想い
この物語は前作puer‐Jamの続編です。
前作を読みたい方は、砂さらら か Puer‐Jamで検索してみてください。又は以下のURLからどうぞ。
http://nw.ume-labo.com/dynamic/novel/a/n0493a/index.php
あたしは幸せになんかなっちゃいけない!!
あたしは幸せになんかなっちゃいけない!!
あたしは幸せになんかなっちゃいけない!!
いけないんだよ!!
だって…
アタシハ、ヒトゴロシ。
アタシハ、ヒトゴロシダカラ…。
あたしは人を殺したの
あたしは彼を殺したの
あたしはそう…
彼をこの手で…
殺したの
だから
謝りたいの
謝らなきゃならないの
彼の処へ行って…
謝りたいの
謝らなきゃならないの
早く彼に会って…
急いでるの
邪魔しないで!
こんなんじゃ足りない
こんなんじゃ足りない
もっと出て
早く出て
出てよ!!
出てよ!!
出てよっ!!
でなきゃ
彼がいなくなっちゃう…
こんなんじゃ足りない
こんなんじゃ足りない
真っ紅な
真っ紅な
血の海が出来なきゃ
あたしは
彼の処へ行けないの…
あたしは
彼の元まで辿り着けない…
これじゃ足りない
これじゃ行けない
全然足りない
全然逝けない
早く…!!
早く…!!
出てよ!!!!!
あたしは
生きてちゃいけないの
あたしが
生きてていい筈がないの
なのに
それなのに
どうして
どうして
どうしてなの…
アタシ マダ イキテル。
アタシ マダ イキテルノ?
アナタは最期に
ありがとうって言ったんだってね
あたしの上に被さって
ありがとうって言ったんだってね
アリガトウ…
どうして
これが
どうして
これが
アナタの最期の言葉なの
アナタノ
サイゴノ
コトバ…ナノ
byエリス
帰る道すがら。またマガジンが来ていた。
僕の胸は困惑で一杯になった。。彼女のことが頭から離れない。
今までこんなことは経験が無かった。何だろう?
この想いは。
僕は彼女に会いたいと思っていた。
それは好奇心の枠を出なかった。
しかしこの胸のざわめきは一体何なのだ?
いつからだろう。一体いつからだ?
あの夢に出てきた女性は彼女なのだろうか。いや彼女の幻影と言うべきか。
大体僕はメールの文面以上の彼女を知らない。彼女の顔や体つきなど知りもしない。
分かるわけが無い。
僕は自分の中に彼女の幻影を作り出したに違いない。
僕の勝手な妄想なのだ。
妄想の相手に胸をざわめかせているのだ。
その時だった。車を赤信号で止めた瞬間だった。
夢で見たあの女性が僕の目の前にいたのだ。
嘘だ。有り得ない。
有るはずが無い。この街に彼女がいるなどと。
僕の頭はどうかしてしまったのだ。そうに決まっている。
だが僕の体は僕の意識を離れた行動を取っていた。
車を降りその女性に向かって歩いていた。
気がつくと僕はその女性の前に立ちふさがっていた。
女性はキョトンとした表情をしている。
仕方が無い。
僕は勇気を振り絞って声をかけた。
「あの、失礼ですが人を探しているんです。貴方はエリスさんじゃありませんか?」
「は?」
女性は先程の表情を更に深めていた。
「失礼しました。あまりにもイメージが似ていたもので」
僕は非礼を詫びた。
すると
「今、エリスとおっしゃいましたか?」
「ええ」僕は答えた。
「エリスって本名ですか?」彼女は言った。
「いえ、NET上のハンドル・ネームです。その人を探しているんです」
「エリスにイメージが似ていると、そうおっしゃいましたよね?]
「はい」
「ご存知なんですか?エリスを」
「あ、いえ、その、話せば長くなるんですが・・・」
クラクションが鳴る。信号が青に変わっていた。
「少し待っていただけますか?車を移動しますので」
そう言って僕は急いで車を左の路肩に移動させ、改めて彼女の前に立った。
「申し訳ありませんでした。正確にはエリスさんを僕は知りません。ただ、その、お信じになれないと思いますが、夢に出てきたんです」
「は? 夢?」
「ええ、正直に申し上げているんです。突拍子も無いことは十分承知していますが。事実なんです」
彼女の表情がより一層、困惑の色を帯びている。
無理も無い。しかし彼女はエリスという名に心当たりが有ることは確かなようだった。
「貴方はエリスさんをご存知なんですね?」僕は念を押した。
ここまで話して僕はやっと落ち着いて彼女を見ることが出来た。
そして彼女の左腕を見た。
昨日と今日は春と言うより初夏の気温だった。
朝とは言え長袖のトレーナーシャツの僕は既に汗をかいていた。
見れば彼女は半袖で、美しい腕がそこからスラリと伸びていた。
何処にも傷跡など無かった。エリスでは無いことは一目瞭然だった。
「いや、大変失礼しました。人違いでした」
僕はなにをやっているのだ?
有り得ないことは分かっていたじゃないか。
休日の朝、これから出かけようという時に訳のわからない男に呼び止められて、不躾な質問をされた彼女こそ災難だ。
「突然、不躾で本当に申し訳ありませんでした。お詫びします。どうか許して下さい」
僕は直角にお辞儀をしてその場を離れた。
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24時着0時発……
管理人MISS.Mさんの協力により執筆しました。