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エリートぼっち  作者: いちの月
はじまるよ
19/31

下克上の時間

待ち合わせ場所に指定された時間よりやや早めについた京平。

早くついて待っていれば、相手もかんがみて早めの帰宅をできるものと思っていた。


手を振りにこやかにこちらに向かって走ってくる茶髪の…。

 

「おっはーよー。って先についてるとは思わなかったわー」


関口は水色のスカートに上はピンクの少し派手と思うのは普段制服しか見ない京平だけだろう、と言ったふつーの服装であった。


「時計を読み間違えただけだ」

※妹に叩き起こされました。


「ていうか、その格好……」

唖然とする関口の反応をよそに、自分の身なりが周りから見ておかしいのでは、という焦燥に狩られる。

ファッション感覚に疎いことは薄々自覚していたがまさか、妹に仕組まれたとは。


「あんたの服装っていつもそんな感じなの?」

「いや?そんなわけねーけど」

「え?……そそそれってさ、ね、ねえ」


急に頬を林檎のように染める関口。

なにか、会話の歯車がうまく噛み合っていない。


「なんだってんだ」


「気合入れた服来てきたってことは、うちと遊ぶこと楽しみにしてたってこと?」


「…………」


この格好が周囲から逸脱しているのは間違いなかったようだ。

 

案に相違してそれがいい意味で突出していたらしい。


妹は、ファッション感覚ゼロの兄をこうしてまんまとはめたのである。


妹コーディネートにより異常なまで関口 渚のテンションが上がっている


電車に乗ってる最中や、目的地についたときに、ちょいちょい聞こえる

「えへへへ」「うふふふ」「あははは」

だの言っているやつを見て正直怖くて泣きそうになった。夜中、トイレ行くため親を起こす子供の心情を今なら作文用紙500枚くらいで述べられる。

 


目的地に着いて早々


「さあて何乗る?とりまジェットコースターだよね」

「コーヒーカップクラスで俺のライフゲージゼロになるって電話で忠告したよな?」


とにかく、りふじんな、まおうさたん【とりまの正式呼称】は京平の応答に耳を傾ける気はないようだ。


京平は昨晩いや、おとといばんくらいにも言った。俺は権利を有するものとして断固、主張をした。とむねをはれる。


『おれ、絶叫系乗ったら死んじゃう病なんだ』


『ジェットコースターはレベル的にパッ○ーセットのオモチャよ?バイキングなんかランチくらいだし。条件的に乗れないのはゴーカートくらいね。分かったわ検討しておくわ』


何言っちゃってるのこの人。

カレーは飲み物だよ?みたいなさっ!

違うよ。てかなんで金払って空中に投げ出されなきゃいけないの?ねぇ!

 教えて!ワクワ○さーん

そしてバイキングの下りが一瞬でもうまい!と思った俺、しねっ。



「はいはい、止まってる時間が勿体無い。さっさと行くわよ」


「関口の場合、身長制限が絶叫ポイントだよな」


ドスッ


間髪は入れず、凄まじいボディブローが入る。

もうだめだ。死を覚悟して、腕を引っ張られることにした。


1回

またもういっかい、

そしてモウイッカイ。


途中からその数えることを忘れた京平。


なんの数だって?

ジェットコースターが365度回転する数?

それならまだ楽だ。


もう、何回ぜっきょうましーんに乗ったか分らない。


「あははは」「(*ノェノ)キャー」

なぜか横の女は、Gと仲良し。

いっそゴリラにでもなれよ。とか思ってない。

 京平が出来上がる頃

ようやく小休止が入り、ベンチにへこむ京平。とりあえずは吐かなかった。うん。


「なあ、どうやったら絶叫系耐性つくんだ、装飾品とかねぇの?」


「は?どうやってって言われてもねえ。慣れよ慣れ」


「そうか……」


はぁ、っと大きなため息をつき


「じゃあ今日はもう帰る」

「えっ?帰っちゃうの?!」

「もう無理」

「はぁーしょうがないわね。まあ連れ回した私にも責任あるわけだし、仕方ない帰りましょ」


京平は青ざめた顔をしそれを脇から残念そうな失望した目で見る関口。


くそ後味悪いなあこれ。でもこれ以上いたら俺がもたん。

 

「耐性つけるから、またそんとき誘え」


ぱぁっと華を咲かす関口。なにか京平の脳裏にその笑顔は強く焼き付いた。


「うん!絶対さそうからね!」


まあこいつが喜ぶためにやった訳じゃないが、結果オーライでいいか。

ちょっと前まで二人を取り巻いていた雰囲気はどこか遠くへ、いやまるでなかったかのように吹き飛んだのであった。


 

 少なくとも、この時までは、


 

振替休日の2日間を消費し妹の質問攻めをくらい金曜日の午後最後の授業を受けている気分で登校する京平。


学校の階段を登りきり、いつものように手前の教室に入ろうとした瞬間。

 何か、嫌なものをとっさに察知し入室を躊躇った。


そーっと中の様子を除くと、窓際の最前列に4人ほどの人だかりが出来ていた。

不思議とクラスの人はその人だかりを遠目に眺めていた。決していい雰囲気と思えるものではなかった。


「ねェ、関口さんってばァ、これ見てよォ、これ。」


関口が席につき俯いた状態に、3人の女が彼女を囲んでいた。


 見るからに関口の劣勢といえる。


(しかしなああの3人たしかクラス内カーストそこまで高くなかったよな)


前も言ったが関口がサタンクラスなら、あの3人はB級魔法師とかちょっとデカイゴブリンがいいとこ。

だが関口はその3人の問にいぜんとして答えようとしない。

 

「これさァお隣の席の引き篭もりみたいなやつだよねェ」

 

中心にいる女が随分と威勢の良い様子。

金髪ショートに、お決まりのナニソレ、布ですか?ってくらいのスカート。顔立ちはまあまあと言うべきか。

 そして、お隣は学校に来てますよ?

 

最近かげがはっきりしてるという自信があったからこれはこれでつらい。


「ちょ、瑞樹ーそいつヒッキーじゃなくてオタッキーwwんで一応学校いるし」

 

 さすが!ヨコの女!そして中央の女は瑞樹と言うのか。

 でもないくらファインプレーしようと、俺の机触って


『うわぁーヲタ菌ついちゃったー』


って言っていたのは看過できねぇな。


瑞樹と呼ばれる女が、手元の端末を関口に突きつける。


「いやさァ関口さん。オタッキーと駅で会ってるのわァなんか罰げーむゥ?なんかなーって思ったけど、この後何事もなく、わきあいあいと遊んじゃってるわけじゃん?まあお昼くらいで帰ったならァホテルゥとか行ってないって安心したけどさァーーー笑笑」


 うわぁコヤツめんどくせぇ×999

こいつ完全に魔王の首狙った下克上だよ。

 カースト上位はそこに立つだけで周囲から牙を向けられる。てか、魔王も魔王でなにか喋ってよ!


ポン


「ひゃいっ??!」

隠密行動をしていたため肩に手を掛けられただけですっとんきょうな声を上げてしまう。


「こんなところで何してるの?京平くん」


 わぉ、大野塚センパイやないかい。


 どうする?ん?どうする?


『関口がオ・レと出かけたのバレてクラスのやつに追い詰められてます』

 

 きっと関口はセンパイの咆哮でなんとか助かるとは思うがオ・レは地獄の果てまで追われ追放される。


 ふぅー、詰んだか、こりゃ


ここまで読んでくださってありがとうございます。


 大野塚さんは何においてもインパクトある。

波乱の予感を残し〜

 また!次会話で!!!

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