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エリートぼっち  作者: いちの月
はじまるよ
15/31

べんきょうの時間

翌日

 ピンポーン、ピンポーン

 くそ、1日中勉強教えるとは言ったけど

こいつの朝はニワトリ基準なんじゃねぇか。

「はーい、いませんよー」

「るーみー」


ガチャリ……


「おはよう」

「……」

「変かしら?」

「いや、変って訳じゃなくてな」

 

 なんと言うか関口の私服は地味と派手の中間より地味に近いファッションの感じがした。

 よく見る鼠色のデニムに白のパーカーを着ていた。

 リア充はスケスケネグリジェくらい常時着用しているという先入観を持つ京平にとっては関口の意表をつく格好に言葉が詰まる。

 黙りこくったのは京平だけではなかった。

「……。」

「どうした?帰りたくなったか?」

 ムスッとした顔をする関口を見て足を引く京平。


「そんなわけ無いでしょ」

「残念」

「あ、おじゃましまーす」


 ズカズカ入るな、アホ。

 そして靴を揃えるから文句を言いにくい。

 まあでも今日は妹も母親も親父含め京平以外、家にはいない。

 いくらでも暴れてくれ。俺は適当に済まして今日という日をボケっと過ごすのだから。


「階段上がって突き当りの部屋だ。片付けてあるから散らかさないと誓うなら入ってくれ。あとコーヒー飲めるか」

「ミルク砂糖、なきゃ嫌」

「へいへい。じゃあ先部屋で待ってろ」


 階段をよそよそしく登る少女。

 指定された部屋に入る。


(ここがあいつの部屋…。なんか、そのうん、いいわね)


 部屋を一旦見渡しある物が目に付く。

 昨夜京平が身体を埋めたであろうシーツの乱れたベットに関口は目線を奪われる。


(まあ、別に、ねその。エロゲーのシーンであったってだけでね、うん)


 一歩、そしてまた一歩、近づく。


「おい、こら……。勉強はどうした」

「ちっ、邪魔が入ったか」

「あのね、ここ俺ヘヤ。邪魔はキミ」

「難しくて有頂天だったのよ」

「見苦しい言い訳は教科書の一つ開いてからいいなさいっ!」


 波瀾の勉強会は始まるのだった。


「るーとって何よ。15文字以内で簡潔に述べなさい」

「言い方ね、√ね。まず教科書に書いてある事を目線で焼けるくらいに読み込んでも尚、分からなかった場合にのみ質問に答えます」

「つまりあんたはケチなのね」

「俺にケチつけるのは、√を理解してからにしてくれないか」

 コイツ、ヨノナカ、ナメテンノカ。


「かえりてんって、つけるなら文自体を並び替えた方が早くない?」

「返り点はね昔の人がひぃーっしにね中国の文体のまま日本人でも読めるように開発した努力の結晶なんだよ。だからいたわりなさい。そして問題を解け」

「昔は昔。今は今でしょ?」

「詭弁を唱えなくていいから、ペンを走らせなさい」

「ふーんだ」

 こっちがふーんだだ!だ!

 さっきからこんな調子で全く進まない。


 おいおいなんで、俺が応答しているかって?


 最初の方は京平も半分無視を続行していたが途中から大野塚 瑠美に関口が電話をかけだしたため、仕方なくローテーブルを挟み彼女の学習に助言をしている。


 大野塚さん、まじ、つおい。


「お前さ、勉強なんでやらなかったの?」

「え?いや、ガリ勉とかキモくない?」

「ガリ勉までいかないとしてもチョコ勉くらいしようとしろよ」

「あんたのノート見してよ」

 こいつの耳は1回診断をしなければならないな。


「今日全部写すのは無理だから明日コピーして渡してやる」

「何言ってるの?コピーはいらないわ。レプリカじゃなくてモノホンが欲しいの」

 

 まじこいつ何様だよ、どっかの独裁者ですら言わねぇぞ。


「まぁでもあんたには感謝してるのよ」

「してなかったら関口の人間性を疑う」


 いきなり関口の手がノートから離れ俯いてしまう。


「やっぱりさ、うち嫌われてる?」

「さあな、勉強に集中してくれたら好きになるかもな」

「じゃあ今は嫌いってことなのね…。」


 しょぼくれる関口。おいおいなんでだよ。いや?むしろお前はどーなのよとか聞きたいがどう見ても今の関口は答えてくれそうにない。


「普通だ。俺はな世の中の全ての人間に対して平等に距離をおいている。つまり誰かと友達になると俺のポリシー的に世界各国の人と友達にならなきゃいけない。友達100人できるかなーっとか言ってる余裕が無くなるし何よりネトゲの時間がなくなる」


「ぷぷ…。なにそれ、要は友達いないだけじゃない」

 京平は不覚にも微笑をする彼女に安堵する。


「それが俺だ。お前らリア充は世界で一人になったら死んじゃうだろ?でも俺は生きてける自信がある」

 ふん、全くもろい民族だ。


「あんたはうちの友達だから、その世界に行ったら死んじゃうわよ。関口成分足りないと餓死しちゃうわ。きっと」

 俺にとって、むしろそれは毒に近い、


「関口は、まだ知人だ。近隣住民的な?存在。うん、友達ではない」


 関口はニコッと微笑んだ後、以前以上にペンを走らせその後はふざける事なく真面目に取り組んだと言う。


ここまで画面をスクロールして下さって、ありがとうございます。


 あれ?この話始まっての初ほのぼの系では!?

 とても書いていて後味がいい。


では!また次回話で〜

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