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追われる

引き続き、中学1年、転校する前の話です。

ある日から、何やら見られている気配を感じました。授業中、休み時間、帰る時、お風呂に入る時、寝る時・・・。落ち着かない生活が1週間程続きました。段々と気味が悪くなってきて、気配がしたらすぐにその方向を見るようにしました。そんな日々が3週間ほど続き・・・。ついに正体が分かりました。分かったのは、部活からの帰り道。後ろから気配を感じて、振り向きました。すると、電柱の陰から女がこちらを見ていたのです。髪が長く、全身真っ黒の服。黒い傘を持っていました。何だか、他の霊とは違う何かを感じました。一層怖くなりました。

そして数日後。帰り道でその女の人と目が合ってしまいました。しまった、と思いました。これはやばい、と。そしてそれからは、その女の人に追われるようになりました。会う度に。もう、普通の生活はしていられません。気の抜けない日々が続きました。

けれど、どうして追ってくるのか、という疑問が湧いてきました。そこで勇気を出して、聞いてみる事にしました。

学校帰り。いつものように追ってきます。わたしは途中まで逃げて、立ち止り聞きました。

「どうしておってくるのですか?」

と。

「・・・・・・」

答えてくれません。しかし、聞こえているはずです。聞いた一瞬だけ、こちらを見ました。とても悲しい顔で。でも、どこか憂いのある顔でした。辛い、という感情がほんの少し流れてきました。

その後、霊などに詳しい人の話で、それは死神であるという事が分かりました。

そしてその1カ月後。家から見えるマンションの屋上にいたのを見たのが最後に、すっかり追ってこなくなったのです。

そして更に1カ月後。部活の演奏会(わたし、吹奏楽部です)で、ステージで演奏していると・・・。目線の先の客席にポッカリと黒い空間がありました。よく見るとあの女の霊・・・、死神でした。

そして、それを境に見かけなくなりました。

本当にあれが死神だったのか、どうして追われていたのかは未だに分かりません。でも原因があるとすれば・・・。その頃は転校、家庭の問題がいろいろあったのです。辛くて、少しでも死にたいと思ってしまったからかもしれません。でも、ステージで演奏する私を見て、命を奪うことを諦めてくれたのかもしれません。

それでも。あの悲しい顔、憂いのある顔は忘れられません。流れてきた、感情も・・・。もしかしたら、死神にも誰かの命を奪うのには、抵抗があるのかもしれません。

死神様、ありがとうございました。

それからは、死神に対する見方が変わりました。

お疲れさまでした。相変わらず、稚拙な文ですみません。

死神は不思議ですね。命を奪う神。けれどそれは、この世に必要なことなのかもしれません。生と死の上で。簡単に死にたいとか言うな、ということを教えられました。どんなに辛くても、生きていかなければならないのです。


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