エリートの力の時間
本当に、本当に、これは集中できない。
足の痛みもあるが、このエリートぼっちとメールをしたいだと?
まず始めに一つおかしい点。
高1の時俺は完全に質量を失った。
声や接触がなければもう、誰にも分からない境地にたつことができた。ガンディーも俺の存在を認めざるをえないだろう。
格好良くは言ってみせたもの、単に存在を認識されなかったのである。
それを?いきなりメアド交換だと?
きっと、リア充共が集団でケータイの画面を見つめて、罠にはまった俺をケラケラとつまみにして日常の刺激にでもしたいのだろう。
これだから面倒なんだよ、リア充どもわ!
「おい、三笠、ここ答えろ」
しまった。まずい。あいつの事でパンク仕掛けていた頭にティーチャーならぬピッチャーが玉を投げやがった。レフェリーを呼べ!
じゃなくて、え、え、ええっと。
ぼーっとしてたこと数分。
進んだと考えられる問題数からして、問Dだな。
ん?この問題……
あ、丁度いい。最近誰かにノーマルと言われかている、しょうがない俺のエリートの力を見せてやる。
「Dはナノファイバー?」
「惜しいな。じゃ、鶴見あと一押し」
「はい。Dはカーボンナノファイバーです」
『おおオー』(周りの奴ら)
鶴見っていうのか、あいつ。
概要説明は面倒だけど入れとくか、
イケメン、リア充、金髪
吹っ飛べばいいのに。まじで。
おっといけない、いけない。俺のエリートを示すための踏み台に何を言う。
答え方+容姿で周囲の視線を釘付けにしたイケメンリア充金髪、京平苦手ランキングベストスリーを揃えた鶴見は見事、京平の存在を掻き消した。
無論、京平だってこの問題の答えは分かっている。
やや難し目の一般人では解けなさそうなレベル。
捻りの部分を【わざと】抜かし、先生が次に指す可能性の高い、この問題の抜け落ちを解ける頭ののいい連中。
それが、鶴見周辺であった。
京平はリア充の個名までは把握していないが、配置、特色はパーフェクトなまでに熟知している。
なんせ、触れられないように生きなきゃいけないのだから。
やべ、久々にエリートスキル上がったんじゃね?
ここまで画面をスクロールして下さってありがとうございます。
京平くん。イケメン。
たげど作者とケンカしないでね。
で、では、また次回話で!