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プロローグ
--ドガッ--ドスッ!!
「こんのガキ!今度からは喧嘩する相手をよく見とけ!!」
いきり立った男達は捨て台詞を吐き出し街中へ消えて行った。
雪がシンシンと降る田舎街。口を切ったらしく血が口角から流れ出る。
「痛てぇ」
浅く雪が積もったアスファルトの上で仰向けになりながら服の袖で血を拭う。
(あのヤロー遠慮なしに殴りやがって)
誰でもよかった。このモヤモヤした気持ちを消せるなら誰でも。
だが、殴っても殴られてもこの気持ちはすっきりしなかった。
口の中が血の匂いで満たされていく。血を吐き出すと真っ白な雪が赤色に染められていく。
「大丈夫…ですか?」
不意に声をかけられる。視線を声の主に向けると女が立っていた。
「そんな所で寝てると風邪を引きますよ?」
長い栗色の髪にまだあどけない顔立ち。
歳は同じぐらいだろうか。
「あんたには関係ないだろ」
「でも…」
よろよろと立ち上がる俺に彼女は優しく手を差し伸べてくれたが、その優しさがヤケに疎ましく思えた。
「やめてくれ!!」
「---じゃあ、そうします」
「…」
去っていく彼女を後ろ背にして止むことのない雪の街を後にした。
「うぜぇんだよ…何もかも…」




