03
「父さん、私歩けるよ?父さんも濡れちゃうし、荷物が増えるじゃない。」
「いいんだ。こうさせてくれ。」
私は今、父さんに背負われている。父さんは身長はそれほど高くないが、鍛えてガッシリしているため安定感半端ない。私と同じ赤みがかった茶色い髪を見つめながら、数年ぶりのおんぶに照れてしまう。周りの視線もどことなく生ぬるい・・・。
というか他にも怪我してる人いるな。早く帰ったほうがよさそうだ。
「サリちゃん。大丈夫?寒くない?」
「ミーちゃん。平気だよ。ミーちゃんこそ何もなかった?」
「わたしはお父さんにくっついてただけだもの。サリちゃんが無事で、本当によかった・・・。」
そう言ってくれるのは私の友達、ミストちゃん。キリさんの娘で私の少し下。背中まで伸ばした金髪のくせっ毛、たれ目で困り顔なのが可愛らしい。
街への納品、買い付けは本来大人の仕事だが、アサギ族は数が少ない。30人ちょいしかいないため、未成年の私たちもお手伝いする。なにせ帰りは大荷物なので、人手は多いほうがいい。今は私も荷物状態だが・・・。いや、傘はさしている。
馬や荷車に荷を乗せ帰路につく。この島では、他の一族の領土に侵入することは固く禁じられている。たとえ相手が私たちであってもだ。
なので村にいれば安心安全。
「おねえちゃん!!」
村の入り口から声がする。あれは・・・
「セレスト!」
私の可愛い、天使な弟セレストだ。
セレストが駆け寄ってくる。あ、ダメダメ。私今びしょ濡れだから。ていうか寒気が凄まじい。こりゃー風邪だな。
触っちゃダメ。と言ったら、ものすごくショックな顔をされた。いや、いじわるじゃないからね!?私は、水をぶっかけられた時より大きいダメージを喰らった。
「皆すまない。俺は急ぎサルビアを家に連れて帰る。荷物を任せていいだろうか。」
「いいっすよ。早くあったかくさせてあげてください。」
「そうだ、気にするな。他にも怪我した奴は、手当てするからこっちこい。」
「サリちゃんばいばい。ちゃんと休んでね。」
私たち姉弟がショックを受けてるうちに、皆解散になった。あとはお任せして、家に帰る。
父さんがお湯を沸かしてくれて、温かいお風呂に入る。そうしてるうちに、羊の世話を終えた母さんが帰ってきた。
当然のごとく、心配された。そして父さんは、「あなたがついていながら!!!」とお説教を食らっている。ごめん、父さん。庇ってあげたいが限界だ。
私はこの後3日間寝込んだ。