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惑う不惑  作者: 松本 晶
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心の病

 精神的な病気にかかる人は年々増えていてうつ病は10人に1人はかかるなんて話もありつつ。自分自身も一年目仕事の忙しさやらあれこれあって、笑えなくなって、睡眠もおかしくて、少し痩せて、病院にはいかなかったけど、あれは、うつだったなあと思う時があった。少しずつ霧が晴れるようによくなってきて回復したのだけど。その後はそこまで落ちないように、なんとなく気を付けつつきているのだけど。

 福祉に関わる仕事をしてきたので、身体、知的、精神と障がいをもつ人との関わりも支援もしてきたのだけど、精神的なものに対する支援はほんと大変で、自身がそれに引っ張られないようにという部分もあるし、状況、状態をみつつサポートをしていく大変さを今でも感じたりしている。

 高校時代からの友人もPTSDやうつ病といわれる症状に苦しんでいたのである。彼女にもいったのだけれど、心の傷は見えないからどんなに傷ついていても血を流してても分かりづらくて、だから治りづらいし、時間もかかる。無理しちゃだめで、やりたいと思えることやったり、医者でもなんでも吐き出させるとこ吐き出して薬の力もかりてすこしずつでもよくなるとよいねとか話していたのである。彼女の心の傷は深かったんだけど、じわじわと染み渡るように広がっていって、その傷の原因が離れることなくつきまとっていて押し寄せてより酷くさせていく状態だったんだろうなって。危うさをすごく感じて、時折LINEをしたりしてたのだけど。長年かけて傷をつけてきたんだから、治るのにもその分時間がかかるんだよって言ってたんだけど、側にいた家族とかの理解も難しい部分があって。こどもの存在がつなぎとめるものになってほしい思いもありつつ、少しでも話をしてもらうことで吐き出せたらよいなとも思っていたのだけど。

 そろそろ連絡をとろうと思っていたときに他の友だちから連絡があった彼女の訃報。逃げ切れなかった苦しみから開放されたのではあるんだろうなとは思うのだけど、それでも生きていて少しずつでも回復してほしかった思いと、もう少し何かできなかったかなあっていう思いもあり。

 彼女と連絡をとったときに、大学時代の友人が余命わずかな話をしていて、苦しいのは自分じゃないのにあれこれ辛くて現実逃避してなんて話もしつつ。辛さも苦しさもその人のものだからって言ってたんだよね。そのあと連絡を取って余命わずかだった友人の最期の話や、彼女の思いも聞く機会があったら、どんな話をすることができたのかな。

 高校の二年間は同じクラスで、部活も同じで、部活帰りや学校帰りに、食事したりカラオケガンガン歌ったり色々したなあと。卒業してからも部活の同窓会したり、結婚後の家が近所であることもあって、互いのこども連れて家行き来したり、ランチしたり、公園であったりなんてこともしつつで、色んなことを思い出したりで、まだ実感として理解できなかったり、受けとめきれない思いがたくさんあって。

 それでも、どうか安らかにと彼女の冥福をこころから祈りたい。輪廻転生とかあるのであれば、次はしわくくちゃのおばあちゃんとかおじいちゃんとかになるまで大往生して、人生いろいろあったけど長生きしたわいとかなんとか縁側でいっててほしいなと思ったりするのである。

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