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お母さんへのラストレター

お母さんへ




現実を受け入れたくなくて、余命とか病状とかなるべく聞かないようにして




気付かないふりをして過ごしてきたけど




やっぱり最後っていつかはきちゃうんだな




俺なんとなく病気でもいつまでも死なないで




俺が死ぬまで生きてるって、本気でそう信じてたよ




だけど違った




こんな結末になるなら、こんなに悲しいなら




もっといっぱいいっぱい話をしておきたかったし




謝っておきたかったって思うよ




だけど、怖くて、涙が溢れてきて




どうしても話せなかったんだよ




大ゲンカしたこと何回かあったけど、結局謝れずじまいになっちゃったね




子供の時から今の今まで、いっぱい心配や苦労を掛けてもらった恩




老後になったら返そうってなんとなく思ってたけど




それも叶わなくなっちゃったな





お母さんに取ってお母さんの人生は『良い人生』だったのかな?




それはお母さんにしか分からないことだけど、




亡くなる前の最後の言葉が「おと…う…さ……ん」で




強く抱きしめてもらいながら言えたって聞いて




俺単純にいいなって思えたんだ




だから、俺もこれから子供たちに俺の事『お父さん』って呼ばせようと思うんだ




子供たちがお母さんみたいに素敵な人間になれるように




これから見守っていてくれよな





最後に花屋を出来るだけ回って掻き集めたカーネーションは




今まで恥ずかしくって渡せなかった36年分の感謝の気持ちです




母の日まで生きられなかったあなたへの俺からの最後のプレゼント




17本しか集められなかったし、こんなにいっぺんにもらうより




毎年欲しかったって言うと思うけど、俺不器用だからダメなんだよ




本当にごめん





「さようなら」




月並みだけど今まで本当にありがとうな




今までいっぱいいっぱい心配ばっかり掛けてきた俺だけど




やっと『もう大丈夫』って自信を持って言えるよ




もう心配せずゆっくり休んでくれよな





これは俺からお母さんへの、もう届けたくても届かない最後のラストレター






P.S.




天国なんてものがあるのかどうか知らないけれども




もしもあるのなら、お母さんなら絶対行ってると思うから




そこで幸せでいて欲しいな




そしてもしも叶うなら




生まれ変わってもまたお母さんの子供に生まれたいなぁ……

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