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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

2月1日の日記

作者: 夕雨 タ雨

この話はフィクションです、事件や人物は全て架空のものであり、実在のものとは一切関係がありません。

20××年2月1日

何故か自宅から出られなくなってしまった。

PCやスマホも使えなくなっていて助けも呼べない。

もしかしたら誰かに監禁されているのかもしれない。そう考えて玄関を叩いて叫んでみたが、結局誰にも気がついて貰えなかった。

幸い昨日新しいノートを買ってきていたので、何かあった時のことも考えて日記をつけることにした。



20××年2月2日

今日も家の中を色々探したが、なんの手がかりも見つけられない。

適当なタイミングで窓や玄関を殴って叫んでも何も変わらなかった。やはり隣が空き部屋なので気がついてもらいにくいのはあるだろうが。

新たにわかったことといえば、窓すら開けられないということだけだった。もし開けられたとしていても、3階なので降りるのは最後の手段になりそうだ。



20××年2月3日

寂しい。今までは会社では仕事の話をするし、家に帰ってもネット内でチャットや通話を使って話す機会はあった。しかし今は誰とも話せない。人と一切話せないというのがここまで辛いものとは思わなかった。

前に買った野菜が変色してきた。食べられるものがどんどん無くなってきた。



20××年2月4日

今日もひとり。誰にも気が付かれなかった。誰とも話せない。誰でもいいから話がしたい。玄関は相変わらず開かない。誰か



20××年2月5日

食べられる物が無くなった水も出ないさみしい助けて1人は嫌だひとりはいやだひとりはいやだひとりはいやだひとりはいやだひとりはいやだひとりはいやだひとりはいやだひとりはいやだ誰かここから出して






 あるマンションの一室で起きた事件の話。

2月6日、男が一室で孤独死しているのが発見された。身体は腐っていたし、害虫も湧いていた。電気も止まっていたせいで、冷蔵庫の食べ物も腐敗していた。本当に酷い有様だったとの事。

検死の結果、死後6日は経っていたらしい。

 けれど、孤独死だけだと事件にはならないはずだった。

なぜ事件になったか。それは、その男の傍には日記があったからだ。

その日記は2月1日から付けられていて、5日まで書き綴られていた。内容は自宅に軟禁された旨が記されていた。

 おかしな話だろう。2月1日には死んでいたはずなのだから。

だからオカルト好きな人の中では「死んだことに気がつけなかった地縛霊が書いた日記」と考察されている。

 噂ではその日記の文章はどこかのサイトに転載されているとの事。1ヶ月も経ったから、もしかしたら誰かが文字に起こして載せちゃったのかもしれない。そうだとしたら誰がそんな事しているんだろうね。


 さて、私が持ってきた怖い話はこれでおしまい。次は誰が話す?

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― 新着の感想 ―
地縛霊となって孤独な空間を延々とループするという地獄かと思うと ぞっとするね。死ぬことすらできない。もう死んでるから。
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