表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: ヘタレWRITER
2/6

プロローグ2

蝉の声が私を呼んでいるようで

残酷な程の暑さから逃げたいようで

私は鬱蒼と茂る木々に導かれるように奥へと進んでいる

怖いという感情はあった

でも私は、人の気配無いこの中で、一番身近なセミたちを求めていた いや、声を… 声を求めて進んで行く

ミンミンゼミがコンサートをしている あぁ、まだ昼間じゃないか、時間はまだある

でも一日でこの島から出られる確証はない あぁ、休んでいる暇はないんだ

…なぜ声を追い掛ける?

あてもない ただ現実を受け入れ切れていないのだろうか こんな環境に放り出されて、こんな世界に迷い込んで、でも身近な蝉の声はして…

それを追い掛けたらまた元の世界に帰れるのだろうか

あぁ、帰りたい この世界から抜け出して、日常の生活で日々を送るんだ

そしてこの蝉の声を、こんな気味悪い木々の中じゃなくて、私のお気に入りの部屋の、お気に入りの机で、勉強に励んだり歌を聞いたりしてその合間にこの演奏を聞く それが日常なんだ

歩いていたはずの私の歩幅はだんだんと大きくなり、今ではもう走っていた

走っても走っても走っても蝉の声はあちこちに響いている まわりは木々で視界が多い尽くされている

見えるのは木と日光と土だけ…

私はどっちへいったらいいの?

そう思った瞬間、目眩がした

取り乱し、直そうと思って無理に顔を持ち上げてもどんどん視野が狭くなり、頭が重くなっていき、その場に倒れこんだ


倒れこんだ瞬間、ヒグラシの声を聞いた気がした


あぁ、もう夕方なんだ…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ