表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TORNE!! ~アイテム屋トルネの冒険~  作者: パノパノ
実技大会!編
42/51

トルネとシャンテリオン

 

 イリスとの試合から丸一日が経って。


「はぁー、やっと解放された…」


 トルネは校庭のそばの草むらに寝転んでいた。


「あのジジイ…、イリスは無事だって言ってんのに、人のことを牢獄にぶち込みやがって…!

 やっぱり慣れないことはするもんじゃないなぁ…。

 ろくな事にならん」


 トルネは今まで、罪人が入れられる用の牢獄に入れられていた。

 その原因は、もちろんあの闘技場の大爆発である。

 観客には一人も被害が出ていなかったものの、校長のギルモアが、トルネが対戦相手のイリスを殺したと言い張るので、騎士に捕えられたのだ。

 トルネは必死にイリスは無事だと説明したが、激昂したギルモアはまともに話を聞いてはくれなかった。

 イリスが無事に目を覚まし、レナードの説得もあって、やっとのことで牢獄から解放されたのだった。


「あの一族は、オレ、どうも苦手だな…。

 人の話をさっぱり聞かないから…」


 トルネはぐんと伸びをする。




 二日かけて行われた、パルキア騎士学校の実技大会は、もう終わってしまった。

 トルネの最終的な順位は二位。

 一年生の一位は、シャンテリオンという生徒だった。


 トルネの起こした大爆発のあと、当然だが闘技場は使えなくなってしまった。

 なので決勝戦をどうしようかという話になったのだが、当のトルネは牢獄の中である。

 その結果、もう一つの準決勝で勝ち進んだ、シャンテリオンが自動的に優勝となったのだ。


「まぁ、どうせ棄権するつもりだったからいいんだけどね…」


 無駄な出費は一回で十分だ。

 それに下手に優勝なんかしたら、誰の恨みを買うかわかったものじゃない。

 準優勝でも、十分恨みを買っている気がするが。


 そういえば、トルネを殺そうとしたナルシスは今頃どうしているだろうか?

 本来ならば騎士に捕まってもおかしくない罪のはずだが、そこは貴族。

 親のコネで、捕まるということはなかったようだ。

 しかし学校を退学になり、故郷には帰らされたらしい。

 

 今度は親族全員で襲ってくるかもしれないな…、夜道には気をつけないと…。


 トルネがそんなことを考えていると、後ろから声がした。


「こーんにちは!トルネ!!」


 トルネが見ると、そこには美しい白い髪の幼げな少年が微笑んでいた。

 制服を着ているところを見ると、この学校の生徒だろうか。


「たしかにオレはトルネだけど…、あんた誰?」


「えーっ!ひどいな!僕だよ!シャンテリオン!!」


「あー、あんたが…」


 シャンテリオンは、たしか一年生の大会の優勝者の名前だ。

 もっとがっしりした生徒だと思っていたが…。

 とても実技大会の優勝者には見えない。


「ひどいなーもー。

 戦う予定だった相手のことを知らないなんて!

 ちょっと情報不足じゃないの?!」


「オレにはそういう予定はなかったんでね」


 シャンテリオンとトルネは決勝で当たるはずだったが、トルネは最初からその前に棄権するつもりだったので、シャンテリオンのことは調べていなかった。

 自慢ではないが、無駄なことは一切しない主義だ。


「僕はすっごく楽しみにしてたのにー!トルネと戦うのを!!

 だって君の戦い方ってすっごく面白いんだもん!

 まるでマジックショーみたいだった!」


「そりゃどーも…」


 シャンテリオンは子供のようにはしゃいでいる。

 トルネはなんとなく居心地が悪かった。


「とくに最後のあの爆発はすごかったなぁ…!

 打ち上げ花火をいっぱい一緒に打ち上げたみたいだった!!

 僕びっくりしちゃった!あれを僕のときにやられてたら、きっと僕も負けてたよ!

 僕、攻めるのは得意だけど、守りは全然ダメだし」


「あんなこと何回もやんないよ…、出費もバカにならないしね」


 出費はともかく、ポーションの素材であるうちのバイトたちが失血死してしまう。


「でも…、僕、どーしても気になることが一つあるんだ。

 トルネがアイテムを使わずに、剣だけで戦ったら、本当はどれくらい強いんだろーって」


 そう言うとシャンテリオンは、持ってきていた訓練用の木剣をトルネに渡してくる。

 ニコニコしながら。

 トルネはため息をつく。


「はぁ…、騎士様ってのは、どーしても正々堂々ってのが好きみたいだなぁ…。

 よーし、わかった!もうわかった!

 気の済むまでやってやろうじゃん」


 トルネは、シャンテリオンから剣を受け取ると、見よう見まねで剣を構えた。



プロローグ【魔法使い】の回に、

イラスト「イリスとトルネ」を追加しました。

よろしければご覧ください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ