0-プロローグ
世界には、様々な生物がいる。
その中には陸上生物、海洋生物、空中生物といったような
沢山の種族が存在している。
こんな事は誰でも知っていることだが。
しかしこの世界には『存在はするかもしれないが正体が分からない生物』なんてのもいる。
人はそれを空想生物と呼ぶ。
これはそんな、空想生物が中心となる世界のお話
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2012年、9月8日。
その日は俺、三波隼人の誕生日だったのだが
その日、どうやら俺は死んだらしい。
9月8日午前、俺は家族や友人に祝われて誕生日を迎えた。
とはいっても、俺は高校生で、一応実家からは遠い所に通っているため、寮に住んでいた。寮ぐらしなので両親からはメールのお祝いだったし、旧友たちからもメールくらいのお祝いだったがそれでもすごく嬉しかった。
寮の友人からも祝われたが、全員経済的に余裕がないらしく
プレゼントとか、誕生日ケーキとかは特になかったけど
祝われただけでも嬉しかった
9月8日午後7時
虚しいけどケーキがどうしても食べたかったから、自分でケーキを買いに行って、確かその帰りだったと思う。
家のすぐ近くにある池のそばを歩いていたら急に背中を刺されて
俺は犯人の顔を視認できなかったまま池に落ちて、
体はすごく冷たくって、でも体を暖めようと体温調節が狂って、すごく熱く感じながら死んだ。
ああ、
まだ色々したいことあったのにな
父さん母さんに親孝行もできてない。
そういや、寮友があと数年で人間が空を飛べる時代が来ても
おかしくないっていってたっけ…
ああ、空を飛びたいな
飛びたかったな。
でももう飛べないな
無念の中俺は死んだ。
死んだ筈なのに、だ。
今俺は目を開けたら何故か一面の木の葉?が目の前に広がっていた。
ここはどこだ?体は…冷たくない、普通に動く
背中に刺されたあとも無い。何だこれは?
どこだここ?森の中?
地面は…うえ、泥濘んでる。
日当たりは…悪いし暗い。でもちょっとだけ木漏れ日がさしている感じだ。
ぼーっと突っ立ってると地面に足を取られそうだったので動かすと、
すぐに草がボーボーに生えまくった地面に足をつけることができた。
とりあえず、ここがどこかわからない以上下手に動けないが
かつての世界で見た日の光を全身に浴びることを求めて。
俺は一歩を、
はじめの一歩を踏み出した。