第4話 アイ登場
※本作は会話中心・漫才形式で進行します。
※合わないと感じたら、そっとブラウザバックしてください。
俺は大学生だ。
たまには、大学にも行く。
今朝の天気は、予報どおりの雨。
講義は、何が楽しいのか分からない心理学。
今日はまだ、漫才ネタの書き出しが出来てなくて
頭が重い。
203教室の、真ん中より少し後ろ。
端の席に座る。
とにかく頭の中が重いので、
心理学のノートを広げて、今日の分として、
書き始めた。
________________________________________
――禁煙(4/100)――
ボケ:禁煙しようかと思って
ツッコミ:タバコ、よくないからね
ボケ:禁煙アプリを試そうかと
ツッコミ:最初から他力本願!?
ボケ:喫煙歴は20年、1日26本って入力
ツッコミ:ハンパな数字
ボケ:西暦に合わせてみた
ツッコミ:合わせなくていいとこ!
________________________________________
「ねえ、ねえ」
突然、耳元で囁かれた。
いつの間にか、女子が隣に座っている。
こんなに空いている教室で、
どうしてわざわざ、隣なのか分からない。
「何、書いてるの」
「えっ、漫才のネタなの」
「すごく熱心だから、気になって」
矢継ぎ早に話しかけられ、
俺が完全に固まった。それを察したのか、
「ごめん、邪魔しちゃった」
「私、情報学部2年、小山田アイっていうの」
一瞬、言葉が遅れた。
「それ、授業終わったら見せてね」
そう言われて、悪い気はしなかった。
アイさんは、一つ離れた席に移動した。
「俺にも、見せてね」
いつの間にか、パンダが後ろに座っていた。
________________________________________
――禁煙(4/100)再開――
ボケ:「アプリになんか頼るな」って
ツッコミ:アプリからの説教!?
ボケ:「できなきゃ、お仕置き」…楽しみ
ツッコミ:そっち!?
ボケ:年齢は、59歳
ツッコミ:計算合わないけど!?
ボケ:ぎゃっ、ビリビリきた!
ツッコミ:まさかの物理攻撃!
ボケ:罵倒がスクロールしてる…止まらない…至福…
ツッコミ:ドMか!
ボケ:アプリが「ごめんね」って泣きだした
ツッコミ:飴と鞭の切り替え早っ!
ボケ:飴はいらない、ハードモードで!
ツッコミ:スマホがガクブルしてるぞ!
ボケ:電撃キターッ!ぎゃあああ!
ツッコミ:なんで泣きながら、喜んでんの!?
ボケ:…やめられないぃ
ツッコミ:スマホが発熱、溶け始めた!
ボケ:ああああぁぁぁぁ、ふぅ…
ツッコミ:終わったのか…
ボケ:……課金するわ
ツッコミ:ダメだ、こりゃ!
________________________________________
「面白いよ」
アイさんは、即答だった。
パンダは、「演者次第だ」と、
普通のことを、もっともらしく言う。
「でもさ」
パンダがノートを見ながら、首をかしげた。
「全体に、昭和っぽくねえ?」
俺は肩をすくめる。
「なんとなく、そのほうがいいかなって」
(お前がもっともらしい時は、大抵なにも考えてない)
とは言わなかった。
アイさんが、くすっと笑った。
「変なリアリティ、あるよね」
その一言が、少しだけ引っかかったけど、
笑顔がまぶしくて、深く考えなかった。
「ピューマって、本名なの?」
そう聞かれて、
自分のキラキラネームの説明をする羽目に。
それで、アイさんと
学食でランチすることに。
この名前、悪くないな。
心の中で、ばあちゃんに、感謝した。
パンダもついて来たけど。
※本作に登場する漫才ネタのみを加筆・修正し、note+にまとめています。
『ピューマのネタ帳』
(※URLはコピペでどうぞ)
https://note.com/mute_wasp6016
ご興味のある方は、のぞいていただけると嬉しいです。




