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第1話:ブス姫様とおれと

部屋でゲームをしていたら、10秒で死刑宣告を受けていた

そんなバカな話があると思うかい


その日おれは発売されたばかりのゲームをダウンロードしながら、ある「儀式」の準備をしていた

そんな大層なものじゃない、誰でもやってるような簡単なヤツだ

全裸になる、それだけだ

エロい意味じゃない!

何もかもまっさらになって新しいゲームに挑む

これはそう・・・礼儀だ、礼儀の問題だ

クリエイターに対するおれの心からの礼儀

自分のすべてをさらけ出してゲームに挑む

おれはいつも新しいゲームをやるときはこの「儀式」をやっている

誰だってやるよな?そういう「儀式」をさ


ダウンロードも終わって、イスに腰かけ、手をスリスリしヘッドマウントディスプレイを頭に乗せる

いつもの最高にワクワクする瞬間だ

画面の案内にしたがって「新しくゲームを始める」を選択する


画面中央からまばゆい光が放射され、そしてだんだんとハッキリしてくる視界、目の前に巨大なおっぱいが広がる

ふつうそこは草原だろと思っただろ?おれも思った

 おれ:「ん、なんでおっぱい・・・?」

どういうゲームだよ!導入部でいきなりおっぱいってオマエ

いくらギャルゲーでももうちょっと何かあるだろう!こう、なあ!


しかたがないのでとりあえずもむ、しかたがないからね

もみながらキャラの顔を確認しようと顔を上げる

たしか7人ほどのヒロインがいたはずだ

おれは大好きなおかずは一番最初に食う、あとは残す

ギャルゲーも同じだ、好みのキャラにまずアタックをかます、あとは残す


だが目の前にある顔は事前にホームページで見ていたどのキャラとも違っていた

頭に乗せた王冠、大きなタレ目に、団子鼻、厚い唇、あ~実に独特な・・・

いや、もってまわった言い方はよそう

 おれ:「うわぁ、キミぶさいくだなあ、ブス姫って呼んでいい?」

おれはつい思ったことを口にしてしまった

彼女は顔を真っ赤にしぷるぷるとふるえだし

 ブス姫:「死刑じゃあああああああ!」

思いのほか色っぽい声で叫ぶと、衛兵らしきMOBがわらわらとやってきて、おれの両脇をがっちりキャッチした

そんな状況でもおれは

『誰でも取り柄があるんだなあ、声がエロい!』なんて悠長に思っていた


だが、おれはここに来てやっと自分の置かれている状況がおかしいことに気が付いた

そもそもヘッドマウントディスプレイをつけていない

やけにリアルに触感がある

とにかくおれは急に混乱した

 おれ:「どぅえええいい!?おわえおわんおわわいおわあ!?」

なんでだ、ここはどこだ?おれはゲームをしてただろ?おっぱい

おっぱい?いやちがう、ちがわない、ええええ?

ここはどこかの城か?おれはおえらいさんの乳もんだ??ブスだけどイイ乳だった、グッドおっぱい!

混乱しすぎて、どうしても思考がおっぱいで停止していた


ブス姫:「貴様、急に目の前に現れたと思ったら・・・どうやってわが部屋へ侵入した!そのうえ人の乳を揉みしだくとは!」

おれはとにかく誤解を解こうと(*誤解でもなんでもないが)

 おれ:「いやちがうんです!男ならもむんです!あ、ちが、男の乳をもむんじゃなくてえーいおれは何を言っているんだ!アイアムジャパニーズ!!姫様があまりに美しくてつい手が出てしまったんですぅ~」

 ブス姫:「・・・美し・・・い?じゃと?」

おれはブス姫のほほが少し染まったのを見逃さなかった

こんな状況でも冷静にそういうことに気づける教育をしてくれたお父さん、お母さんありがとう


おかげさまで素っ裸でギャルゲーをしたあげく、異世界(*たぶん)に飛ばされ死刑宣告を受けてもなんとかやれそうです、本当にごめんなさい


ここは一気にまくしたてておだてるしかない

おれは首をものすごい勢いで縦に振りながら

 おれ:「ええそうです!あまりに美しく、いい匂いもしたもんだからつい・・・」

 大臣らしき人:「んな!貴様、不敬であるぞ!」

うるせえ、大臣らしき人はひっこんでろ。おまえは「ですぞ」とか言ってればいいんだ

 ブス姫:「よい!貴様気に入ったぞ、この状況でもその軽口。なかなかできるものでもあるまい」

いいぞ、これは助かる流れだ。ブス姫ちょろい

だいたい直前に「ブス姫って呼んでいい?」って言ってるのにこれだ、鳥頭よりひどい

 ブス姫:「気に入ったとはいえ、王族に対する不敬は死刑一択。おぬしには死刑を言い渡す!」

 おれ:「あれ?気に入ったんならそこは助けてくれる流れじゃないんですか!?あと裁判は?ねえ!・・・地裁がウンコみたいな判決だしてさ、結局高裁までいくんじゃん!みたいなやつありますよね?」

 ブス姫:「ないわタワケめ!私のことをブスと言っておきながらずうずうしい」

覚えてたんかーい!

 ブス姫:「だが私も鬼ではない、おぬしにチャンスをやろうではないか。ではここでクイズです、ジャカジャン」

 おれ:「んっ!?クイズ??」

 ブス姫:「クイズです!」

 おれ:「あ、はい」

乗っとけ乗っとけ、ここはもう乗るしかない

だいたいあれよ、おれはクイズはけっこう~・・・得意よ!

親とTVのクイズ番組を見てるとな、母に『やっぱりウチのカズくんはすごい!』て言われるぐらいには得意よ

死刑回避のクイズとなると緊張はするがイケるでしょ!

 ブス姫:「いいですか、よく聞いてください。これはいわゆる論理クイズです」

 おれ:「!?」

おわった~・・・

おれはクイズは得意だが、論理クイズだけはダメなんだ

アレだろ?論理クイズって確か、4人の囚人に赤白の帽子をかぶせてどいつの頭をかち割りますか?みたいなのだよな?(*ちがいます)

ああいうのホントにダメなんだよ、頭使うやつはさ

もうだめだ・・・おれの人生ここまでかー

なるべくなら苦しくない刑にしてほしいな


 ブス姫:「ここに3リットルと5リットルが入るバケツがあります」

あぁ無理だ、なんかこれいっぱいあっちにこっちに入れたりするやつだ、さすがのおれでもこれは無理

 ブス姫:「この2つのバケツを使って・・・”8リットル”の水を計るにはどうすればいいですか?」

おわったー・・・なんだよこの問題・・・8リットルってむずかしすg

 おれ:「8りっとるぅぅう~!?」

なんか間違ってないか?

姫の顔を見る。自信満々な顔。あとブス

周りの大臣らのほうをうかがう。少し斜めになっている

これなに?どうなってんの?どう答えるのが正解なの?

普通に答えていいのか?ひっかけ問題なのか!?

 おれ:「りょ・・・(ゴクリ)、両方のバケツにいっぱいに水を入れる・・・」

 ブス姫:「・・・ピンポンピンポン!正解です!」

ほらやっぱりひっかk正解ぃぃぃ~!?

 ブス姫:「よくぞこの難しい問題を正解した。では褒美として死刑から減刑し『魔王退治の刑』に処す」

むずかしくねーよ!まんまじゃねーか!あとなんでちょいちょいSE入れてくるのこの人

 大臣らしき人:「では王女様の特別な計らいにより、そなたには軍資金として60万円と2週間の準備期間を与える。その間に装備を整え、魔王討伐の旅に出ること。その後は討伐を終えるまでこの国に入ることはならぬ」

 おれ:「ははー!ありがたき幸せにございます。もしよろしければ、ついでに衣服もいただけませんか、寒いので」

 ブス姫:「寒い以前に恥ずかしくないのか」


ごもっとも。


そしておれは衛兵に城の出口(*おそらく)に案内された

衛兵はおれを見送りながら『お前ついてたな』と一言もらした。あと『早く服を着ろ』とも

これってついてるのか?

そりゃあ死刑が減刑されて、わけのわからん刑になったのはついてるかもしれないけど・・・

こうしておれはもらった服と軍資金を小脇に抱え(着れ)、いるかいないかわからん魔王討伐の旅に出ることになったのだった

次回予告

ブラバツキー夫人に「なによ!アンタなんかもう知らない!」と言われてしまったルドルフ・シュタイナー博士

彼がとった驚きの行動とは!?

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