10.
なんやねんこれ!!美味すぎやん!!」
一言で言うと…ギャー○ルズ肉は溶けた。元世界の霜降牛に負けへんぐらい、お口の中で蕩けて消えた
『そぅかぁよぅ?普通の肉だぁよぅ』
だぁよぅ竜に思わず「あぁん?」とメンチを切ってしまったのは…若気の至り。あたしもまだまだやわ。
それにしても竜のくせにあたしの睨みぐらいでキョドッてんじゃないよ!
とにかく…あたしのお腹のモンスターを満足させんとね
それからはもぅひたすら肉を食べ続けた。そのまんまの肉食女子へと成り果て…
「あそこの新品肉もう一個もろていい?」
『………』
「焼いといてなぁ~こんなええ肉やったら次はレアで~」
バルクとかいうあほの子がまた横でダラダラ涎をたらしとるけど…もぅ身の危険は感じひんし、目を合わせて「はんっ」って笑ってやった。…決してさっき襲われそうになってちびりそうだったからではない。
『……この子ぉは絶対、竜姫ではないよぅ』
ん?聞き捨てならへんぞ?まぁ…竜姫なんてめんどいもんに成りたいなんて…ちょっぴりおもっ…じゃなくて、これっぽっちも思ってへんけどなっ!!
『雅ちゃんっ!!』
そんな中で聞こえた声に…正直ほっとした
「レイレイ…」
突然現れたレイレイはなんやよっぽど焦っとるんかあたしの服のパーカー部分に噛み付くと必死に翼をバタバタして移動させようとしとる
「れ…レイレイ?」
『雅ちゃん…話は後でしゅ。一刻も早くここから出なきゃでしゅ』
「えっ…えっ?」
この慌て方やと説明する暇もないんやろな…。ほな膳は急げやな。なんやわからんけどとりあえずお肉はごっそさんして、立ち上がったら
『待て…レイジル』
グランとかいう竜が入口に立ち塞がった。…うん、通り抜けるなんて無理やわ。え?倒す?幼竜と人間(非力)パーティーでって、どんな無理ゲーやねんっ!!
『グラン兄…通してくだしゃい』
『…どういう事だ。その人間は何者なのだ?お前が構ってるという事は「予言の子」なのか?ならば竜神に差し出すのが理であろう』
なんやよぅわからんけど…空気が張り詰めてきて肌がピリピリすんねんけど
『……んだ』
え~っと何か心無しかレイレイも戦闘モードに入っとる気がすんのは気のせい?幼竜やのに威圧感ハンパないし、周りの竜びびってるし……もちろんあたしもちょっとびびってるけどな
う~ん。大阪人としてあるまじき、にらみ合う両竜に口が挟まれへん。
『……青竜グラン。語部レイジルアーレイ・バーロ・リドリアンの名の元に命ずる…そこを退け』
可愛ええレイレイどこいったーーーーー!!ってかちょっとかっちょいいモードのレイレイなんて初めてで…これはこれでアリかもしれへん。
でもいかんせん、レイレイのサイズはグランの鼻先ぐらいのサイズやねんけどなぁ…そんな生意気な事言うて鼻で「ふんっ」って笑われたら飛ばされそうやねんけど…大丈夫かいな…
『…っく』
えぇ!!グランどいてまうんかいっ!!
これはあれか!?「お兄ちゃん。可愛い子の旅に反対だけど、こんな時に反抗期がやってきちゃった」ってやつかっ!!萌え!!
『…ごめんね、グラン兄。でも今は説明してる暇がないんだ』
いつのまにかあの『しゃい』モードの語りが無くなってるのはつっこんでええとこなんやろか…ちょっとさびしいなぁ…
『…レイジル』
突然あたしの背筋にぞくぞくと悪寒が走った。
『…ちっ』
可愛ええレイレイが舌打ちなんかうっとったけど、それもつっこまれへんほど嫌な威圧感が竜舎を包んどる
「…へぇ。最後の語部ってまだまだ幼竜なんだね」
…一斉にレイレイ以外の竜達が頭を垂れた。自発的っちゅうよりは強制的に近い気がする。
そこに立ってたのはあのでっかい扉におった失礼男やった
たくさんのコメありがとうございます。
マイペースにちょっとずつ続けていきたいと思います
しばらくは各話短めでリハビリしたいと思います