表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつか世界の果てにへと  作者: 総帥
ウィスタリア島編
7/23

07


この島の時間の概念はゆるい。太陽の位置で判断し1~10に分かれており、それぞれ鐘を鳴らす。1は1回、5は5回。で、6にまた1回に戻り10に5回。なので太陽の出ていない夜には『今何時』ということはない。夜は夜。さらに季節によって変わってくる。


そんなわけで今は太陽が高い位置、鐘が1回鳴った。六の鐘、つまり待ち合わせの時間。私は神殿にいた。もちろん、ラセットとの約束だ。


「あれ、早いな。お待たせ。」

「あー…まあ、少しね。」

ほんとに来た。うむ、1人で来たな。


私は未だ彼を信じきれない。

今日だって、仲間を引き連れてリンチでもされるんじゃあないかと構えてきた。もしそうなった場合の逃走ルートと罠の設置は完璧だ。どうやら杞憂に終わったようだが。

そこまで警戒するなら行かなければいいとも思うが、彼の話には興味がある。はっきり言って私1人でできることはもうないだろう。だがラセットは島主の息子だ。有力な情報を得ることもできるかもしれない!


「まずは座るか。礼拝堂に行くぞ。」

「わかった。」


私たちは礼拝堂にやってきて、並んで座った。


そして話した。今まで疑問に思ってきたこと、何を知りたくて調べているのか、お互いの情報を出し合った。とはいえ、私が出せる情報はほぼないが…。まあ向こうも似たり寄ったりだ。


私としては、

・アサギ族が差別される由来。これは大昔になにか、大事件でもあったのかもしれない。なので歴史が記されたものを探している。

・その過程で興味が湧いた、この島の成り立ち。何事にも最初というものは必ずあるだろう。私たちのご先祖様はどこからやってきて、どういう歴史を辿ってきたのか。


「まあ、私が気になるのはこのくらいかな。」

「なるほど…。僕も、似たようなものかな。でも、あとひとつ気になることがある。」

「なに?」

()()()()()()()()()()()

「……?海…じゃないの?」

「そう、海だ。だから海の向こうだよ。」


………はあ。考えたことなかったな…。海の向こうは海だよ…。

私が呆けていると、彼が苦笑しながら語った。


「まあ実はそう考えたのは昨日なんだ。君と話した後、家でじっくり考えてたらふと思いついてな。君もさっき言っただろ。『ご先祖様はどこからやってきたのか』と。

それこそ、海を渡ってきたかもしれないだろ?」

「つまり、海の向こうには…同じように島があって人が暮らしているかもしれない?」

「たぶんね。それも、いくつもあるかもしれないぞ?」


…あらまあ。あらーあらららら…。なにそれ凄い。確かに…あり得る話だ。


私たちはそのまま、外の世界について語り合った。ほとんど空想だったが、とても盛り上がった。

見たことがない植物、動物がいっぱいかもしれない。人間だって蒼い目は別にありきたりなものかもしれない。海を渡る術はあるのだろうか?もしかして…空を飛べたりして…!おおーーー!!


それはもう大騒ぎだった。全て想像の話だが、この時間はとても…楽しかった。こんな風に誰かと語り合うことなんて今まであっただろうか。しかも、敵対しているような相手と…。

しかしいつの間にか私は、彼に警戒心を抱いてなかった。


「……脱線したな。」

「……そうだね。」


正気に返った私たちは、話し合いを再開した。


「この神殿が怪しいと思ったんだよねー。とはいえ私は気軽に街に入れないから、外を探してただけだけども。」

「そうだな。僕もここが気になる。まあ街の中といっても、探す場所は限られてるしな。僕の家か、鐘のある塔だろう。」

「そっか…まあそっちは任せるよ。とりあえず今日は、ここを調べよう。でも私ひとりじゃあなにも見つからなくて、床を剥ごうかと思っていたよ。」

「…それは最終手段にしておこうか。やはり気になるのは…ここにある石像たちだな。」


そう。この礼拝堂には11体の石像がある。見たところ男性が7、女性が4だ。もちろん私はこの石像も調べてみた。なにもなかったが。


「まあ調べたといっても、足しか見えないけどね。大きすぎるよ石像たち。」

「うーん…よじ登ってみるか?」

「いけるかな?よし、ちょっと肩貸して。」

「…靴は脱げよ。」


ラセットの肩にのぼり、上のほうまで調べてみる。


「ちょい、右、右に移動して!」

「無茶言うな!あと頭を踏むんじゃない!!」

「じゃあもっと背を伸ばしてよ!」

「アホか!」

「あと…少し…!よっしゃ!」


なんとか石像の肩に登れた。ひゃー高い高い。でもまあこれくらいなら飛び降りられるな。さて、調査開始!


とりあえず中でもひと際巨大な石像を選んだが、さて。

まず顔。うん、美人だ。こんな美人さんがいたら男どもはみーんな骨抜きだね。ケッ。そして出るところは出て締まるところは締まってる。完璧なプロポーションじゃないか。まったく羨ましい!

…っと、違う違う。そのことは後で考えるとして、今は調査!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ