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TORNE!! ~アイテム屋トルネの冒険~  作者: パノパノ
実技大会!編
36/51

アイテム屋パパルコ・二号店の戦い


「あーっはっはっは!!燃えろ燃えろぉ!!!

 今日はバーベキューパーティだ!!!!」 



 ポンッ!

 ポンッ!

 ポンッ!



 ドゴォォオオオオ!!!!



「ぎゃああああああ!!!」

「ひええ!!も、モンスターだ!!」

「たっ!た助けてくれえ!!!」



「…」


 阿鼻叫喚の中、イリスは動くこともできず、ただただ立ち尽くしていた。

 ナナもマルコも口を開けていた。


 あたりは火の海に成り果て、ナルシスに率いられた男子生徒たちは、悲鳴をあげながら逃げ惑っている。

 なぜか現れた火トカゲの群れが、男子生徒たちに襲いかかる。


「はっはぁ!!!やってしまえぃ!!我がバイトたちよ!!

 アイテム屋パパルコ、パルキア騎士学校店を敵に回した罰だ!!!」


「ギギーーーーー!!!」


 トルネの号令に従い、火トカゲたちが男子生徒たちに襲いかかる。

 トルコは人が変わったように、戦いの中に身を投じている。


「な、何で火トカゲどもがこんなところに…!

 怯むな!!こんな雑魚モンスターなど…」


 火トカゲを斬り伏せ、ナルシスが何とか指揮を回復しようとする、しかし…、


 ポンッ


 ドゴォォォ!!!


 ナルシスの近くがまた爆発する。

 生徒たちは吹っ飛ぶ。

 すると炎の力で回復、興奮した火トカゲたちが、また男子生徒たちを襲う。

 この繰り返しである。


 その爆発の原因はトルネだった。

 彼はいつの間にか、水鉄砲のようなアイテム、いや環境破壊兵器を手に携えていた。


 シャコッシャコッ


 トルネが、水鉄砲についているスライドを前後させる。


発射(ファイア)ッ!!」


 ポンッ!


 そして引き金を引くと、中から水と、丸いボールが飛び出し、それが着弾すると…、



 ドッゴオオオオオオン!!!!



 大爆発するのである。

 これによって、男子生徒たちは吹き飛び、燃え上がり、それを見た男子生徒はその恐怖でバラバラに逃げ出す。

 たとえ騎士の鎧を身につけていても、そこは子供。

 有利な状況でならばともかく、不利な状況になれば指揮も何もあったものじゃあない。


「あーっはっはっは!!!逃げろや逃げろ!

 こいつはまったく気分がいいぜ!!

 新発明のいい実験台だ!!

 このポーションを武器化する画期的(かっきてき)大発明《スライムボールくん二型(ツー)》!

 および《トルネランチャー》の餌食になりな!!!」



 ポンッ

 ポンッ

 ポンッ



 トルネがボールを打つたびに、周りの風景が地獄に変わっていく。


「く、くそっ、い、一体何なんだ!!あいつは…!

 こ、こんなはずでは…!」


 なんとか爆発を回避したナルシスが立ち上がる。

 彼の計画は、今や大きく狂っていた。

 

 ま、まさかあれだけ集めた騎士候補生たちが、トルネたった一人を相手に全く役に立たないとは…!

 グズめ!!なんて使えない連中だ!!

 し、仕方ない、私だけでも逃げ延びねば…!


「がお(見つけたがお、この人間め)」


「?!なんだこいつは…!」


 よろけるナルシスに、レッドドラゴンが立ちはだかる。

 そして何かを叫びながら、ナルシスにビンタをしてくる。


「がおがおー!!(聞いてたがおよ!!お前、我のこと臭いって言ったがおね!!ぶっころすがお!!!ビシビシビシビシ!!)」


「いててて!!なんだ、何だこの生き物は…、ぐわっ!!!」


 またナルシスの背後で大きな爆発が起き、ナルシスが火に包まれる。




 ◆




「すご…、い…」


 イリスは、まるで現実ではないような目の前の光景に、ただ圧倒されていた。


「これが…、これがトルネの本当の実力…!!」


 やっぱり私は間違っていなかった…!

 これが彼の作ったアイテムの力!

 トルネが本気になれば、この騎士学校の生徒など、束になろうと敵ではないのだ!

 そして…、


 そして、それがたとえ私でも…。




 イリスには、それが悔しかった。




 ◆




 一時して、周りの男子生徒たちで動くものがいなくなった。

 動くものは、燃え移った炎ぐらいだ。

 トルネは辺りを見渡して一息つく。


「ふぅ、スッキリした。

 試合じゃあ、ナルシスが勝手に自爆しちゃって、こっちの怒りの矛先がなかったんだよね。

 ふふ、見たか平民の底力を。

 …しかし、ちょっとやりすぎちゃったかな…?」


「あわわわわっス…」

「や、やりすぎだろ…!どう考えても…」


 ナナとマルコは怯えていた。

 周りにあった木や建造物は、トルネの店を除いてきれいになくなっていた。

 そして地面には、痛々しい爆発の後だけが残っていた。


「トルネ…!」


 イリスがトルネに話しかけてくる。


「お、イリス。怪我はない?」


 にこやかに話しかけるトルネ。

 しかし、イリスの表情は暗い。


「…トルネ、一つ教えてください。

 今、町で噂になっている【魔法使い】と呼ばれているアイテム職人…。

 それは、あなたのことではないですか?」


 イリスが真剣な表情で聞いてくる。


「…うん、まぁそうだけど。

 どうしたの急に…?」


【魔法使い】とは、トルネが商品に()()をつけるために自分につけたあだ名だ。

 もちろん、トルネが本物の【魔法使い】であるわけではない。

 だが【魔法使い】が作っている、という噂が立つだけで、そのアイテムの価値がグンと上がる。

 もちろんそれは、トルネのアイテム製作の技術がとても高く、本当にそうかもしれないと思わせることができるからこそ通用する方法であるが。


「イリス…?」


 トルネが心配そうにイリスの顔を覗き込む。


「トルネ、お願いがあります」


 イリスがまっすぐにトルネの目を見る。



「次の準決勝で、私と本気で戦ってほしい」



補足ですが、この《スライムボールくん二型》はプロローグ第一話で、トルネが地下室で作っていたものの改良型です。前回の教訓を踏まえ、大きな音や、光に対してある程度の耐性があります。


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