きゅうりのおじさん
わたしが小学5年の時の話です。
その日、夕食中ふと前をみると・・・。なんと、兵隊さんが!けがしてるようで、頭などから血を流していました。もう、怖くてガクガクです。(笑)もしかしたら戦争とかで亡くなった方かな、と思いつつ、その日は寝ました。
その夜。夢を見ました。
ぼんやりとした白いような、灰色のような空間の中を見ているようでした。すると、あの兵隊の人が。
「ごめんね。怖がらせるつもりは無かったのだけど・・・」
兵隊さんが言いました。そして見えてきたものは・・・。海でした。ふと気が付くと、わたしは軍艦の中にいました。
大砲の音。叫び声・・・。
その時。
ドカーーーーーン
大きい音と、すごい衝撃を感じました。そして、ボンヤリとし・・・。
「おじさん、これで死んじゃった」
兵隊さんが言いました。
「喉がひどく乾いたよ。生前は、きゅうりが好きだから、きゅうりを食べたい」
兵隊さんは穏やかに言います。
「それからね、会いたい人がいる。その人が大切で、心配なんだ」
そう言い終えると同時に、私は目を覚ましました。兵隊さんが普通の優しいおじさんだったこと。大切な人がいると言っていたことに胸が痛みました。でも、会いたい人がいる、という願いは叶えてやれそうになくて・・・。
急いでこの事を親に言い、その晩はきゅうりをお供えしました。新しいトゲがチクチクのやつ。
どうして自分にしか見えないのかととても苦しく思っていました。そんな気持ちは、現在だってかわってません。幽霊は苦手です。でも。どうか兵隊のおじさんが少しでも救われます様に。素直にそう感じることができた出来事でした。
初めまして。白猫です。はじめに、のところであいさつしましたが、改めてさせていただきました。見えることで、聞こえることで、苦しんできたこと。だからこそ、知った事、楽しいと感じた事。たくさんありました。ここでは、そんなことを少しずつ書いていきたいです。見える人、そうでない人にも何かを伝えられたら、と思っています