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彼女の夜

この物語は前作puer‐Jamの続編です。

前作を読みたい方は、砂さらら か Puer‐Jamで検索してみてください。又は以下のURLからどうぞ。

http://nw.ume-labo.com/dynamic/novel/a/n0493a/index.php



朝……だ




眩しすぎる





見たくなかった


いらなかったのに…




昨夜


「オマエナンカ死ネバイイサ」


幻聴



はっきりと

くっきりと



聞こえた






リスカに

プチOD





眠れなくて

眠れなくて

眠れなくて

眠れなくて




眠剤は効かないし

腕はもうボロボロだし




夜中

色んな心優しい人から

メールが来たから

こまめに

こめめに


メールして

メールして

メールして

メールして

……




ひどい内容




無様…





そして

メールをした行為


それ以外の記憶



喪失…




自殺願望絶頂…


約束恣意的破棄…


嘘付…


裏切女…







なにをやっているんだよ

なにをやっているんだよ

なにをやっているんだよ



あたしは


なにを




やってるんだよ…






昨夜

誰の励ましも

誰の言葉も

誰の心も


あたしには


聞こえなかった…







ねぇ

もう一人のあたしが

やった仕業でも


このあたしの

責任…


なんだよねぇ








どうすればいいの

手に負えないよ



あたしじゃないのに

あたしじゃないのに

あたしじゃないのに

あたしじゃないのに

あたしじゃないのに







あたしなんだよ…





迷惑をかけた皆様

ゴメンナサイ

心配してくれた皆様

ゴメンナサイ




朝陽…


眩しすぎる朝陽…









見たくなかったな…


byエリス


朝起きると彼女のマガジンが届いていた。

何だろうこの胸が絞めつけられる感覚は。あまりに切実で何度も何度も読み返してしまう。

僕は手首を切ったりしない。リスカットはほとんどが女性だ。

そして男性は自殺者が多いという。


確かに僕も死のうとした。でも死ねなかった。

今は死ぬことを諦めている。ただ、其の時 が来るのを待つだけだ。

僕がNETに繋ぐのはホームページやウエブログを通じて誰かに解かって欲しいからだ。

それに自己表現の場所でもある。そんな思いでNETする人間は僕だけではないはずだ。

或いは、助けを求めている人だって居るかもしれない。

そんなことを考えながら僕は部屋を出て鍵をかける。

眠っていないが仕事の時間だ。働けるときは働いておきたい。もちろん不眠で仕事をするのは非効率だ。

だがしないよりマシだ。僕は車を走らせガソリンスタンドへ寄って給油し、その間にセブン・イレブンで買った

サラダサンドをかじり微糖の缶コーヒーを飲んだ。

再び車に乗り込むと僕は両手で左右の頬をパシパシ叩いた。

別に意味など無い。ただの癖だ。スイッチを切り替えるための。

そして僕が僕のために用意した戦場へ向かって車を走らせた。

春のうららかな陽光は既に世界に満ちていた。道路脇には白や紅い花を咲かせたつつじが並んでいた。

カーラジオからはABBAのダンシング・クイーンが流れ始めDJの野太い声は消えた。

僕はまだ、彼女の昨日の夜のことを考えていた。

http://plaza.rakuten.co.jp/24jihatu0jityaku/
24時着0時発……
管理人MISS.Mさんの協力により執筆しました。

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