3話
彼はコルトと名乗ることにしたようだ。そして自分の見た目はある程度再現されていて自分の身長は160センチ前半だ。ゲームの中の世界でくらい高身長高収入イケメンになりたかった…。
愚痴を言っても仕方ないので目的のものを探す。NPCにひたすら話しかけて情報を少しでもかき集めていく。コルトはきっとコレをするのがめんどくさかったから効率を良くするために僕に話しかけたんだな。きっと。コルトにも利益があることを考えると、少しコルトへの信頼感は増した。
「あーあー聞こえてるか?」
ドコからとも無くコルトの声だ。
視界の左下に応答というボタンが出ているからそれを押せば返事ができるのだろう。
「うん。良好ですよ。」
「武器屋を見つけた。お前の分も買っとくぞ。防具はそのへんの雑魚からドロップするらしい。POTを売ってる店はコッチでは見つからなかった。そっちはどうだ?」
POTとは、回復薬のことだ。戦闘には欠かせない。
「見つけたからとりあえず持てるだけ買っておきました。後は狩場に出てクエストを探しながら敵と戦うだけですね。」
「ああ、MAPを見たところ西門が近いようだし、この街は出てしまおう。一万人がまずここに集まるからってデカすぎだ。買い物するにも一苦労かかる。そうだな、ここから二つ離れたアズンブルグという街まで急ぐぞ。」
「近くの狩場でレベルを上げたりはしないんですか?危険だと思うんですが。」
「いまは広場の奴らがうるさくやってるからいいけどあいつらが狩りを始めるとMOBの取り合いになるのは見えてる。近くの狩場である程度戦い慣れたら一気にここの隣の街まで行ってしまおう。なんならモンスターを引き連れて走ってもいいな。あと、敬語じゃなくてもいいぞ。」
はははと笑いながらコルトは言う。一回死んだらボス五対倒すまで生き返れないことなんか忘れてそうだ。だが彼の言うことは正しいと思う。
「急には直しづらいから徐々に直しますね。」
町の外に出たらおそらく敵MOBが湧いているだろう。ここからは気を引き締めよう。