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白詰草  作者: 白川鈴音
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草花のお願い

ろんが髪飾りをスグに渡しながら説明を始める。

「この髪飾りはさっき取った花を妖気で纏めて作った物だ」

「それは分かる」

スグは渡された髪飾りを見詰めながら言う


「お前の頼みは、願いを叶えて欲しい子で間違えないんだよな?」

「そうだぞ?」

髪飾りからろんに目線を移し首を傾げるスグ

「願いを叶えるにはそれ相応の対価が必要なんだよ」

ろんは花の髪飾りを前足で指した。

「その対価がその花だよ、お前から貰ってもいいけどこう言うのは願いを叶えて貰う側から頂くのが決まりでね」

そう言いながらろんは肩を竦め先程花を取った方へ向いた。


「さぁ、対価は頂いた!願いを言うが良い」

ろんは先ほどでののんびりした口調や態度をやめて足元の草に話しかける。

ろんがそう言い放つと同時に横からくっくっくっと笑いを堪えている声が聞こえてくる。

もちろん、その笑っているのは隣にいる猫である。


「今更態度変えなくても…くっくっ…いい…だろ…」

急に真面目になったろんに必死に笑いを堪えながらスグは言った。


「こう言うのはメリハリが大切なんだよ!」

少し顔を赤くして言うろんである

「メリハリ…くっくっダメだ、ろんが急に真面目とか似合わない」

お腹を抱えながら笑い始めるスグ

「笑いすぎだぞ!俺だって真面目にやる時はあるんだからな!確かにお前の前では真面目な感じで話した事はあまりないがこれでも神だからな」

スグに笑われて居るのが相当恥ずかしかったろんは慌ててスグに抗議の声を上げる


「悪い、悪い、だが…くっくっ」

前足でろんの肩を叩きながら謝るスグだから未だ笑いを堪えて居る。

「もういい!お前と話しているとすぐに調子が狂う」

ぷいっとそっぽを向きながらろんは少し怒った様な態度になる。

「悪かったって」

必死に笑いを堪えながら謝るスグだがツボに入ったのかまだ笑っている。


そんなやり取りをしているとふっふっふっと可愛らしい声が聞こえてきた。

声の方を見るとそれは足に咲いている草や花から聞こえてきた。

「ごめんなさい、でも二人のやり取りを観ていると可笑しくなっちゃって」

そう謝りながら語りかけ来たのは先ほどろんが真面目な態度で話しかけた草であった。


「お前のせいで俺の威厳が台無しだよ」

ろんは自分がこれから願いを叶える相談者にも笑われ恥ずかしくなりその場に文字どうり丸まった。


「威厳って」

スグは未だに笑っている。


「だーもー、笑うの止めろ!そして、お願いは何!?」

ろんは恥ずかしさのあまりやけくそ気味に言い放つ

「やっぱりそっちの方が似合ってるよ」

笑いながらスグは足元の草に体を向けた。


二匹は足元の草を観て言葉が放たれるのを待つ

「はじめまして神様、お久しぶりです猫様、先程は失礼いたしました」

それは、春の穏やかなお昼時の様な柔らかく温かい女性の声だった。

「いいよ別に」

ろんは少し怒り気味に言うがこの原因を作ったのが彼女ではないので怒るに怒れない。


「それで願いってなんだい?対価をもらったからその分は願いを叶えてあげるよ?」

仕事モードに切り替えろんは草花に話しかける


「ありがとうございます神様、早速お願いなのですが…私の子に外の世界を見せてあげたいのです」

彼女は力強くろんに言った。


「外の世界を?でも君たちは風に乗って見て回れるだろ?君はドライアドだよね?」

ろんは首を傾げる。


「確かに、私達は風に乗りながら色々な所に行き繋がっていますが、そうでは無く猫様の様に自分の足で色々見たいなと言いますか…」

ドライアドは恥ずかしそうに話、最後の方は声が小さくなって行く。


「なるほど、この放浪馬鹿に当てられたと…」

ろんは横で知らぬを突き通している猫を睨んだ。


「はい…猫様の話を聴いていると色々と観て見たくなりまして、ですからお願いです神様!私の子に外の世界を見せてあげて下さい」

彼女の声は真剣だった。


「んー」

前足を顎に当てて考え込むろん

そして何かを思いついたのか前足をぽんっと鳴らす。


「わかった!いいよその願い叶えて上げるただし条件付きだけど」

ろんは横に猫を観ながらドライアドのお願いを聞くことにした。

今回は少し短めになっています。

コロナの影響で人が少なくなりお仕事が追いつかない日々です。

皆さんもコロナに気を付けてください。

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