はちわ
おやつの時間なので(^^)
目が覚めて最初に思ったのは、あれ、どうして生きてるんだろうという事だった。余波で充分に、というか数回は余裕で死ねそうな威力だったと思うのだが。
「いっ、ぃっつつ」
全身に走る痛み。起きあがろうとして普通に悶える。結果、落下。ドサリと地面に叩きつけられて更に感じる痛みに泣きそう。というか涙が出てる。
「えぅ、ふぇ、うぁ」
ジタジタと悶える事暫く。ようやくなんとか堪えられる様に気持ちを持ち直し、現状を確認しようと周囲を見回す。平原……ですかねぇ。森など見当たらず、強いて言えば地平線の彼方に山とか木とか見える感じ。
いや、地平線から伸びてるっていうより幹の途中から見えてるって感じの木が、何本か有るのは正直びっくりする。世界樹君一本じゃないのかあのスケールの樹。ウケる。笑っている場合ではないけども。
果たしてどうなったのかはさっぱりわからないが、推測位なら立てることが出来る。つまり奇跡的に消し炭にならず吹き飛ぶだけで済み、少なくとも地平線の彼方という事は……さn……あー、4か5キロ以上なのは確かか。恐らくはもっと。え、なんで死んでないの?
平原に一本ぽつりと生えている木に引っかかったというか、クッションみたいになって助かったというのはわかるのだけども、そんな2桁キロメートル飛んで墜ちてで助かるとは思えんのじゃが……いや、そういえば今私人間じゃ無いね。
まあ助かったのでヨシ! としよう。何だか知らんが、とにかくよし! 過去の事よりこれからの事を考えなくては。
見渡す限りの平原に、どっちから飛んできたのかわからない方角。控えめに言ってボロボロの身体に、鞭を打ってとにかく一回木に登る。
「ふぅー、ふぅーっ、あぁー」
いやキツい。何がキツいって体力的にもそうだけど、登攀した結果見える光景がやっぱり一面の草原な感じになってるのがヤバい。ちょっと歩けばお家に帰れるとかそういう希望が持てないやつ。
……とりあえず一旦帰る帰らないは置いておこう。それ以前の問題だ。川も湖も見当たらない。食料? その辺の草って食べれるんですかね?
一度身体を休めたいと思っていたが、コレはどっちの方が正解なのか。少しでも早く活動を開始する必要があるのは確かで、休んだからといっても回復するか。
……餓死はキツいよなぁ。歩けない訳じゃない。気を抜けば悲鳴が漏れそうだが、それでも歩けはする。
「イケるイケる気持ちの問題だって頑張れっ頑張れっやれば出来るよしユクゾっふぎゅぅぅぅ」
木から降りるだけで一瞬断末魔の様なものが漏れたがノーカン。走るとか無理という事ははっきりわかる。よれよれと生まれたての子鹿の様になりながらなんとか立ち上がり、恐る恐るで歩いていく。
疲労している訳ではない。あれだけ走り回った後と考えれば疲れも有るかと思ったが、意識を失っていた時間がわからない以上睡眠は充分だったということだろう。バラバラになりそうとはいえ、骨が折れているとかそういった感触もない。
つまり何の問題もないという事嘘ですいやコレ多分動くのを止めたらそのまま倒れそう!