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プロローグ
な゛がい゛た゛びがは゛じま゛る゛
とある街。
春の陽気が包み込み、眠気を誘う昼過ぎ。
街並木が彩るストリートに1人の吟遊詩人がいた。
声色からして、かろうじて女性と分かるが、顔も体型も隠しているため定かではない。
「さて…これより語るは、武神と称えられ悪神となり……気高き者を追いかけ続けた、ある男の物語。
この物語はハッピーエンドでもなければ、バットエンドでもない。
男のことを考えるのならば…………まあ、この結末に満足しているのだろう。
聞き入る準備は出来たか?
──さあ、開演の時間だ……」
吟遊詩人は太陽の光によって七色に光る造花を片手に優しく語り始めた。