9.
めっさ久しぶりです。そして短いです…ごめんなさい
あれからグランはまたまるなって寝る姿勢やし、代わりに『だぁよぉ』口調の竜が丁寧に説明をしてくれたんはええねんけどな…
『記憶持ち』はレイレイの事を指してるらしく…何世代も前の竜から記憶を受け継いどるらしく、ちなみに現存してる記憶持ちはレイレイだけ…らしい。ほんで『予言の子』っちゅうのは何や『竜姫』とかいうのに関わる…難しい話されてよぅ関わりはわからんかってんけど、『予言の子』は『竜姫』の封印が……?
「…ほんであたしが『竜姫』である可能性が高い…と?」
『うぅぅぅん?でも竜姫様は天宮にもぅおられるぅよぅ?』
っ!!めっちゃ恥ずいやんっ!!
ってかさっきあんたがあたしの事を「竜姫」とか言うからめっさ勘違いしてもたやんっ
ちょっと「自分って特別な存在?」って思た1分前の自分を殴ってまいたい!
「…………れて」
『ん?なんだよぅ?』
「とりあえず今のあたしの言葉は忘れてくれるかな?」
『わわっわっわかった!』
いやめっさどもってるし…にっこり笑ってだぁよぅ竜にゆっただけで、なんで口の端が引きつっとんねん。しかも言葉尻のちっちゃい音無くなっとるし
『ででで…でも、レイジルがあんなに大事にしとるしぃ…お嬢ちゃんもきっと大事な人なんだよぅ…』
「へぇぇぇ~。例えば何なんやろうねぇぇぇ?」
『……うぅぅ〜ん。それは記憶持ちのレイジルしかわからぁないよぅ』
いやいや…ただ単にレイレイが気に入った人間なだけかもよ?
あたしって凄い子!?とか変な期待してもたら自爆やって今思いしったからね。そんな花咲いてるアホ子ちゃうよ?自分の身のほど知っとります。
頭ん中で考えてた事が顔にでとったんか、だぁよぉ竜の眉間が寄って目尻が下がった…一瞬怒ってんのか思たら、困った顔……みたいや。
『…ボクらは変化も出来ないまだまだヒヨッコ竜なんだぁよぉ…』
難しいこと聞かんといて~なぁ。みたいな目で見られた
「…ヒヨコって何歳なんな」
『50年ぐらいだぁよぉ』
じじぃやん……。いかんいかん、自分基準で物事考えたらやってかれへんってこの世界来てから嫌という程味わったやん
50年でヒヨコかぁ…成竜の寿命とかよぅ聞かれへんねんけんど…
そういうたら、そもそもこの世界の人間の寿命も知らんし。そんなんレイレイにも確認とかしてへんかったしなぁ…普通は皆知ってることやろうし、今更周りには聞かれへん
…実はあたしだけめっちゃ短命とかやったらそれはそれでちょっと悲しいわ。
せめて短命やったとしてもこの世界の人よりちょっと短いぐらいやと嬉しいねんけど…
「まぁ…きっと短命種ってのも貴重やんな…」
『たんめいしゅってなんだぁよぉ?』
「なんも無い…こっちの話やから」
「ぐぅぅぅぅぅ~」
嫌やわ…竜がぐぅなんてうなり声あげて…嘘です。あたしのお腹の訴えがさっきから激しすぎんねん。せやけどもぅ日、落ちてんねんで?
朝ごはん以来なんも口にしてへんし、朝の説教から始まって運動、散歩、牢屋って、そらお腹もなるっちゅうねん!!
『腹がぁへってぇるぅのか?』
くぅっ!!……だぁよぅ竜…なんてデリカシーの無い子!!
「…何か食べるものありますか?」
『肉くぅかぁよぉ?』
「……にく?」
なんやろ…?記憶のはしっこに「にく」でひっかかるねんけど…
目の前にそっと差し出された物に思わず目が点になってまう
肉やんっ!しかも
「食べかけやんっ!!」
ってか生肉をどうしろっちゅうの!?これを食して死ねって事なんか!?
『腹がへってぇるぅんだぁろぉ?』
うん…きっとめちゃ親切心なんやろうけどさ…
「…ありがと。気持ちだけもらっとくわ」
『遠慮するぅなぁよぉ。ここにぃ置いてあったものぉだからよぅ』
せやね、用意したん『あたし』やしなっ!!どおりで記憶の奥にひっかかるわけや
「…さすがに人間なんで、生肉は食べられへんから」
『………』
何や首をかしげて悩んでる目の前の竜。
そしたら突然何を思ったんか置いてあった肉を指で摘んで口の中をもごもごさせたと思たら
「あぁぁっつぅっ!!」
…火ぃ吹きよった。
『焼けたぁよぉ』
ちゃうやん…焼けたとか、そういうんと全然ちゃうやん…
ええにおいしてるけどさ…ギャー○ルズみたいな肉になっとるけど…
せめて向こうにまだある新品のお肉でやってほしかった
…………何度も言うけど食べかけやん。