同時に発光していた光は止み、契約完了の終了を合図した
柳は少女を背にし激痛が走った心臓付近を確認すると
そこにはまるで血文字で見たこともないような文字が一文字浮かんでいる
柳は彼女に問いかける。この文字は一体何なのかと
「その前に私の方も確認してくれるかしら、私じゃ見えない場所に紋様が浮かんだみたいなの」
そういって彼女は背中を俺に見せ神を上にあげ旋毛を見せる
そこには俺と同じようにだが俺とは違う言葉が経った一文字記されていた
「私何番目って書いてある?教えてくれないかしら」
「すまない、俺には読めないみたいだ。
今紋様を記すからそれを見てくれ」
そうして俺は左手の爪に紋様を複写する
紋様は複雑であったが複写を行えばトレースできる
「見てみろ、これが記されていた」
彼女に爪を見せる
そうすると彼女はガックリしたような表情を浮かべ肩を落とす
「なんだぁ...やっぱり七番目か。少しは期待したけどやっぱ現実って甘くないわね」
彼女はよくわからない独り言を続ける
「あなたの番号は何番目、見せて?」
そう言われたので俺は心臓付近まで服をたくし上げる
「なっ!いきなりなにしてるのよ!!この変態っ!!」
自ら見せてみろと言ったくせになんだこの態度は。と思いながら柳は説明する
「俺の場合は心臓付近に紋様が出た。見るのが嫌ならまた爪に複写するが」
「だいじょーぶよ!だいじょーぶ!今確認するわ...
―――へぇ、貴方の番号は五番目か。
最下位同士じゃなくてよかったわ、そうだとしたらお先真っ暗もいいところだもの」
少女は安堵した表情で答える
「この文字はいったい何を示している。七番目や五番目などいきなり言われても分からない
説明してくれないか、ちゃんと」
少女は疑問の表情を浮かべながら「あなたそんなこともわからないの?」と応える
「そういえば、貴方なんであの文字がなんて書いてあるか分からなかったの?
この世界の言語はすべて統一されているのに...」
訝しんだ表情を少女は俺に向ける
「言語が統一化されている?どういうことだ、この世界の言語は全て同じということか?」
まるでこの世界の常識とは外れているような発言をする
「貴方、記憶も失っているの?
数千年前からずっと言語は統一化されているままじゃない?
まぁいいわ説明しましょう
あそこに天空に聳えたつ塔があるでしょう?
あれはまだ開発途中なのよ。つまりまだ完成していないという事
あの塔を完成させるためにはこの世界の全ての国、全ての生物が協力しなければ成立しない
その為には言語のズレは致命的となる
だからこそあの塔には古代から言語統一化魔術が含まれている
そのおかげで私たちの言語にズレは発生しない。というわけよ」
理由に納得することはできた。あんな魔力の塊だ。そのような異常な魔術要素が含まれていても
おかしくはないだろう。
「あの塔を建てる目的は何なんだ?」
「さぁ?知らないわ。数千年前から建てられているんだもの、もう目的など朽ち果てて
ただの義務感で作ってるんじゃあない?」
「そして二つ目、この数字が意味するもの
―――この世界は約五百年周期で支配者が現れる
支配者は自らの望み通りに世界を改変することが出来、それは次の支配者が誕生するまで
永続的に変わることはない。
そしてこの数字はそんな世界の支配者になるための戦いに参加するための証って感じかしら
身分や性別、歳や宗教観、生態系に関係なく支配者にふさわしければ証を得ることが出来る
その証を手に入れることが出来るのは七人、これを王という
王には僕がそれぞれ一人ずつ。総勢十四人が世界の支配権をかけて戦う、そういうわけ
王と僕はそれぞれ順位が与えられ、
王はその順位が高ければ高いほど支配者にふさわしく
僕はその順位が高ければ高いほど魔術師としてのレベルが高いという事になる
私は王であり最下位の七番目、...まあこれは判り切っていたことだけど
で僕の貴方の順位が五番目、
他の僕の強さが分からないから貴方のレベルが分からないけど
私に勝てない程度ってことはあまり期待できないわね
―――ってまぁこれで分かった?それとも今から引き返す?もう無理だけど。ふふっ」
「理解 完了。ただ一つ疑問がある。聞いていいか?」
「ええ、良いわよ。巻き込んだ分何でも聞いて頂戴?」
では、と少女に質問する
「君はもしこの世界の支配者になったらどんな世界を望むつもりなんだ?」
少女はそんな質問に興味がなさそうに
「...別に、今のままの幸せな世界が続けばいいなぁってぐらいの望みよ」
彼女の言葉には嘘を感じられない。
ただ、その望みの全てを言っていない。そう感じられた
少女は続けて「ただ...」とまでいうとそこで言うことはやめたのか
「いいえ、何もないわ!あなたに話すようなことじゃあるまいしね。
それで分かった?私の質問分かった?」
誤魔化そうとしているのか話の転換が下手だなと感じたかが
そこまでして話したくない内容なら無理に聞く必要もないか、と思い問い詰めるのを止めた
「あぁ、じゃあ最後にもう一個いいか?」
少女はまだ何かあるのかと呆れた顔を浮かべこちらを見て苦笑いを浮かべていた
「これから共にいる上で必要なことだ。君の名前、教えてくれないか?」
少女は少し戸惑った顔を見せたがすぐにいつもの顔に戻りこう答えた
「私の名前はそうね、フランとでも呼んで?
フランは焔を意味するのよ
―――で、貴方の名前は?」
あからさまに偽名だが、ここで追及する必要もない。
名前は悪魔で互いに行動するために必要なだけでありそれが真であろうと偽であろうと
支障は発生しない
「俺の名前は柳 劉明。劉とでも呼んでくれ」
彼女は俺の名前を知るとすぐに俺の名を連呼した
柳、柳、柳と
少し恥ずかしくもあったが、嬉しそうな彼女の顔を見ると止める気にはなれなかった
そうして少しして落ち着くと彼女はこっち顔を向けた
彼女の表情は今日見た中で一番の満面の笑みを浮かべていた
「えぇ!よろしくね柳!!」
「あぁ、よろしくなフラン」
そうして俺は彼女の僕として彼女を世界の支配者にすることを選択した
塔...その全てが高濃度の魔術で構成されている塔
これが現代の地球にあればそれだけで星が死に絶えるほどの魔力を持っている
あらゆる魔術式が含まれており、そのうちの一つに言語の統一化がある
結界...魔術師としての基礎の基礎
人除けから人を閉じ込めるためやら、要領よく使えばそれだけで強力な魔術となる
結界を解くのは結界を作った本人しかできなくたとえどんな優れた魔術師が
外側や内側から攻撃しようとやぶることはできない
――― 一切の例外を除けば