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頭の中に百本の漫才があるんだが、書かないと世界が壊れるらしい  作者: 山本禮太郎
第1章 このままで、換え難い日常

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4/5

第4話 アイ登場

※本作は会話中心・漫才形式で進行します。

※合わないと感じたら、そっとブラウザバックしてください。

俺は大学生だ。

たまには、大学にも行く。


今朝の天気は、予報どおりの雨。

講義は、何が楽しいのか分からない心理学。


今日はまだ、漫才ネタの書き出しが出来てなくて

頭が重い。


203教室の、真ん中より少し後ろ。

端の席に座る。


とにかく頭の中が重いので、

心理学のノートを広げて、今日の分として、

書き始めた。


________________________________________


――禁煙(4/100)――


ボケ:禁煙しようかと思って

ツッコミ:タバコ、よくないからね


ボケ:禁煙アプリを試そうかと

ツッコミ:最初から他力本願!?


ボケ:喫煙歴は20年、1日26本って入力

ツッコミ:ハンパな数字


ボケ:西暦に合わせてみた

ツッコミ:合わせなくていいとこ!

________________________________________


「ねえ、ねえ」

突然、耳元で囁かれた。


いつの間にか、女子が隣に座っている。

こんなに空いている教室で、

どうしてわざわざ、隣なのか分からない。


「何、書いてるの」

「えっ、漫才のネタなの」

「すごく熱心だから、気になって」


矢継ぎ早に話しかけられ、

俺が完全に固まった。それを察したのか、


「ごめん、邪魔しちゃった」

「私、情報学部2年、小山田アイっていうの」


一瞬、言葉が遅れた。

「それ、授業終わったら見せてね」


そう言われて、悪い気はしなかった。

アイさんは、一つ離れた席に移動した。


「俺にも、見せてね」

いつの間にか、パンダが後ろに座っていた。


________________________________________


――禁煙(4/100)再開――


ボケ:「アプリになんか頼るな」って

ツッコミ:アプリからの説教!?


ボケ:「できなきゃ、お仕置き」…楽しみ

ツッコミ:そっち!?


ボケ:年齢は、59歳

ツッコミ:計算合わないけど!?


ボケ:ぎゃっ、ビリビリきた!

ツッコミ:まさかの物理攻撃!


ボケ:罵倒がスクロールしてる…止まらない…至福…

ツッコミ:ドMか!


ボケ:アプリが「ごめんね」って泣きだした

ツッコミ:飴と鞭の切り替え早っ!


ボケ:飴はいらない、ハードモードで!

ツッコミ:スマホがガクブルしてるぞ!


ボケ:電撃キターッ!ぎゃあああ!

ツッコミ:なんで泣きながら、喜んでんの!?


ボケ:…やめられないぃ

ツッコミ:スマホが発熱、溶け始めた!


ボケ:ああああぁぁぁぁ、ふぅ…

ツッコミ:終わったのか…


ボケ:……課金するわ

ツッコミ:ダメだ、こりゃ!

________________________________________



「面白いよ」

アイさんは、即答だった。


パンダは、「演者次第だ」と、

普通のことを、もっともらしく言う。


「でもさ」

パンダがノートを見ながら、首をかしげた。

「全体に、昭和っぽくねえ?」


俺は肩をすくめる。

「なんとなく、そのほうがいいかなって」


(お前がもっともらしい時は、大抵なにも考えてない)

とは言わなかった。


アイさんが、くすっと笑った。

「変なリアリティ、あるよね」

その一言が、少しだけ引っかかったけど、

笑顔がまぶしくて、深く考えなかった。


「ピューマって、本名なの?」


そう聞かれて、

自分のキラキラネームの説明をする羽目に。


それで、アイさんと

学食でランチすることに。


この名前、悪くないな。

心の中で、ばあちゃんに、感謝した。


パンダもついて来たけど。




※本作に登場する漫才ネタのみを加筆・修正し、note+にまとめています。

 『ピューマのネタ帳』

 (※URLはコピペでどうぞ)

 https://note.com/mute_wasp6016


 ご興味のある方は、のぞいていただけると嬉しいです。

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