アイロニーの時間
とぼとぼ、おぼつかない足取りで学校を目指す。
まじであの女ユルサン。
真面目に文章読んじゃう俺の悪性質理解してるんじゃねーだろーな。
エリートぼっちはたった1人のリア充と関わるだけで空気になる難易度が雲泥の差になる。
つか、記憶が正しければ関口って奴リア充内クラスカースト上位層だったよな。
その時点で京平は現実世界で関口と関わるのは、まずい。
「はぁ、最近エリート感なくなってきたなぁー」
いやまあエリートを保持する理由も特にはなんだが、あのリア充の縦社会に巻き込まれるのはどうもいけ好かない。
カースト上位の機嫌を損ねないよう、ひたすら派遣社員みたいに金も出ないのにペコペコ頭を下げるとか、正直やってらんない。
一度ぼっちの底辺を這いつくばった俺にはもう、味わう事に拒絶する。
教室に入った京平はカバンを脇にかけ遠目にリア充集団を必殺目線隠しチラ見で観察。
「ちゃっとで寝落ちとか、関っちやばすぎ」
「あはは、恥ずいわ。それ、やめー」
関口の茶髪と反対に、ピアス、化粧のコンソメポテチ並みのダブルパンチを効かせる、カーストの高い女とそれ等の取り巻き。
「あれ、関口お早いねー。チーっす」
「あ、鶴見くん。おはよー」
最悪なのが来たな、トリプルパンチは目が痛い。UVカットせねば(リア充オーラ専用)。シャキーン
特に周りの集団が迷惑していると言う印象は受けないが、あれだけの輩が集まると威圧感がある。
早朝から、づかづか相撲取りが家を押しかけてくるレベル。
うん。邪魔だな。
「ちょっとさ、そこのキモオタさっきからこっち見てない?」
てめぇなんか見たかねぇよ。ダブルコンソメパンチ女。
「えぇーまじ。キモっ」
関口、空気読まなきゃいけないのは分かるが、一応昨日メールしてたやつだぞ?もっと労れ。
「まさか、関口見てるんじゃないのか?」
官庁より各局へ。トリプルアウトが迫っております。いかがいたしょーか?!
まずい。久々に取り乱した。
エリートぼっちあろう俺がチラ見をミスるなんて。仕方ない。また、エリートの皮を剥がなきゃな!
「お前。関口嫌がってるだろ?」
エリート沈黙。なにこれ、すげぇ精神的ダメージ。本人から言われるよりドギツイわ。こいつトリプルアウト超えてる。
もう俺、打席に立てないままコールド負けの気分だわー。
なんだろう、エリートぼっちって、ノーマルぼっちよりガラスのハートしてる?
もしかして……。
ティーチャー「おーい、席つけーみんな」
「「「はーーい」」」
先生まじ助かる。神よ。
ぼっちの書いた神話に絶対出したげる。
「じゃ、先生気分いいから席替えやんぞー」
「「「いやったー!!」」」
前言撤回。先生はいらないもんねっ!
ここまで画面をスクロールして下さって、ありがとうございます。
どんどん剥がれてゆく京平のエリート像。
どうか今後に期待を!
では、また次回話で〜