火の魔導師 アルク
ピカーッ
どうやら違う場所に辿り着いたようだ。
どこかの森の中らしい。
「サフィア!」
マフィアが叫んだ。
「やほー!マフィア!」
どうやらこいつがサフィアのようだ。
「あ、こいつが……?」
「ななみ様、ね」
サフィアの横で、男の子が喋った。
背は170ぐらいだろうか。結構高い。髪の色は茶色。正義感が強そうな顔立ちをしている。よく見ると、目は赤色だった。
「よ、よろしく!」
た、タイプだあ~!
男の子かっこいいだなんて、産まれてから一度も思ったことないのに!どうしちゃったの、私!
顔が火照ってくるのが分かった。
「目の色、珍しいね!」
恥ずかしくてこんな事しか言えなかった。
「おう!よろしくな!って何だって?赤⁉そんな色だった覚えは無いぞ!お前こそ珍しいじゃねーか。緑なんて初めて見たぞ」
ひょえー!今なんて言った⁉緑?み、ど、り?私の目の色緑なのーー⁉
「魔法の性質によって目の色変化するからね~」
マフィアが補足。
「な、なるほど~」
「アルクは火の魔導師、ななみは風の魔導師ね。土は茶色、水は水色、雷は黄色よ」
うん、ますますRPG。
「そういえば、アルクは日本語わかるんだね」
気になった事を聞いてみた。
「ああ、俺の母さんが日本好きで、生まれも育ちも日本なんだ」
わお!中身は純日本人!
「はーいはーいはーーい!ちょっと盛り上がってるとこ悪いんだけど、これからの事説明させてね」
マフィアが割って入ってきた。
「魔導師となったあなたたち二人には、さっき言った魔獣が見えるの。この辺の魔獣は、それほど強くないから頑張ってレベルアップ目指してね。」
「じゃ、あたしたちはこれで!」
サフィアがそう言うと、
シュンッ
瞬く間に消えてしまった。
「⁉」
「えっ⁉」
私たちは顔を見合わせた。
「もしかして、説明だけして置き去り~⁉」