ムシャクシャしてやった
静かな空間に音が響く。
俺はあまりの光景に呆然とするだけだったが、その後もマザーコックローチの食事は続き、とうとう音が止んだ。
完食したのだろう。
再びマザーは、何かを引きずるような音と共にこの空間を動き回る。
ほどなくすると、マザーは歩みを止めて、尻をあげるようなポーズをとった。
俺は見てしまった。
そこに多くの卵鞘がぶらさがっていた。
ブチン
切断された音と共に卵鞘が地に落ちた。
俺は理解した。
ここはマザーの巣で、俺もそこの卵鞘同様にコイツに産み落とされたのだと。
もし今、「ママン!」と俺が叫んで飛び出したらどうなるんだろう?
などと、俺は動揺のあまり意味不明なことを考えてしまった。
俺の動揺などお構いなしに、マザーは次々と卵鞘を切り離していく。
驚いたのは、こいつは一度に十個ほどの卵鞘を抱えることができるようだった。
そして、鈴なりだった卵鞘は、とうとう残り一つになった。
マザーが俺の隠れていた場所に近づいてきたかと思うと、俺に尻を向けた。
まさか。。。
俺の目の前には、卵鞘が。。。
そして、マザーの産卵管が。。。
その瞬間、俺はブチきれた俺は全てのMPをつかって、マザーのケツに【火魔法】lv2【ファイアボール】を叩き込んでいた。
ムシャクシャしてやった。後悔はしていない。