MissionImpossible?
この物語は前作puer‐Jamの続編です。
前作を読みたい方は、砂さらら先生 か 小説Puer‐JamでGoogle検索してみてください。又は以下のURLからどうぞ。
http://nw.ume-labo.com/dynamic/novel/a/n0493a/index.php
「ねえ、あたしを抱きたい?」
「えっ!!」
叫ぶと同時に僕は腰を抜かして、その場に尻もちをついてしまった。
「……」
絶句。
数十秒の時間を経て、やっとのことで僕の唇は動いた。
「そういう冗談が趣味とは知らなかったな」
精いっぱいの強がりだった。僕はそのまま立ち上がらず両腕で膝を抱え、タイル貼りの床の上に座り込んだ。そうしないと膝がガクガク笑っているのが彼女にばれてしまう。それほど唐突で脈絡のないセリフだった。
「じょうだん?」
「そんな冗談を言えるほど、ヒネてないつもりだけど?」
今までバッキンガム宮殿の衛兵のように、微動だにせず立ちつづけていた女性兵士はクルリときびすを返し膝を折ってしゃがんだ。
視線を完全に正面衝突させると
「どうなの?抱きたい?」
その時不意に風が起こり、彼女のスカートの黒いレースが波立つように揺れて 僕らを包んでいた陽光はさえぎられた。
タクシーが到着したのだった。
「車。来たよ」
内心ホッとした僕は彼女の視線を逃れ、やっと立ち上がることができた。
「その話題は またにしよう」
僕は一時休戦という態で議題にあがりかけた質問の答弁を避けた。
こういう時、閣僚の気持ちが解かる。世の中には答えたくても、答えてはいけないモノゴトがあるのだ。
彼女は立ち上がった。どうやら休戦に合意していただけたらしい。
(やれやれ)
僕は心の中でため息をついた。
「天文館へ行って下さい」
運転手に告げシートに身体を沈めると、ようやく僕は「ひとここち」つくことが出来た。
僕は思考を切り替え、綾女を救う方法の手順。それを考えることに集中した。
A 最寄の教会を探す。
B 聖水を分けてもらう。
C 綾女の意識の無いうちにアヤメを彼女に近づける。
D 彼女達を鏡に同時に映し聖水をかける。
E A〜Dをあと41日以内に行う。
A については今からNET検索に向かう。
B については日本の教会にそれがあるのか?これも検索を要する。
C これが最大の問題だ。アヤメが僕の傍にいるうちに何とかしなければならない。
この場合、このまま綾女の意識が戻らない方が良いのだ。不謹慎だが最終的にそれが彼女を救う必須条件となる。
D はCの条件が揃っている前提でなおかつ、アヤメから僕が離れないで居る必要がある。
可能だろうか?
E そうなのだ。今日は11/20日であり、リミットは今日を入れて41日しかないのだ。
ともかくAから始める以外にない。
もし読んでいただけたなら批評、批判、感想、採点などお寄せ下さい。必ず読みますのでお願いしますm(__)m
この物語は前作puer‐Jamの続編です。
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