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アヴィスフィア リメイク前  作者: 無色。
一章 皇女の軌跡
19/55

いよいよ戦争が起きてしまいそうです!

 時はとある部隊が、とある丘陵の一画に自陣を組み始めた所まで遡る。


「ココ! ココっ!! 一体何処へ行ってしまったのだ!? ココ!!」


 静謐な大広間に怒声が飛ぶ。その声は憤懣と焦燥が綯交ぜになっているのか、少し上ずっているように聞こえる。


 本来のこの場の役割は謁見の間。来賓を鷹揚に迎える厳粛な玉座が鎮座しているが故、その神聖なる懐を賑わすというのはそれ即ち不敬に当たる。


 しかしそれはこの声の主にとっては些細な、というよりはそれが許されている唯一の人物だったのだ。


 彼の名はエルクド・フォン・アインズ六世。この皇国の、皇帝その人である。


「エル。……いや我が皇帝よ。その様に慌てて一体どうなされた?」

「お、叔父上っ! それが――」


 エルクドは、自身の全信頼を預ける叔父に全てを語った。


 いつものように、愛しい側女を自身の全力の愛情表現――暴力を持って情事に耽り夜を明かしたはずなのだが、目が覚めたら彼女が忽然と姿を消していたとのことである。


 普段の様に朝食の準備だと考えてさほど気にしてはいなかったのだが、何時になっても戻らないことを不審に思ったらしい。


 不安に駆られて呼びかけても一向に返事が無い。普段なら、何処にいようとも()()に駆けつけてくるというのに、である。


「なっ、なんだとっ!? ……ぐっ。よもやあの怪文はこの事を示唆していたのか?」

「! もしや叔父上、お心当たりがあるのですかっ!?」

「ふ、ふむ。実はだな? 数日前、儂にヴェニティア帝国からの使者と名乗る者が参ってな。この様な文章を送り付けてきよったのだ」

「な!? ”不動”と称された、かの帝国からの使者……ですか?」


 その内容は以下の通りである。


 貴国の横暴はこれ以上見過ごすことが出来ない。管理を任された一国として、然るべき処置を執り行うことが”アインズ共栄諸国会議”により決定された。


 一つ。王制の廃止。


 現皇帝及びその親族の末端に至るまでの王位、また貴族位を剥奪する。但し、一部の者は国の『象徴』として形式上認めることとする。


 各人の財産は全て一度徴収し、必要を認められたものだけ随時下知することとする。


 この件に対する異議申し立ては一切受け付けない。万が一、反故に扱われた場合厳罰を持って処すこととする。


 一つ。主権譲渡。


 貴国に唯一認めていた統治権を即座に譲渡すべし。その後の参政権の一切認められないが、国民としての最低限の生存権、また社会権は保証するものとする。


 一つ。軍部解体。


 貴国の持つ全ての武装兵力を即座に解除すべし。その後アインズ共栄諸国会議が派遣する軍隊が随時駐屯することとする。


 一つ。司法における取り締り。


 会議の結果、我がヴェニティア帝国が全権代理として取り締まることとなった。それに伴い新たに領事館を建設する必要があるため、人員と予算の確保をすること。


 ――以上の項目は全て決定事項であり、貴国の異議は一切認められない。この決定を反故にした場合、貴国はそれ相応の罰を負うことになることを重々承知の上、返答されたし。


 それが、手紙に書かれていた大まかな内容だった。


「馬鹿なっ! まさか今更属国になれと言うのかっ!! 余等が今迄彼の国に、どれだけ尽くしてきたと思っている!」

「……その通りだ。貴重な我が国の領土のその凡そ半分を自らの欲を満たすだけの快楽場にしておきながら、未だ物足らぬらしい。全く以て、厚顔無恥な侵略者共めがっ!」

「み、認められるものか! ようやっと、ようやっと余の天下が来たのだぞ? それを返上せよなどと、そんな横暴が許されるものかっ!!」

「ふむ。故に追い返したのである。仮に書類の内容を認めようものならば、儂らは終いなのでな」


 エルクドはその余りにもな内容に、茹でた蛸も目を見開くほどに真っ赤になって喚き散らしている。


 それもしょうがないだろう。この様な内容を国家として認めてしまえば、それこそドルマスの言う通りその先に待つのは”破滅”の二文字だろう。


 あくまでも、エルクド達――体制側目線ではあるが。


 そこに住む住民にとっては、帝国が出した内容に一考の余地はあると思われる。


 それほどまでに、国内の内情はよろしくないのである。


 エルクド一人をとってもその傍若無人な振る舞いは、一部の国民を苦しめていた。


 有名なところでは、女癖の悪さである。厚意にしている一人を除いて、その欲望のままに蹂躙した女性は数知れず、その大多数が再起不能になってしまった。


 欲望に駆られた彼によるありとあらゆる行為、あらゆる暴力、あらゆる道具の使用。しまいには、性的快感を数倍にまで引き上げるが、精神を破綻させる恐れのある危険な薬物をも時に用いられていたのだ。


 女性としてこの世に生を受けたこと。その事実を心底から後悔し、壊れ往くあらゆる種族の女性。老若にかかわらず、彼に気に入られたが最後。最終的に壊れるか、飽きられるか。その二択である。


 壊れるのも悲惨だが、飽きられたものはもっと悲惨かも知れない。


 何故なら彼女らのその後、”皇国騎士援助隊”と呼称される部隊の一員として各部隊に徴兵され、軍属扱いとなるからだ。


 軍属と名ばかりで、その実態は()()部隊である。


 その部隊に人権などは無く、軍属の部隊兵たちの果てない欲望を一身で請け負うことになるのだ。


 壊れてしまったものはそのままただ性処理の道具として、壊れなかったものもただひたすらに耐え忍ばなければならないのである。


 開放条件は二つ。妊娠の発覚と、治療の及ばない性病の発病である。


 ごく稀に妊娠しても開放されないものもいたが、大抵はこのタイミングで野に放たれる。……これは比喩ではない。僅かばかりの慰労金を与えらえ、着の身着のままにいきなり放り出されるのである。


 この事実も大概だが、もう一方の不治の性病に掛かったものは、もはや未来はないと言っていいだろう。


 即ち彼女らに待っているのは死と同義。その内容は、鉱山送りにされた者達の慰安である。


 採掘場所にもよるが、基本的に人体に悪影響のある魔素濃度の濃い現場で、死ぬまで採掘を余儀なくされている人達の世話と夜の相手をするのだ。


 抱く抱かないは個人の自由。どちらを選ぶにしろ、待つのは”死”のみである。


 そんな状況下なので、治安はとても悪い。監視の無い場での暴力は日常茶飯事で、仮にその過程で死んでしまっても、外に放り出されて魔物やら鳥やら虫やらの餌や苗床となるだけなのだ。


 鉱毒が発生している所などでは世話をする過程で二次感染し、そのまま悪化して死に至る場合すらありうる。


 その苦難は彼女達が死ぬまで続く。そう。言い換えるならば、”死”を以て漸く開放されるのである。


 前述したのはあくまで一部の悲惨な例であり、このアインズ皇国における一般的な国民ではない。


 だが、いつ何時(なんどき)自分が、恋人が、家族がそうなっても何もおかしくはない。皇国内に住む住人皆が、そんな事実に怯えているのが現状である。


 立ちが悪いことに当の本人は、それが当たり前だと思っているためかなんの痛痒も感じていない。


 自身が唯一にして絶対であり、仮に意を唱えよう者がいようと叔父であるドルマスが即座に処断してくれるので不安もないのだ。


 ドルマスに至ってはこの国の至る所までその覇を奮い実権を握っているため、賢しい者は誰一人として逆らうことをしない。


 その結果が現在の皇国なのだ。高い税率に苦しむ民。理不尽に虐げられる女性。耐えられなくなり国外に逃亡する難民。上げればきりがないほどに、アインズ皇国は荒れに荒れてしまっているのである。


 しかし、その中でも例外は存在する。その区画の一つが、イサギ率いる『夜烏』が拠点とする街である”アインズブルグ”だ。


 このアインズブルグ。実は、正確にはアインズ皇国ではない。


 何故ならこの区画は、周辺諸国連合――アインズ共栄諸国会議によって”治外法権”が認められているからである。


 アインズ皇国内における”無法地帯”。それがアインズブルグなのだ。


 無法地帯とは言うのもの、実態は少し異なる。いや、むしろ徹底された治安の維持が行われていると言っても過言では無い。


 それもそのはずである。


 このアインズブルグには諸国連合の各代表が重要な会議を開く際に利用されている迎賓館や、会食を行う際に利用する食事処、闘技場や歓楽街などの娯楽施設が多数設営されているのだ。


 それが意味する所。それ即ち、貴族豪族達の”保養所”である。


 つまりこの区画はその性質上、特に”安全”は考慮されている。そしてその調和を乱すということは、そのまま周辺諸国全てを敵に回すのと同義となるのだ。


 過去に一度、一部の愚か者の集団――テロリスト達がこの街で暴れまわり、そのせいで多数の死傷者が出る事件が発生したことがある。


 下された処分はその者共の出身国にまで及び、最終的に戦争状態となる事案にまで発展してしまった。


 結果皮肉にもその無法地帯はアインズ皇国内で最も”安全な場所”となり、騒ぎを起こした愚か者共はその国もろとも滅亡することとなったのである。



 閑話休題。



「つまり、その報復の一つが余の側女の拉致だというのですか!?」

「……少なくとも、限りなく黒に近い可能性だと言えよう。我が皇帝はよくご存じだと思うが、獣人奴隷は命令に逆らうことが出来ない。故に勝手に持ち場を離れるなど、まずあり得んだろうからな」

「――ッ! くそがっ!! 警備兵は、一体何をしていたのだっ! 余の懐へとこうも易々と侵入されるなど。それに余の護衛――チコは何処へ行った!? チコ!!」


 エルクドは堪らず憤慨する。語ったドルマスも、苦々しい顔を隠そうとはしない。


 前回――セインの襲撃時に痛い目にあってから、皇帝の身の回りの警護はより一層厳重なものとなっていた。


 護衛である親衛隊には、つかず離れず何時如何なる時も皇帝の身を護る様に命じてある。特に昨日はその中でも最強である、チコに任せていたはずなのである。


 ここ三年ほど共にいるが、彼女が敗北、いや膝をつくことすら想像がつかない。そういう意味では、エルクドは一番の信頼を預けている。


「――っ! お目覚めですか、エルクド様っ! 大変でございますっ!」

「チコ! 貴様は何をしていたのだっ! 余の! 側女を! 奪われるなどっ!!」


 名を呼ばれると、まるで飛んできたかのような速さで駆けつけるチコ。恐らく伝えるべき案件があり、呼ばれるのを待っていたのだろう。禁止られているわけでは無いが、珍しく続けざまに発言を重ねている。


 そんなチコを待っていたのは、茹蛸のように顔を真っ赤にしたエルクドの閻魔顔である。ついでにその表情に見合う怒声と手刀で、彼女の額を小突くモーションも追加されていた。


「ひぁ!? 一体! 何を! おっしゃ――っ! ……成程、既に目的を果たしていたという訳ですか。ハァハァ」

「な、ななな、何を言っている!? どういうことだ、説明せよチコ!!」

「は、はいっ! 実はですね――」


 一瞬その様相にたじろいだチコであったが、エルクドの癇癪の中に含まれた情報から、一人納得顔をしている。


 怒られたことが原因なのか、少し頬が紅潮している様に見えるのだが、きっとたぶん気のせいだろう。


 そんな様子を訝しみ、勢いそのままに怒鳴りつけ説明を求める皇帝(エルクド)さん。此方もよく見ると、頬が引き攣っているようにも見えるではないか。


 興奮――もとい狼狽したのは最初だけで、チコは相対するエルクドにその内容を語り始めた。


 ……物足りなそうに上目遣いでエルクドを覗いているように見えるのも、それを見て彼が顔を青くしているのも、全く以て気のせいに違いないのである。



 ほんのちょっとした違和感だった。空気の流れが少し変わったという表現が正しいのかも知れない。


 普段通りエルクドが情事に及んでいる間も、チコは周囲の警戒を行いながら日課であるトレーニングを行っていた。


 暫く後、突如”ソレ”は現れた。恐らく自分以外の誰も気が付いていないだろう。それほど小さな違和感だった。


 当然視界で目視したわけでもないので勘以外の何物でもないのだが、一種の第六感というものだろう。


 しかしその本能の警鐘は、結果としてこの場にいるはずの無い異物の存在を明らかにすることとなる。


「――エルクド様が危ないっ!?」


 そう判断し、一目散に自身の主の寝室へと向かった。


 前回の反省として、チコ率いる近衛隊は有事の際は、皇帝の寝室に踏み入れることを許可されていた。


 とはいえあの事件以降から今に至るまで、その権利が行使されることは無かった。


 許可されているからといって、結局はエルクドの気分次第でコロコロと方針は変わる。必ずしも()()()()とは限らないので、誰も立ち入ろうとしないのだ。


 何よりチセやバース家の件以降、皇帝に逆らおうなどと考える愚か者は皆無に等しいのである。


「――誰?」

「それは此方の台詞です。今すぐ我が主(その場)から離れなさい無礼者っ!」


 予め手渡されていた合鍵で扉を開けてチコが中に踏み入ると、闇夜の月に照らされた一人の小柄な人物が皇帝の横へ佇んでいた。


 その人物は身体をピクリとさせると、感情を感じさせない声で彼女へと問いかけている。


 何時の間に抜いたのか、正眼で構えた真剣を携えて誰何するチコ。見つめる瞳は貫かれると錯覚するほどに冷たく、また鋭い。普段の彼女の知るものが見たら、凡そ同一人物として一致しないのではなかろうか。


「どうして、分かったの?」

「? どうしても何も、”勘”ですよ。私の管轄内で、何やら不穏な気配を感じたのです」

「成程。聞いてた通り、非常識」

「私から言わせれば、非常識なのは貴方の方なのですが。……さて、無駄話はこれくらいにしましょうか。今すぐその場を――退きなさいっ!」


 語尾と共に踏み込むチコ。その速さたるはまさに電光石火。この国の衛兵レベルでは、恐らく何が起こったか分からないほどだろう。


 必殺のタイミングで振り下ろした直剣は、然しながら空を切ることになる。


 目の前の小柄な体躯の人物――ツグミが真上に飛び上がり、そのまま天井に張り付いたのである。


「速い。でも”らぶ”ほどじゃ、無い」

「――なっ!?」

「帰る、またね」

「まっ、待ちなさい! 逃がしませんよ! ――ふぇっ!?」


 チコは目の前に広がる不自然に、少なくない時間身体を強張らせてしまう。


 そして、その隙をツグミは逃さない。一方的に別れを告げ、天井の一角の影に溶けこむようにして消えてしまった。


 後に残されたのは呆然とするチコと、満足そうに寝息を立てる呑気な皇帝その人のみであった。


 暫く後にまた、チコは同様の感覚を覚えた。正確には先程覚えた存在が、とある場所に突然現れたのだ。


 しかし、場所はここから随分遠い。だが、皇国内の一画であるのも間違いない。


 確かめに行きたいが、自身の役目は身辺警護。仕方なく非番の近衛を呼びつけて、現地の調査に向かわせたのだとチコは言う。



「つまり、その人物が皇帝の側女を拐かした犯人だと言うことかね?」

「おそらくは間違いないかと思われます。どのような魔法、またスキルなのか分かりませんが、希少な空間系の能力を持つと愚考します」


 ドルマスに問われ、自身の推察を述べるチコ。あの性癖さえなければ、完璧と言っても過言では無いほど聡明な女性なのである。


「そんなことはどうでもよいっ! 急ぎその場に兵を送れ! ココを連れ去ったその愚か者は余が直々に成敗してくれようぞ!」

「――その事なのですが、先程申し上げた通り大変な事態となっているのです」

「く。わからぬ奴め! お前の話など、今はどうでもよい! おいっ! 誰かいないのか!?」


 しかしエルクドにとって、今はそれどころでは無いのだ。


 チコの冷静な考察は、自身の主によって中断されてしまう。この時に少しでも自身に迫る脅威について考えられていれば、後の宿命にも変化が訪れたかも知れない。


 そしてドルマスは、狼狽するエルクドを眺め目を細めている。何を考えているのか、瞳に何やら不穏な光が宿っているようにも見える。


「まあ待てエル、我が皇帝よ。まずは状況を把握するの先決だ。わざわざ危険を冒して攫ったということは、彼女が今すぐに殺されるということは無いだろう」

「ぐぅ……。叔父上がそうおっしゃられるのならば――チコよ、話すが良い」

「はっ、了解しました」


 寸前とは打って変わるような柔らかな表情を湛え、ドルマスは主君に具申している。


 言っていることは最もなことなので、エルクドは落ち着きを取り戻すように、努めて冷静な声色でチコに続きを促した。……渋々と言った様子ではあるが。


 チコによってもたらされた報告はそれはそれは耳を疑い、また瞼を閉じたくなるような悪夢のような内容だった。


 どうやらアインズ皇国から馬車で二時間ほどの北西に進んだ場所にある丘陵に、ヴェニティア帝国軍と思われる部隊が野営キャンプを建てているらしいのだ。


 要するにドルマス宛に送られていた書状は、事実上の降伏勧告に他ならなかったのである。


 部下の報告によると見慣れぬ様相をしている上に、何やら鉄の杖のような武器を装備していると報告が上がっている。いづれにせよ、武装しているのは間違いない。


 その部隊を避け、ギリギリの距離と思われる場所まで接近したものの、チコが目撃した人物の姿は既に消失していたそうだ。


「馬鹿な。いくら何でも準備が早過ぎる! くっ。端から我らが皇国を落とす腹積もりだったのか!」

「――っ! 流石に理不尽が過ぎるではないかっ! 無理難題を押し付け、それを断れば有無を言わさず粛清などとっ!」


 普段から自分達が、同様の手口で自国の民に対して圧制を強制しているというのにこの言い草である。


 なまじそれだけに、その行為がどれほど効果的なのかのも理解できてしまう。そういった点を含めた、歯痒さ故の憤慨なのかも知れない。


 治安の乱れなどを考慮しないのならば、確かにその効果は計り知れないだろう。しかし、上には上がいるのがこの世の常である。


 絶対的な強者が存在しうるなら話は別だが、大きな力はさらに強大な力には敵わない。


 それ故に力を持つものは、力を振るうに足る心も同時に合わせ持たねばならないのである。


「早急に会談を開く! 親衛隊長! 皆にそのように伝達せよっ! ――エル、我が皇帝よ。国の大事である。皇帝として此度の危機に際し、早急に決断をしなければなりませぬ」

「――っ! 決断、ですか?」

「ふむ。エルクド・フォン・アインズ六世。貴殿が判断なさるのだ。――戦うか否かを」

「む、むむむ、無理でございます叔父上っ! 余には! 余にはそんな重要な判断は下せませぬっ!」


 ドルマスに命じられ、足早に去るチコ。


 真剣な表情と声色で叔父に諭すように話し掛けられたエルクドは、目に見えて狼狽している。


 普段のドルマスならば、このように無理強いな言い回しはしない。大体の案件は彼自身が動けば解決する故に、である。


 では何故今回に限り強要するのか、だが。それが意味する所。つまり彼の言葉を借りるなら、”危機”だからである。それも”国家の”という前置きが付くとても重要な案件なのだ。


 その未曽有の事態に対し、ドルマスは判断する権利を持たない。


 この国は主権国家であり、主権は当然皇帝にのみあるからだ。要するに、エルクドにしか最終的な判断を下すことが出来ないのである。


 早い話、この危機を糧として成長して欲しいという意図も含まれているのだ。


「エルっ! 揺らぐでないっ! 其方は皇帝ぞ!! それにこれは好機でもあるのだ!」

「でっ、ですが! そのっ! ……こ、好機、ですか?」

「そうだ。ヴェニティア帝国では、先の戦時下において皇帝が崩御しておる。恐らく今でも後継者争いが内々で続いているのだろう」

「…………」

「その証拠に、未だ正式な後継者を発表をしていない。あの日から丸々三年も経つというのに、だ」


 ドルマスが語った通り、三年前のアインズ皇国内でのとある事件が原因で勃発した諸国連合と獣人国の戦争の際に、帝国の皇帝は崩御している。


 原因は病死。元々体調を崩していたのだが、何の因果か戦時中に亡くなったのである。


 ”不動”と称される帝国故に、戦争へ直接の参加は行っていない。その代わりに必要となる物資の提供や後方支援、状況提供などを主に活動をしていたのだ。


 諸国もその状況に否はない。帝国から提供される武具は珍しいものが多く、また支援も充実していた。むしろ戦後の事を考えるならば、得にすら成り得るのである。


 帝国としても、諸国に対して自国の兵を使わずに軍事力をアピールすることで、抑止力という牽制を行うことが出来る。そう。帝国と諸国間に於ける、WINWINの関係が成り立っているのだ。


 ちなみにこれはあくまでも表向きの理由である。諸国も帝国も目に見えぬところで密かに優位に立とうと抗争を繰り広げているのであろう。


 そして、そういった意見をぶつける場こそが”アインズブルグ”なのだ。


「これは儂の推論だが、恐らく一部の勢力が暴走したのだろう。この様な強硬な手段を取る人物に、少々心当たりがある」

「心当たり……」

「うむ。恐らくはフルマンの奴だろう。かの国に放った間者の報告から鑑みても、此奴以外はどちらかと言えば保守的な立場に属するからのう」

「フルマン……。ちちう――先代と渡り合ったと言われる”鬼人”、ですか」

「ほう。知っておったのか。儂も戦場で何度か相対したことがあったがあの武勇、まさに”鬼そのもの”であったわ」


 このドルマンの推察は、実はかなり的を得ている。


 細部の状況は異なるのだが、三人いる皇帝候補者の中で唯一独断で武力を行使できる立場なのが、そのフルマンなのである。


 何故たかだか一階の軍曹が皇帝候補者なのか。その答えは実に簡潔明瞭で、一重に”帝国最強”だからである。


 帝国らしいといえばそれまでなのだが、その中でも特別稀有な存在。それが”フルマン”なのである。


「しかしそれならば、好機とは言えぬのではないですか? 無駄に兵の死なせてしまうのでは……」

「ふむ。本来ならば、そうであろうな」

「では――」

「まあ待てエルよ。確かに奴は”最強”だった。しかしそれは今や過去の話、儂がこの年月をただ無駄に過ごしている訳が無かろう」

「どういうことですか、叔父上」

「そうであるな。身近な例を挙げるなら、先程の親衛隊長などが良い例ではなかろうか」

「……チコのことですか? あぁ、成程。叔父上のおっしゃりたいことが、余にも分かりましたぞ!」


 ドルマスの絶対の自信。それは自国が所有する武力に帰結する。


 三年前の戦争――実際の名目は諸国連合による暴徒鎮圧戦だったのだが――は実質獣人を中心とした亜人国家VS人間国家という構図であった。


 そう。その騒動のきっかけとなったのは、白い毛並みが特徴的な虎の尾耳族の女性だったのである。


 どのような経緯でそのような事態になってしまったのか、その詳細を知る人は当人を除き()()()()()()()()


 何故ならば、その騒動を起こした当事者達やそれに巻き込まれた者達は、皆死んでいるか、それとも行方不明になってしまっているかの二つに一つだからである。


 そして、そんな悪夢のような状況を生み出したのが、たった一人の白虎の獣人なのだ。


 その日、現場となった広場の中心で彼女は佇んでいた。白く美しかったであろう毛並みは血と肉で凄惨に紅く染まり、瞳はまるで幽鬼の様に虚ろな光を宿していた。


 事態を聞き急ぎ足で現場に駆け付けた衛兵達もその被害者の一人に含まれる。


 呆然と佇む彼女に迂闊に近づいた者は即座に死亡し、その暴挙を止めようと割り込んだ者も途端に部位欠損を伴う重軽症を負ってしまう。


 当然衛兵の中には、彼女らの種族に共通して弱点である魔法に長けたものも存在した。然しながら、魔法の詠唱などをしようものなら瞬時に距離を詰められ、即座に命を刈り取られてしまう結果となってしまったのである。


 当時の生き残りの衛兵の言葉だが、その動きはとても人では目で追えるものでは無かったそうだ。


 魔素のほぼ全てを身体強化に使っている種族とはいえ、彼女の実力は明らかに異常といって差し支えないほどのものだった。


 その様な状況のだめ誰も近寄れず、しかし逃がす訳にはいかないため、残りの衛兵は腰が引けつつも皆一定の距離を保って監視を続けていた。


 そんなところにカラスの面を被ったある一人の人物が割り込み、事態を収拾したのである。


 それはある意味異様な光景だった。先程まで鬼神の如く暴れていた猛虎が、仮面越しに煌めく朱き瞳に捕らえられた瞬間に青褪めた表情を浮かべ、まるで借りてきた猫のように大人しくなったのである。


 小刻みに身体を震わせて涙を浮かべるその姿を故知らぬものが目撃すれば、思わず間に介入してしてしまうであろうと思うほどのビビりっぷりである。


 大半の者は何が起こったのかわからず憮然としていたが、実力や知識のあるものはそれは魔法によるものだと理解したであろう。……実態は少々異なるのだが。


 そして問題であるその獣人女性の処遇だ。本来であればまず処刑は免れないであろう暴挙だ。


 しかし、実際はそうはならなかった。


 その割り込んだ怪しげな人物曰く「その有用性を生かし闘技場にて飼い殺しにすることで、被害者家族への賠償や破壊された家屋などの物損に当てることが出来るだろう」とのことだ。


 そしてその采配は見事的中し、皮肉にも痛ましい惨事の当事者である彼女のおかげで事件の前よりもアインズブルグは発展することになったのである。


 話は逸れたが、獣人と言うのは確かに魔法を使えず、また耐性も低いため軽んじられる傾向が強い。


 特に精神に作用する魔法に関しては、以前奴隷の件で語った通り皆無である。


 衛兵の中にも使えるものがいたのだが、まるでその者がその魔法を使えるのを()()()()()()()()()、一番初めに地面の染みとなってしまったのである。


 元々使い手の少ない精神魔法。適性と言う意味でも空間魔法には及ばないが、中々に稀有な存在だ。


 その土地柄鍛えられていたのか、残された衛兵の狼狽は一瞬のものだった。しかし、その刹那の間に惨殺されたのである。


 油断はしていなかった。だがしかし捕らえるという方法に誰も疑問を持たなかった。明らかに異常な光景なのにも関わらず、である。


 それが意味するところ、即ち”獣人は弱者である”という偏見からの思い込みの根深さと愚かさだ。


 実際は、こと戦闘において獣人は圧倒的な脅威となり得る。何よりそれは、先の戦争の構図――アインズ共生諸国会議VS獣人国からも語るまでも無く明らかだ。


 言い換えるならこれは、周囲を囲む多数の列強国をたった一国が相手取ったということになるのである。両者間におけるその戦力差は、数十倍では下らないだろう。


 要するに獣人の住まう国は、圧倒的な戦力を持つ列強諸国と”戦争になる”ほどの強さを誇っていたのである。


 しかし、この皇国に暮らす大多数のヒトにとって、社会的弱者=奴隷=獣人というイメージが強い。


 国内に置いてだが、実際は獣人が六割、ヒト族の犯罪奴隷が三割、その他が一割。確かに獣人の数が多いが、奴隷が必ずしも獣人であるとは限らないのである。


 何故その様な認識が広まっているか、だが。それは獣人の特性を紐解けば、簡単に導き出せる解だ。


 多少の無理では怯まない強固な肉体。そして耳や尾などの身体的な特徴からくる差別意識の助長。何より主人の命令には何があっても逆らわないという従順性。


 それらが特徴を生かす形で、表舞台――荷物運びや土木工事などの肉体労働者――や裏舞台――ルール無用の裏闘技場での賭けの、またその特徴を生かした夜のご奉仕の対象――としてなど多様な運用方法である。


 獣人は決して”弱者では無い”。言い方は悪いが、”使い勝手が良い”だけなのである。


 原因は他にもある。アインズ皇国は元々獣人の国とも国交が()()()ため、獣人が存在することに他国と比べて肝要である。


 しかしながら、周辺国家の中には徹底的に亜人や魔族を排除する傾向を持つ国が多数存在する。


 例えば、聖サンタイール教皇国などが良い例である。かの国は教義で人間以外のヒト族は魔物と同類であるとして亜人全てを隔絶対象としている。


 教皇国と名乗る国も奴隷を求めるのか少々疑問もあるのだが、この世界の風潮として奴隷は当たり前のものとして存在するので割愛する。


 その為、人間の奴隷は諸外国への()()をメインとしている。


 故に皇国内ではその存在がほとんど見受けられないという事情もまた、偏見の意識を深める結果と繋がってしまっているのである。


 ではアインズブルグではどうなのか、だが。


 獣人が絡む事件が曽ての惨事のきっかけとなったという事実もあり、また共生諸国会議の名のもとに存在するという名目上、ここでは人種間における差別を()()()()禁止している。


 だが実際には各所に使い勝手の良い獣人奴隷として多数配置しているため、各国の貴族達から見れば獣人達はある意味完璧に組伏している構図になっている。


 そして何よりこのアインズブルグには、()()()()()()()()()()()()()


 つまりこの場において、獣人以外のヒト族と獣人の間には()()()()上下関係が成立しているのである。


 有体に言うならば、獣人=道具の図式が成り立っているのである。そして皮肉にも、その事実こそが獣人の生命や生活を守ることに繋がるのだ。


 理由は簡単だ。アインズブルグで獣人を見かけたら、その彼、または彼女は既に誰かの所有物と言うことになるのである。


 獣人と言えど人の命、その有用性は計り知れない。寧ろ前述した理由から、奴隷としての価値は人間のそれよりも遥かに高価なのである。無論、個体によって変動はするのだが。


 それを買うことが出来る人物、また集団。或いは国家相手に喧嘩を売るような行為をする愚か者は滅多にいない。


 つまりアインズブルグにいる限り、主人以外の他者から理不尽な行為を受けることが他の都市に比べて格段に少ないのである。


 給料を必要としない――最低限の衣食住のみで行使できる従順な道具である獣人。その便利な道具を用いて、各国の注目が集まるこの街で様々な商売を行う商人。自身の道具の戦闘力を用いて闘技場で覇を競わせたり、また美貌を武器に接待を行う貴族や豪族などの富豪層。


 そう。要するにこの街は、奴隷――つまり獣人無しには語れないのである。


 それは一般人にとっても当たり前となっている。時にはいつも買い物に行くと笑顔で応対する商店勤めの獣人が居て、時にはまるでヒーローの様に活躍する闘技場の戦闘に重きを置いた獣人も居る。


 果てには何処かの喫茶の様に美しく可憐な容姿のけも耳女性による接客や、裏路地よろしく夜のご奉仕を行う専門店に至るまで、獣人達は多種多様な場で活躍しているのだ。


 一般人――と言ってもここで暮らすのは富裕層が多いのだが――の生活に獣人の存在が溶け込んでいる。その事実が生み出すもの、それは”調和”である。


 考えようによっては歪なのかも知れないが、アインズブルグは獣人を完全に道具として固定しているがために、各種族の意識感における絶妙なバランスを保っているのである。


 しかし、良い事ばかりではない。


 問題はアインズブルグで売れ残った奴隷である。これらは纏めて”売れ残りの雑種アンソウルドハイブリット”と名付けられ、アインズブルグ以外のアインズ皇国の地域や諸国連合の物好きに安く叩かれることとなったのだ。


 売れ残りとなった獣人の末路は悲惨の一言に尽きる。余りにも鮮烈なのでここでは省くがただ一つ、エルクドの所業よりもさらに人道に反しているとだけ語っておこう。


 そして、ドルマスはそこに目を付けたのである。野菜で言えば、切れ端に当たる彼らにまで諸国会議の目は届かない。


 そう。彼はそんなならず者共をかき集めて作った武装勢力を所持していたのである。


 チコなどの高級な奴隷と比べると、その価値は天地程となる集団。その名は”グルーブリキャップズ”。直訳すると、”どぶ攫い”と言う意味である。


 名こそ散々だが、実力は皇国の衛兵など取るに足らないほどには圧倒的な武力を誇っている。


 考えてもみてほしい。現代日本で言うならば、人間並みの知恵があるゴリラが武装したようなものなのである。


 例えば握力だ。人間の成人男性の平均は凡そ45~50kgf。しかしゴリラは何と、凡そ400~500kgfとなる。単純計算で10倍もの筋力の差が生まれるのである。


 これだけが強さの全てではないのだろうが、殴り合ってもとても敵わないのは明白だろう。


 そんな相手が道具と知恵を駆使して死兵の如く戦うのだ。某映画の様な結末を想像してしまうほど、圧倒的な戦力差である。


 アインズブルグで徹底管理された奴隷とは違い質――容姿や能力などは劣悪だが、”絶対命令を聞く駒”というのはそれだけでも価値がある。


「分かるかエル、流石は皇帝よ。本当に立派になった」

「そっ、そんなことはっ! ……まだまだ叔父上には及びませぬ」

「はっはっは。謙遜しなくても良い。そう。其方の想像通り、儂の”虎の子”を彼奴らにお見舞いしようではないか」

「おお……! それは恐ろしい。何せ奴らは、遠慮というものを知りませぬから」

「ふむ。命令に忠実なのも考え物なのやも知れぬな。はーはっは!」


 柔らかな表情で褒めるドルマス。褒められたエルクドは狼狽しながらも、満足そうに口をもにょつかせている。俯いたせいなのか、盲目的に信頼しているのか、ドルマスの瞳の冷たさに気が付かない。


 虎の子、つまりグルーブリキャップズは所謂”処刑人”でもある。皇帝またはドルマスの意に背いたもの、主に男性を処罰する際に用いられる集団なのだ。


「流石の余も、婚約者を目の前で惨殺された娘には少々同情してしまいましたぞ」

「はっはっは。エルよ、冗談も上手くなったな。その可哀想な娘を再起不能になるまで愛でたのは誰ぞ?」

「ふはは! 叔父上も人聞きの悪いことを申される。余はただ婚約者の形見であるロープで彼女を縛り上げただけですぞ。……少々締め方にはこだわりましたがね。やはり、形見は返さねばならぬと思いましたのでね」

「くく……はぁーはっは!」

「ふふ……はぁーはっは!」


 エルクドに気に入られたばかりに不幸に見舞われた一組のカップルが居た。


 婚約者の男性が捕らわれた愛する人の開放を懇願し、”処刑人”と一騎打ちを強制されて奇しくも敗北した痛ましい事件だ。


 そして彼はその後、片割れの女性の目の前で四肢をロープで固定され、無残にも引き裂かれたのだ。


 既に裸に剥かれ、泣き叫びながらも戦う婚約者を身を案じていた彼女は、その様を見て遂には慟哭して崩れ落ちてしまった。


 そしてエルクドは、放心状態となったその女性を縛りあげた。愛する人を引き裂いた”血に塗れた麻の縄”で、である。


 感情が飽和してしまったのか、されるがままとなっていたその女性はそのロープにこびり付く血を見て再び慟哭することとなる。


 この世の終わりを見たように恐ろしく、また悲しい叫びを上げた彼女が、三度声を発する日が訪れることは遂には無かった……。


 その日の事を思い出したのか、当時と同じような表情で同じように哄笑している叔父と甥。


 そこには微塵の罪悪感すら感じられない。全く以て、罪の意識などないのだろう。恐らく彼らにとって民とは須らく玩具であるという感覚なのかも知れない。


「くく……。恐らく彼奴等は我らが反撃することなど微塵も考えてはおらんだろう。今迄散々威張り散らしてくれた礼を、たっぷりとせねばなるまいな。はーはっは!」

「ふふ……。流石は叔父上。これならば我らの勝ちも見えたようなものですな。……ふむ。それでは物のついでに空きのある皇帝職も余が統一してくれようぞ!」

「おお……っ! 良くぞ申したエル――いや我が皇帝よ。それは素晴らしい案だ、直ぐにでも取り掛かろうぞ」

「ふむ! 叔父上――いやドルマスよ! 急ぎ皆を集めるのだ! 帝国の全てを蹂躙しようぞ!」

「――はっ。心得ました、我が皇帝よ。その命、()()()()()()成し遂げましょう!」


 そんな事を言い合い顔を見合わせ、ニヤリと笑うエルクドとドルマス。


 その短慮ともとれる皇帝の決断により、帝国と皇国の戦争の火蓋は切って落とされることとなる。


 そしてその理不尽な煽りを受けるのは何時の世も、その地に暮らす民なのであった。 

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