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エロも育成も冒険も!拾ったゲームで異世界転生!  作者: えび天コロモ
第1章 はじまりの街と最初の仲間
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02話 転生してる?


 貧血から目覚めたような記憶の混濁から意識が覚醒する。視界に入ってくるのは中世の街並みと、そこに相応しい格好の街人たち。まさにRPGに出てくるような場所に僕は立っていた。どこだろうここは、と思っていると目の前に、光の板が出現する。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

あなたは異世界に転生しました

おめでとうございます

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



 VRゲームではこのように、VR空間内にこうした表示ウィンドウが出る。そこで僕は拾ったVRゲームソフトを、プレイしようとしていた事を思い出した。ここが拾ったゲームの中?いや、ここは明らかに現実だ。服から露出した肌を、撫でるように吹く穏やかな風が、自身の体には無数の神経が通っているのを教えてくれている。目にはCGでは再現不可能なRPG風な景色と人々が映り、耳には街の活気から駅のホームに居るような複雑な環境音が入ってくる。


 ここはリアルな世界、だがゲームの世界でもある。まさしく、異世界?ここでよくある異世界転生のラノベを思い出す。もしかしてこれ異世界転生してるのではないか。いやむしろその可能性が一番高い。物語だけの話しだと思っていたのに、まさかこの僕が異世界転生するとはな。


 その場で立ち尽くし考える。やり残したことも元の世界への未練も、多少はある。仕事ばかりで余り会えなかった両親にも、クラスで程よく仲良かった友達にも、ひたすら甘やかしてくれた祖父母にも、まだまだ会いたいし話したい。


 だが、僕は決意する。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、それに友達の山本に佐々木、佐藤、僕この世界で生きるわ。異世界転生、不安もあるし元の世界への未練もあるけど、それ以上にこの世界へのワクワクが止まらない。このワクワクを無視して、元の世界に戻れたとしても、絶対に後悔する。おじいちゃんは2人の時に言ってくれた。


「人生には進まなければいけない時もあるけど、立ち止まっていい時もある。」


 おじいちゃん、今がその進まなければいけない時なんでしょ?僕はこの世界を、満喫して後悔ないようにするぞ。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

《メインクエスト:冒険者ギルドへ行こう》

街にある冒険者ギルドへ行って、冒険者登録をしよう

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



 新たなウィンドウが表示される。メインクエスト?異世界と言ってもかなりゲーム要素もありそうだ。因みにウィンドウには、ギルドの場所と現在地の表示された街のマップが表示されている。マップ上で見る限り街のサイズはそんなに大きくない。ゲーム的に言うと“はじまりの街”って感じかな。


 メインクエストってあるけど、他にもサブクエストとかあったりするのかな。これもヒントが見れるらしい。


△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

《ヒント:クエスト》

メインクエスト

 ・プレイヤーの進捗によって与えられるクエスト

 ・クリアすることでストーリーが進む

ギルドクエスト

 ・所属するギルドで発生するクエスト

 ・クリアすることでギルド名声が得られる

キャラクエスト

 ・仲間になったキャラ固有のクエスト

 ・クリアすることでキャラが強化される

クエストクリア時には、報酬として経験値、アイテム、装備、お金が貰える

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



 ふむふむ、3種類のクエストがあると。キャラクエストがあるってことは、仲間が増えていくって事だろう、どんな仲間加入するのか楽しみだ。ド○クエ5みたいな感じでヒロインが仲間になって、ラブコメ展開とかあったら良いな。元の世界では彼女とか居たこと無いし、この世界を満喫するためにはヒロインの存在は超重要だぞ。逆に7みたいな暗い展開は要らないからな。


 ウィンドウにあるマップを見ながら、冒険者ギルドを目指す。目的地につくと大きな建物に、2つの剣がクロスした看板がある。見たこと無い文字が書かれているが、スマホカメラでグー○ル翻訳したときのように、すぐに見たことのない文字の上に“冒険者ギルド”と浮き上がった。どうやら、言語関連も上手く調整してくれてそうで一安心だ。この調子なら会話も問題ないだろう。


 冒険者ギルドの中に入ると正面に受付がある。普通ならあそこで登録ができるはずだ。受付の受付嬢に、思い切って話しかけてみる。


「すみません、冒険者登録を行いたいんですけど。」

「はい、分かりました。」


 おー、異世界人と会話できた。なんか感動。海外にも言ったこと無い僕には異世界なんて、不安すぎたからな。会話も通じて一安心だ。


「では、ステータスウィンドウの表示をお願いします。」

「わ、わかりました。」


 ステータスウィンドウだと?この世界では、VRゲーム特有のこの光るウィンドウ画面が当たり前の世界なのか。とりあえずステータス出てこいと念じる。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

ツクモ (☆6/男/17歳)

種族:闇人(ダークネス) クラス:魔導士(ウィザード)

HP :6   MP :10

STR:1   VIT:3

DEX:8   AGI:4

INT:10  MND:2

進捗:第1章

仲間:0

経験値:0

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



 お、出てきた。


「あの、これで良いですか?」

「え、まだ出てないですけど…。」


 あれ?ウィンドウが出ているはずなのに、受付嬢は怪訝そうに顔をしかめるだけだ。やばい、怪しまれている。慌てて、別のステータスウィンドウ出ろと念じると別のウィンドウが表示される。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

ツクモ Lv.1

種族:闇人(ダークネス) クラス:魔導士(ウィザード)

HP :30  MP :46

STR:10  VIT:18

DEX:38  AGI:22

INT:46  MND:14

所持金:50,000G

称号:なし

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



「あ、出ましたね。表示ありがとうございます。」


 そう言いながら受付嬢は、僕のステータスを見ながら髪にメモを取っていく。


「珍しい名前ですね。ツクモ…える、ぶい?いちさん。」

「名前はツクモだけで、その後ろのはレベルです。」

「れ、れべる?なんですかそれ?」


 またしても受付嬢に怪訝な顔をされた。もしかしたらこの世界にはレベルの概念はないのかも。プレイヤーである僕だけが、レベルの概念があるのかな。


「え!闇人(ダークネス)!?私、人間(ヒューマン)以外の種族の人初めて見ました!…確か闇人(ダークネス)って、魔法のエリート種族だって聞いたことがあります。噂通りでクラスも上位職の魔導士(ウィザード)なんですね!MPもINTも高いし流石です!」


 受付嬢が興奮した様子で、なんか言っている。そういえば、僕人間じゃなくなってるんだった。これからは余り目立たないようにしたほうが良いかな。


「では、こちらの魔導晶石に手をかざしてください。あ、因みに登録料として1万ゴールド頂きますので。」


 受付嬢に言われて、魔導晶石と呼ばれる真っ黒い水晶に手をかざす。魔導晶石は淡く光ると、僕のステータスに変化する。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

ツクモ Lv.1(0/6)

種族:闇人(ダークネス) クラス:魔導士(ウィザード)

HP :30  MP :46

STR:10  VIT:18

DEX:38  AGI:22

INT:46  MND:14

所持金:40,000G

称号:Fランク冒険者

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 称号がFランク冒険者になっている。そして所持金が1万ゴールド減っている。どうやらこのステータスウィンドウはデビットカードのように使えるようだ。便利そうで何よりだ。


「既にツクモさんのアイテムボックスに“冒険者憲章”を送信してありますので、また確認しておいてください。」


 アイテムボックス、そんなものがあるらしい。アイテムボックス出てこいと念じると、なにやらリストウィンドウが出てきた。そのリストの中に“冒険者憲章”なるものがあった。選択してみると、僕の手に光の粒子となって現れた。冒険者憲章は1枚の紙で、数十個の項目のルールのようなものが書かれていた。


「あぁ、それです、それ。冒険者の方々は力こそ正義みたいな感じで、律儀に守る方は珍しいですけど、一応目を通しておいてくださいね。」

「わかりました。ありがとうございました。」


 僕はお礼を言って、受付から離れた。するとウィンドウが表示される。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

《メインクエスト:冒険者ギルドへ行こう》

クエストが達成されました、以下の報酬が支払われます

ゴールド:1,000G

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 どうやらクエストをクリアできたようだ。ステータスで所持金を確認すると1000ゴールド増えていた。続いて、いくつかのメインクエストが表示される。どれも街の散策系だ。よし、早速クリアしに行くか。



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― 新着の感想 ―
[良い点] これを読むのは初めてで、この小説が大好きです。そのまま書き続けてください。 [気になる点] 特定のレベルに達した後、職業を変更して進化させることができるかどうかお聞きしたいです。
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