※潤色とは-より良い潤色生活のために
奈良時代の日本人が「自国向けに自国語で書いた(自国の)歴史書」を『古事記』と定義するならば、(当時の)国際社会(=中国大陸・朝鮮半島)に認められたくて「国際社会向けに(その当時の)国際語(=漢文。古代中国の文語体)で書いた(自国の)歴史書」が『日本書紀』であった。
「文章の権威性」をより高めるために行なわれた「文章の装飾」のうち、「漢籍の文章の流用」を「潤色」と呼ぶ。内容云々よりも「より整った漢文に仕上げること」を目的とした。
ただ、巻によって「潤色」に濃淡があり、この辺りは各巻を担当した執筆者それぞれの意識の違いのようなものがうかがえると言える。
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例えば「写真を(インスタ)映えさせるため」に「(写真アプリ等による)加工」がなされるように、当時は「文章を(漢文)映えさせるため」に「(漢籍等による)潤色」がなされたわけです。
アジアの「国際語」が英語に取って代わられて久しい昨今ですが、例えば首相が「英語が流暢」だったりしたら、それも「ネイティブスピーカーと疑われるレベル」だったりしたら、国際社会で一目置かれる「ような気が」しません? 文章の分野でそういう効果を狙った「あがき」が、当時の「潤色」だったと思っていただければよろしいのではないかと。