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60.エピローグ「未来へ続く新しい始まり」
――春――
街路樹の並ぶ道に、やわらかな桜色が差し始める。
翔汰と陽咲は、その道を並んで歩いていた。
ぎこちなさはもうない。繋いだ手には、確かな信頼と決意が宿っている。
「ねぇ、翔汰。」
「ん?」
「わたしたち、これからもきっと色んなことにぶつかると思う。でも……」
「でも?」
「約束したから。春になったらまた一緒に歩くって。
だから、これから先も大丈夫。」
陽咲の横顔には、以前よりも強さがあった。
翔汰は微笑んで、彼女の手を少しだけ強く握る。
「そうだな。約束は――ずっと続いていく。」
ふと吹いた風に、桜の花びらが二人の肩に舞い落ちる。
その瞬間、二人は同時に笑った。
もう迷わない。もう恐れない。
春の約束は、未来へ続く新しい始まりだった。




