悪党童を拾う
短編です。
初投稿故何が何だかわからないかもしれないし
続くかもわからないです。
申し訳ない。
盗賊______略奪や追剥、強盗を生業とする悪党である。
ある者は山で迷い人の荷物を引き剥ぎ、またある者は船を動かし集団で集い、海上の哀れな航海者達を蹂躙する。云わば悪人。
この世の法規を嘲り、罪も無い者たちから金銭や貨物を奪う。
とはいえ彼らも人間である。時に笑い時に泣く。
皆が皆この悪漢仕事を嬉々としてやっている訳ではない。生きる上でやらなければならないと割り切り、情を殺して働く者達もいる。
我が子の顔を撫でながら物品を漁る者もいる。
妻に愛を囁いた口で女を罵り襲う者もいる。
夜な夜な悪夢に震え、自らが葬った人間たちに懺悔し続ける者もいる。
生活に嫌気が差し、自らの為に足を洗おうと決意する者達もいる。
全ての盗賊が冷酷な人殺しとは限らない。
そしてその様な人間達が、決して綺麗に足を洗えるとは限らないことを我々は肝に銘じておかなければならない。
男はボンヤリと周りの光景を眺めていた。
飛び散った血飛沫、だらしなく転がった土色の手足、鼻をつく血と吐瀉物の臭い。
仲間は平然と死体から荷物を漁る。
伸びた無精ひげに触れる。
手は震えている。
膝も笑っている。
村は飢饉だった。仕方がないのだ。
彼らを殺さなければ自分たちも死ぬ。
飢え死になんて死んでもごめんだ。
皆黙って食料や衣服を掻き集める。
誰も喋らない。
誰も死体を気にしない。
____ふと、音のない場に泣き声が響く。
生き残りが居たのか。仲間の誰かが舌打ちをし、武器を構えながら音の主がいる方角へ歩み寄る。
男もよろよろと付いて行く。
泣いていたのは幼い子供だった。
親が隠していたのだろうか。
子供はぼろぼろの柱の陰から姿を現す。
薄汚れ、煤焦げた服を羽織り、びいびいと涙を流している。
頬もこけ、見るからに栄養が足りていない。
雑に伸びた髪で判別はし辛いが、少年だろうか。もともと小さな体をさらに縮こませ、震え泣いていた。
はじめは訝し気に見つめていた仲間達だったが、幼い少年を殺すほど心は麻痺していなかったらしい。
しかし唯でさえ困窮している村で、新たに子供一匹を養うことはできない。
顔を歪めた頭領を筆頭にし、皆散り散りに村へ帰っていった。
皆、この子供の事を無かったことにし、土で汚れた戦利品を握りしめて、苦虫を噛み潰したかのように帰っていく。
_____たった一人、震えていた男を除いて。
わかり辛い表現やこの表現は可笑しいと思ったとき、改行しすぎだとか感じた場合は速やかに報告して下さるととてもうれしいです。
初投稿なので拙いですが、呼んでくださりありがとうございました!