01
初投稿。温かい目で読んでくださればと。
寒い。辛い。苦しい。悲しい。
なぜ私がこんな目に遭わなくてはならない?
私はなにもしていない。ただこの街での用事は済んだので、急いで帰ろうとしただけだ。
なのに今日も今日とて絡まれる。周りの人は助けない。いや、むしろその方がマシだ。いつもは参戦してくることも多いから。
今日はどんな罵詈雑言をぶちまけられるやら。一応私は女であるがゆえに、殴る蹴るをされることは少ない。精々髪を引っ張られたり切られたり、平手打ちされるくらいだ。
それも相手が1人2人だったら立ち向かうが、5人以上だと歯が立たない。
向こうもそれを判っているから毎回毎回人数を揃えてくるのだ。ご苦労なことだな。こうなれば逃げるが勝ちだ。
だが、街の外ならともかく中では大して酷いことはされない。なんとかなるだろう。
そう考えて動いたが、遅かったようだ。
私より背の低い女がいきなりグーで殴ってきた。それをよけたらガタイのいい男に髪を思いっきり引っ張られて、思わずよろけてしまった。
そこに小太りの女が手に持っていた木材を私に向かって振り下ろす。オイオイ今日は過激だなと思いつつ、ここで避けたら髪を掴んでいる男に当たりそうだ。
そうなったら後がどうなるか分かりきっているので、あえて肩で受け止める。痛い。
男の手が離れたので、これ幸いと走り出す。と思ったら、一瞬視界が遮られた。何が起こったのかと呆然としてしまったが、我に返れば目の前に空の桶を持っている男。全身ずぶ濡れの私。
なんてことはない。冷水を浴びせられただけだ。ただ最近はめっきり寒くなり、今も雪がちらほら舞っている。こりゃ完全に風邪ひくなー。やるなら夏にしろやと心の中で悪態をつく。
そして周りはそんな私を見て、指をさし、笑う、嗤う。
―――ざまあみろ!―――
―――あっははははは!見てみて!!おっかしいわ!!―――
―――お前らみたいなやつが街に来るな!汚らわしい―――
うつむく私に浴びせられる子供のような悪口。サービスで石も投げつけられる。おっと頭に直撃したぞ。視界が赤く染まる。見渡すと、いつの間にか通行人も参加していたようだ。
大丈夫、いつものこと。慣れているから大丈夫。村の外に出てしまったからこうなっただけ。
来たくなんかはなかったけれど、どうしても必要だったから。だからいつも早く帰ろうとしているのに・・・
私は何もしていない。当然犯罪なんてしていないし、身内にもいない。容姿だってそれほど悪いわけではない。周りの人間と大差ないはずだ。
頭が狂ってるとか、全身から悪臭を放ってるとかでもない。・・・はずだ。
ただ私が他人と違っているのは・・・ただ・・・
瞳の色が蒼い ということだけだ。