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じゅうにわ

時間……時間をクレメンス……

 とはいえ一晩寝た程度では身体のダメージが抜ける事もなく、RPGの勇者っていうのはやはり一晩宿屋で寝ただけで精神面も肉体面も万全になるような怪物しかなれないのだと痛感する。


 となれば私に今できることは何か。それこそRPGみたいに魔法でも使えれば身体の回復だって出来るだろうが、普通に考えてそんなファンタジーやメルヘンじゃ無いんだから寝て休……いやよく考えたら使えるわ。


 なんなら調子に乗ってイキリ散らかす事が出来るくらいには魔法の才能、というかその大元になるであろう魔力があると評判のファンタスティックな生物だったわ今。状況が普通じゃなかったわ今。


 つまり、普通の考え方だとか常識は大して役に立たないという事だな。常識は投げ捨てるもの、多分古事記にもそう書いてある。あるいはミヤモトさんが言っていた。


 そうと決まれば早速回復……とはいかない。悲しいかな、その前に解決しなければいけない問題が2つあるのだ。


 まず1つに、魔法の使い方なんぞかけらも知らないという事。コレについては何とかなるかもしれない。何故かといえば、私は既に魔法を使ったことがあるからだ。使い方を知らないのに使った事があるとは叙述トリックみたいだな。


 非常に眠かったので若干曖昧な記憶ではあるし、希望した内容と成果に大幅な齟齬こそあるものの、森の大きさが倍に広がるなどどう考えても超常現象、つまり魔法によるものと考えて間違いはないだろう。


 あの時のぐるぐるした感覚、恐らくあれが魔力なのだと思う。眠気も混じっていただろうけど。というか殆どが眠気だった気もするが、そのおかげでいわゆるトランス状態という奴に近かったのではないだろうか?


 つまるところ、精神をトランスさせるなりなんなりしてあの感覚を再度感じ取り、そこから望む成果を出す。こうする事で魔法を使う事が可能になるのではないだろうか。あるいはもっと簡単かもしれない。


 では次の問題。こちらの方が重大で、加えて即座に解決できるかもしれないし、途方もない努力が必要かもしれない。


 それは何か、といえば制御。魔法の内容然り、規模然り、望んだ内容を望んだ規模で思うがままにとまでは行かずとも最低限暴発は阻止しなければ使えたものでは無いわけで。


 こんな事なら森でエルフの方々にその辺り聞いておくべきだったと少し後悔。なんといっても戦闘中に地面に穴開けたりしてた訳で。いちいちトランスなどせずに使っていただろうから最終的には簡単なのかもしれないと。


 そういう訳なので、早速瞑想をする。いきなりファイアーボールだのなんだのと叫び出す様な迷走はしない。勿論詠唱なんかもしない。心を落ち着け、頭の中を空にし、あの時感じた感覚を思い出……あ、コレかな?


 驚く程にあっさりと、あの時に感じたものと同じぐるぐるを自分の中に見つける。なんとも言葉では説明し難いというか、前世の言葉で言い換えたり説明できないというか、あ、魔力だなぁっていう感覚。


 いや、どうやって呼吸してるかとかどうやって歩いてるかっていうよりも、むしろどうやって心臓動かしてる? みたいな質問に対する答えというか。まあ何だっていい、楽勝だったなガハハなどと調子に乗って。


 ほんの少し喉が渇いたなぁなどと思い、ほんの少し水を出すつもりで。いや、本当にほんの少し、全体のパーセントにも満たない量の魔力を込めて。


 本能的な感覚というか、その先にどうなるかが直感で分かったというか。咄嗟にその矛先を空に、出来るだけ広げて向けたのは英断だった。ついでに言えば晴天快晴などではない曇り空だった事も。


 通り雨、でギリギリ誤魔化せる範囲……だと……思うんです……はい。ドザァァァと、台風の直撃とてここまでは降るまいというような局所的集中豪雨が、ちょっとどこまで広がったかわからない程度の範囲で。時間にして10秒程度。


 ……やっちゃったZE!

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