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流れ星  作者: 空白
4/5

流れ星 第4章

 ~めがみさま~


んっ…くすぐったいよ…。

何かが顔をくすぐっている。

んんぅ…。お母さん…。


白い毛玉が少女の顔を揺する。


視界が明るくなり。

「んぅ…。うさぎさん…?」

白い毛玉は案内してくれたうさぎさんでした。


「起こしてくれてありがとう。あと少しだからがんばる!」

うさぎさんは耳をピョコピョコして返事をする。

そしてトランプの扉の先にうさぎは進んで行く。

案内してくれるようだ。




今回はすぐについた。寄り道しなかったからではあるが。

途中見えたのは、チョコ山にキャンディーの岩、ポテトチップスの草とかあったんだけどな。


ポテトチップスはお母さんにまだダメよと言われて食べたことがない。

チョコとキャンディーを食べた日は入念に歯磨きをさせられる。

自分で磨いても、お母さんが磨き直す。

歯磨きするときにはお歌を歌ってくれるからそれはそれで嬉しい。




1ヶ所だけ大きな門があり、そこから横にとても大きな壁が続いている。どうやら、入り口になるのはこの門だけみたい。


うさぎさんは、ちらっとこちらを見つめて、帰って行ってしまった。

ありがとう。うさぎさん。


この門って開くのかな?

そっと手で押してみる。門に手を触れた瞬間、足元に魔方陣が浮かび上がる。

ゆっくりと少女を包み込むとそのまま浮かび上がった魔方陣は消えて行く。


「驚いたかい?」

けむりがもくもくとあがり、白黒のシマシマな猫が現れた。

目は黄色く輝いていてちょっと怖い。

その猫はにっこりしながら喋る。

「さっきのあれは、調べられていたんだよ♪」


「あっ、えっと。」

急に現れた猫に驚く。猫は気にした様子もなくどんどん話を続けてしまう。


「君。ちゃんと遊園地に行ってきたようだね?」

「あそこのうさぎは愛想なかっただろう?いつも言ってるんだけどね。遊園地の案内係り辞めなって♪」

「でもあのうさぎ全く聞かないんだよ。困ったもんだよね。」

「あれ?君ってもしかして喋れないのかい?」

「それとも耳が聞こえないのかい?」

「目も口も耳もあるから、喋れないか、聞こえないかどっちかだろうね♪」


「喋れます!!聞こえます!!!!」

あまりにも一方的な猫。少女は聞こえるように大声で叫ぶ。


「あれ?喋れるなら喋れるって言えばいいのに♪」

「そうそう、まぁ遊園地は楽しかったかい?」

「まぁうさぎの愛想がないのを除けば楽しいよね♪うん♪」

「それで君はハートのスタンプはもらえたみたいだね♪」

「おっと、そろそろ行くね♪さようならチビッ子。」

そう言うや否やまたけむりになりふわふわと空にあがっていった。


………。


あれが、お母さんがたまに言ってた、お喋りさんって言うやつなのかな?


そっか。この門は悪い人を通さないようにして、ハートのスタンプを持ってる人だけが通れるんだね。

でも、チビッ子じゃないもん。


どこかに行ってしまったシマシマ猫に憤慨する。




って門の前で立ちっぱなしになっていたのを思いだし開いている門を通る。

あっ、うさぎさん、もしかして、シマシマ猫に会いたくないからすぐ行っちゃったのかな…。


たしか

「ふふ。大きいな門があるの。そこをくぐったら、聖域の守護樹よ。」

ってめがみさま言ってたけど…。




この橋の先に大樹があるのね!




橋を渡りきったその先に、想像していた以上の大樹がそびえ立っていた。




「聖域の加護樹。妖精が住み、加護樹の葉は病を治す。雫は傷をふさぐ。」




えっ??急に後ろから声をかけられる。


「こんにちは小さな異邦人さん。」

「私はこの樹の妖精の長アースです。」


びっくりしたぁ。わぁ妖精さんだぁ。

あっ、挨拶しないとです。


「私はせっちゃん。こんにちはアースさん。」

「こんにちはせっちゃん。」

「太陽の女神様から話しは聞いてるわ。」

さっそく石の欠片を渡すように促され。


「はい。これをどうぞです。」

ポーチから、この旅を始めるきっかけとなった石の欠片を取り出す。


「ありがとう。」

優しく手渡されるそれを、アースさんは見つめます。


「確かに受けとりました。無事届けてくれましたね。ありがとう。せっちゃん。」


めがみさまのお願いされたお使いを無事に終えることができてホッとするせっちゃん。


聖域の加護樹を見上げる。


聖域の加護樹の葉は金色に輝き、幹はぽわぽわと暖かい光の玉を浮かばせていました。


その光景はなんとも幻想的な、心に染み渡る光景でした。


アースはそんなせっちゃんを妹のように感じながらその場をあとにしました。



ぽわぽわと浮かんでいた光の玉がやがて大きくなり集まっていきます。


それは太陽の女神様の時のように、光でかたどられていきます。

そこにはとても綺麗な女性が立っていました。


「初めまして。せっちゃん。そしてありがとう。」


せっちゃんにもすぐにわかりました。


「初めまして。めがみさま。」


「せっちゃんがお使いしてくれたのね。おかげで力を取り戻すことができました。」


あの石の欠片は雪の女神の心の一部分。

季節のバランスを崩して、冬のない世界になってしまうところ、無事に力を取り戻せたということらしい。


「せっちゃん。頑張ったご褒美をあげますね。」

そういうと、せっちゃんのおでこに優しくキスを贈ります。




めがみさまは言いました。

夢から覚めたなら星に向かって目を閉じながらお願いごとをするようにと。


けむりがひろがり、シマシマ猫が現れました。

「チビッ子。これ以上此処にいたらダメだ。」

「そっちの住人はこっちの住人にはなれない。」

「まぁなってもいいけど帰れなくなる。」

「それでもこっちの住人になりたいならいいけどね♪」

「そしたらチョコ山に、クッキーの家、コーンスープの海案内してあげるよ♪」

「暇だしね♪」


「ふふ。猫さん?意地悪はそれくらいにしなさいな。」

優しくシマシマ猫をたしなめ。


「せっちゃん。でも猫さんの言ってることは本当なの…。」

「こちらの世界で過ごせる時間は限られているの。」

「お使いだけで時間が無くなってしまったのは許してちょうだい…。」


少し考えて、せっちゃんは答えます。

「んーん。せっちゃん楽しかったよ。お使い!」


お友達も沢山できたし、美味しい果物にポップコーン食べれたし。

あとあと。こんな綺麗な樹も見れたし!

まだまだいーっぱいあるんだよ?


だから、少し寂しいけど。お使い楽しかった。


「ふふっ。せっちゃんにお願いしてよかったわ。」


あっ、太陽のめがみさま。

「「せっちゃん。そろそろお家に帰る時間です。」」

「「ありがとう。また会いましょうね。」」


めがみさまの言葉が重なり。

同時に。ゆっくりと眠りに落ちていく。







女の子は目を覚ますと窓から身をのりだし星を眺める。




ゆっくり




目を閉じてお願いごとをする。




その瞬間、1つだけ星が光って流れ落ちる。




女の子のお願いごとは。。。

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