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惑う不惑  作者: 松本 晶
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カブトムシ

 40も過ぎれば、親の介護だったり、親やその兄弟の不幸だったり、自分自身の体の不調だったり、あれこれ出てくるものである。同年代であったって、何らかの病気にかかったり、どこかしらの数値が悪くて通院したり、服薬したり、癌だったりなんらかのでてきたりする。

 3年ほど前に、大学の同級生の親友が病を患い2度の手術を。再発しながらも治療をしながら家族との旅行だったり、仕事も復帰してと生活をしていて。今年に入り入院することが増えて行って、8月に危篤状況に。そこから奇跡的に復活したのだけど、つい先日かえらぬ人に。

 彼女が大病を患ってから、どうしているか心配で、すごく怖くて、時折の連絡で近況報告とか、状況を確認して安心したり、会いに来てくれたり。会いに行こうとして会えなかったり、行こうと思ってたキャンプも中止になったり。

 8月、彼女から来たさよなら覚悟の連絡も、なんとか返した後どうしても見れなくて、やがてくるその瞬間を受け入れることが怖くて、実際辛いのも大変な思いをしているのも本人や家族なのになと思ったり。まだ小さな子どもたちをおいていく辛さも、おいて行かれる側の辛さも考えてしまったりで。

 そんな逃避の自分に対し、彼女はその運命に抗い、余命2日ともいわれた命を必死につないで、自宅で少しでも家族の時間をと過ごし、死の恐怖とつねに戦いながら、奇跡の回復をしたところで連絡をくれたのである。

 9月にお見舞いにいけて彼女との時間をすごせたことが、今の自分にとって本当に救いになっていて、会話はできなかったけど、彼女を前にいろんな話をして、ずっと会えないままじゃなくて彼女とともにいれた時間を過ごせたことがよかった。待っててくれたのかなと勝手に思ってたり。お見舞いも楽しみにしていてくれたようで。

 お見舞い少し前から彼女からの連絡が途絶えて、また怖くなる自分に届いた訃報。それでも、ようやく闘いから解放されたんだなと思ったり。彼女なら笑顔で家族の成長を見守ってるって思えたり。

 彼女と別れる覚悟が私にはつかなくて、なぜかずっと自分の中で、流れてたのがカブトムシの曲だったのである。

「あなたが死んでしまって、わたしもどんどん年を~」

「しょうがい忘れることはないでしょう」


 これまでのたくさんの思い出をここ数か月ことあるごとにふりかえって、時折こぼれる涙もありながら、ようやくこれまでのやり取りを読み返したり、それでも逃避している部分も、わかっている部分もありながら、大好きな彼女を忘れないでありのまま思い出したり。今後も彼女の大切な家族と時折かかわらせてもらって、子どもたちの成長を遠い親戚のおばちゃん感覚でみられたらよいなと思っていたりする。

 

 

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