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エロも育成も冒険も!拾ったゲームで異世界転生!  作者: えび天コロモ
第1章 はじまりの街と最初の仲間
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04話 VSゴブリン


「本当にパーティーを組めるなんて、良かったぁ。1人で冒険者なんて不安だったんです。」


 パーティーを組むことになった、僕とシリカさんはゴブリン討伐の依頼を受けて、ゴブリンの発生しているエリアに向かっていた。雑用依頼?採取依頼?そんな依頼やってられるか。とっとと経験値を貯めてレベルアップ、そして強くなって冒険者ランクをアップさせる。RPGでRTAするやつらは本当にそのゲームを楽しめていないと僕は思う。だが、経験値、レベリングに関しては効率を求めるべきだ。これ即ち我が持論。


 シリカさんに聞いたところによると、この世界の人にレベルと言う概念は無い。この世界の人々は、厳しい鍛錬や死線を越える戦いを重ねることで、ステータスの値を少しづつ伸ばしていくらしい。死線を越える戦いに身を置き続けるのは難しいし、下手したら死ぬ。だから、この世界の人々は、厳しい鍛錬を長い時間かけてやることで強くなるらしい。鍛錬し強くなった者で、軍人になった者はさらなる強さを求めて、より厳しい鍛錬を行う。冒険者になったものは、その強さで金を稼ぐ、戦いの中でステータスが伸びれば御の字と言った具合だそうだ。


 シリカさんも祖父に何年何十年もする厳しい鍛錬の話を聞いて、嫌で侍女に就職したらしい。たしかにな、そんな感じなら僕も強くなろうとは思わんな。シリカさん意外と考えてんだね。


「新人冒険者としてお互い頑張りましょう。」


 まぁ、経験値が集まりレベルアップすれば、すぐに新人冒険者なんて卒業できるがな。


 街を出て平原を進むが所々にサッカーボール程のボヨンとした塊がいる。恐らくはスライムだろう。近づいて、サッカーボールのように蹴ると簡単に倒すことができる。


「あー、カワイイですよね、スライム。私も子供の頃よくスライムで遊んでましたよ。」


 おう、なんということだ。スライムお前弱すぎて、子供の遊具になっちまったのか。


 平原を歩き見えてきたのは森だった。この森にゴブリンが居るらしい。警戒しながら森の中に入っていく。するとすぐにゴブリンが見つかった。園児のような小さな体で木の棒を持っている。僕がゴブリンを観察している間に、シリカさんが走り出した。その勢いのままにゴブリンに拳を振るう。先程のスライムのように、簡単に吹き飛んで後ろの木に衝突した。そのままゴブリンは光の粒子となって消えていった。


「どうですか!」


 振り返ったシリカさんは嬉しそうにそう言った。適当に褒めておけばいいか。


「すごい、一撃だったね。今度は僕が魔法で倒すね。」


 確認すると経験値5獲得していた。ドロップアイテムはLA(ラストアタック)を取った者のアイテムボックスに入るらしい。


 次のゴブリンはすぐに見つかった。ゴブリンに見つかる前に、魔法を使う。木の杖を掲げて祈るようにイメージをする。浮かび上がる火と土の属性から、土を選択する。体にある魔力に土属性に変質する感覚がわかる。体にある魔力が掲げた木の杖に流れていく。魔法のイメージが鮮明になっていく。そして描いた魔法に必要な魔力が木の杖に溜まったのを確認し、その魔力を開放する。


 空気を震わすような微かな振動とともに、ゴブリンの足首を覆うように、地面の土が動く。足が完全にロックされて、身動きが取れない。ゴブリンは突然の事にパニックになっている。


 もう一度、木の杖を掲げる。今度を火を選択する。魔力を込めて、魔法を放てば、炎の粒子が飛んでいき、当たったゴブリンが炎に包まれる。炎は数秒で簡単に消えてしまうが、その時にはゴブリンのHPは0。光の粒子となって消えていった。


 経験値5とドロップアイテムを獲得した。先程の2発の魔法でMPが46から39になっている。1度の戦闘でMPを7消費したらしい。やはり序盤はMPの枯渇が激しそうだ。


「おお!!魔法って凄いですね!」


 シリカさんが褒めてくれる。だが、1発で倒したシリカさんと違って、僕は2発の魔法が必要だった。まだDEXも低い僕では動き回るゴブリンには、魔法を上手く当てられないだろう。まだまだステータス値が足りない。逆にシリカさんなんかは簡単だ、ゼロ距離まで近づいてSTRに任せてぶん殴れば良い。見ていろよ、シリカさん。魔法アタッカーはの本領は、敵のHPも味方のMPも高くなる物語中盤以降なのだ。


 その後は手当たり次第にゴブリンを狩りまくった。ゴブリン相手にダメージを受けることもなく安全に狩れる。問題があるとすれば僕のMPが早々に0になり、ただのお荷物状態になってしまったということか。ほとんどはシリカさんが1撃で倒してくれる。たまに複数体でゴブリンが現れたときに、僕が杖で頑張って足止めするぐらいしか役割がない。アタッカー(笑)すぎる。


 せっかくの冒険なのにMP枯渇で悲しすぎて、帰ろうかなと思ったときにシリカさんが、悲鳴を上げた。シリカさんの視線の先には、普通のゴブリンよりひと回り大きなゴブリンが、頭と胸の防具と片手剣を装備している。


「な、なんでゴブリンソルジャーが!?」


 ゴブリンソルジャー?何だ、ゴブリンの上位種とかか?シリカさんが襲ってきたゴブリンソルジャーの前に躍り出る。


「私が、時間を稼ぎます!逃げてください!!」


 シリカさんがゴブリンソルジャーとの肉薄するが、ゴブリンソルジャーの攻撃をいなすだけで精一杯だ。


 どうしよう、ここで僕だけ逃げるなんて、あり得ない。僕はプレイヤーだ、主人公であり、RPG的に言うなら勇者だ。この状況を打破しなければ。だがMPはもう無い、他に何か…。


 僕は杖を握りしめて、頭を回転させた。そうだ、経験値!ゴブリンを倒して経験値を得たのにレベルアップしていない。僕は慌てて、ウィンドウを開く。経験値が…ある!これまで倒してきたゴブリンの経験値が90という数値でステータス画面に残っている。この世界の経験値はド○クエのようなシステムではない?恐らくは自分で割り振らないといけない。


 そこまで思考が届き、僕は経験値を使用する。経験値6を使用して僕はレベルアップする。まだいけるぞ、経験値24を使用して更にレベルアップする。更に、経験値54を使用してレベルアップ。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

ツクモ Lv.4

種族:闇人(ダークネス) クラス:魔導士(ウィザード)

HP :52  MP :82

STR:14  VIT:29

DEX:67  AGI:36

INT:82  MND:21

所持金:36,000G

称号:Fランク冒険者

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



 MPも復活している。僕は木の杖を掲げ、復活したMPのほぼ全てを捧げる。選択する属性は火。イメージはゴブリンソルジャーを焼き尽くし、飲み込むほどの高威力な火炎だ。魔法の準備を終え、一気に解き放つ。


 髪が逆立つほどの震えから、僕の周りに巨大な炎の渦が出来上がる。炎の渦はウロボロスのように周囲の風を巻き込んで肥大化していき、その図体を細長い龍のごとく伸ばしていく。炎の渦は獲物を求めるように、地面をのたうち回りながら蛇のように、ゴブリンソルジャー目掛けて突進していく。


「シリカ!避けろ!!」


 思わず叫んでいた。叫びに気づいたシリカさんは、大きく宙へ飛び上がった。先程までシリカさんが居た所を炎の渦は通過すると、その勢いのままにゴブリンソルジャーに襲いかかった。蛇が獲物を捕まえたように、ゴブリンソルジャーの身体に纏わり付いていく。次第にゴブリンソルジャーの全身を焦がす炎へと変化していった。しばらくのたうち回ったゴブリンソルジャーだったが、すぐに力尽きた。炎が消え丸焦げのゴブリンソルジャーが光の粒子となって消えていく。


 経験値20と“ゴブリンソルジャーの片手剣”が手に入った。ふう、ちょっとオーバーキル気味だったかな?だが、ゴブリンソルジャー2体目が現れる前に、とっととこの森からずらかるぞ。

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