ヤダ、だって面倒くさい
ある日言われました。
「あなたは、悪役!そして、私は主人公!だから私をいじめなさい!」
おほほほと高笑いをする、美少女に私は引きつった顔で「ヤダ、だって面倒くさい」とすっぱり返す。
「面倒くさい?!だめよ、私をいじめてこそ悪役よ!」
ナニコイツ、そう頭で思いながら私はただ「面倒くさい」と返す。いや、だって面倒くさい。何もかもが面倒くさい。コイツとの会話さえも、面倒くさい。
「役とかどーでもいいから。勝手にやってて」
ひらひら後ろ手で振りながら、その場を離れた。
「だーめーよー!いじめてこそ悪役よ!」
と、後ろから叫び声が聞こえたが無視に限る
あぁ、そうだ。寝よう。そう思うと私は即行動派だ。やるって決めたらやらないと面倒。やらないでいいときはとことんしない。それが、私。プラマイ関係ナシにね。
宿木色、面倒嫌いの女子高生やってます。
****
「さぁ、今日こそやってもらうわよ!」
仁王立ちで現れた、自称主人公こと桜木桃花。とことん、春っぽいやつだ。ちなみに、頭も。ぷぷっ、ウケる。
「はぁ、消えて、まじで。」
面倒くさいから。「そう、その調子よ!」いや、本当に。
「………」だめだ、無視に限る。
「言葉は今の感じね、あとは嫌がらせよ、嫌がらせ!」
なんでそんな工作しないといけない?嫌がらせとは、面倒くさいじゃないの。
「ブスとかハゲとかノートとか教科書に書いてくれればいいから!」
面倒くさい。本当、絡むのやめてくれるならしてあげる。
ということで、書いたけど…
君は、春色ですね
鈴のような声は響きます
言葉は軽やかに流れていく
そんな君は、遠くの花
君の頭は、春色ですね。
鈴みたいに五月蝿い声は私の頭に響いて不愉快
あなたの言葉は軽やかにスルー
そんな君には遠くで見た方がいい花のような存在が丁度いいのかもしれない
と、すこしオブラートに包んで書いてみたがしかし、
「なに、あのポエム!!なんか、恥ずかしいじゃない?!」
え、どういう意味でとったのかな。
***
「大丈夫?最近、へんな同級生にまとわりつかれてるって聞いたけど…」
イケメンなその顔を少し歪ませて、訊ねてくる彼は私の兄。
「……お兄ちゃん、どうにかしてくれるの?」
「ん~色のためなら」
少し甘いお兄ちゃんは、使える。私は、面倒嫌いなのだ。だから、してくれるのならして貰うがモットーです。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
ちゃんと、お礼は言わないとお兄ちゃんは、拗ねる。あとが、厄介イコール面倒。
「んーん、大丈夫っ」
宿木樹、一つ上ですんごく頼りになる。だから私は、兄が大好き。ブラコンであることは自覚済みだ。拗ねると厄介だけど、誇るべき兄。
「……なんで、宿木樹がシスコンなのよ!」
また、来た。しつこいなぁ、本当に。
「シスコンの何が悪い!私だって大好きよ、お兄ちゃん!」
「あんたがブラコンだからかっ!」
「アイラブお兄ちゃん!」
「どこまで、ブラコンなの?!」
「えぇ~悪い?悪いの、ブラコン!お兄ちゃんさえいれば、なんだってやれるよ?」
だって、してくれるもん。これは、心の中だけで思っていると桜木桃花はため息をついて去っていった。
何がしたかったんだろうね?
****
なにこれ、この煌びやかな男は。
「宿木の妹?独り占めずるいっ!」
「ずるくない、俺の特権」
そういい放つ兄のそばに寄る。一応、人見知り属性だから苦手だ。初めての人。
「うわ、相当可愛いなおい!」
「ふん、黙れ。可愛いのは、当たり前だ。ね、色」
「……お兄ちゃん、帰ろ?」
「ん、ん、分かった帰ろっか。じゃな、種」
「ちょっと、おい!?」
まてって!!と叫ぶ種という人を放置して私は、兄と手を組んで帰る。好きだけど、愛してるとまではいかない。いつか、お兄ちゃんの好きな人ができたら、ちゃんと判断した上でいっぱい可愛がって貰うのが夢。だって、お姉ちゃんが欲しかったから。
***
それからと言うもの、お兄ちゃんの友人達〈イケメン軍団〉は、私と出会うと悉く絡んでくる。止めて、面倒だから。
「……もう、なんなの?!なんで皆、妹属性に弱くなってるわけ?!」
「………」また来たよ、なんなの?
「でも、確かに萌えるわ!あんたの無自覚妹属性発動は!」
とか、意味わかんない。ただ首を傾げていると、
「あぁ~もう、諦めたわ!なにが、乙女ゲームだ!攻略だ!普通の恋に専念するわ!」
そう、告げた後は絡むのが無くなった。一体彼女は、何をしたかったのだろう?でも、彼女が去ってもイケメン軍団は去らないのね。
「お兄ちゃんとは、結婚できないからさ……俺と結婚しよう?」
皆、同じこと言うのは止めてほしい。
「ヤダ、だって面倒くさい」
結婚って、面倒なイメージあるから。
「ふん、色は誰にもやるつもりはないよ。いつか、色が本当に好きな人が出来たら俺に挑む権利をやるんだ。色が好きじゃない奴には権利なんてやんない」
「私も、お兄ちゃんはそう簡単にはやらないもん!」
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