ギミスはとにかく最低
ギミスは本当に最低な奴です。
第一話「ギミスはとにかく最低」
天才数学者であり天才物理学者でもある僕が超高性能人型ロボットの「ギミス」を
作ってから僕は彼のために、これまで83回も自殺について考えさせられた。
彼はいつだって僕の目の上のたんこぶで、狂都大学で講義をする僕に対して
僕の理論が間違っている事を指摘してみたり、渋谷・原宿で女の子(主にギャル)
をハンティングするときも、獲物を途中で横取りしたりもした
(しかもSS級に可愛い子ばかりをだ)。
僕は彼の妨害を受けるたびに次第に精神が病み始めて、
終いには歌舞伎町に行きアフリカ系の不法移民から不安や
イライラが吹っ飛ぶ薬を購入するようになったのだが
果たしてそれはギミスの奴を喜ばせるだけの結果になってしまった。
ある夜の事、僕は久々にスカッとするためにいつものように歌舞伎町へ薬を
購入しに向かったわけなのだが、その11分52.3秒後に僕は新宿警察の
お世話になるはめになってしまった。ギミスの奴がポリ公に
リーク(漏洩)したというわけだ。
彼は「君のためと想って通報したんだ。早く元の君に戻って欲しい」
と言っていたがそのセリフを発した数秒後、堪えきれなくなってゲラゲラと
大笑いをしだしたのだ。僕がまだその場から去っていなかったというのに。
ああ、本当に殺してやりたいよあのロボット……。
僕がブタ箱(牢獄の俗称)に閉じ込められている間も彼の陰湿で執拗な
いじめは続いた。差し入れだとか言って、大量の自殺に関する本や
ドストエフスキーの本を持ってきたり看守に僕の事をホモでマゾヒストの
変態野郎だから鞭で叩いて更正させてあげて下さいなどという訳の分からない
嘘を教え込んだりしたのだ(その後、しばらく僕の担当看守がクイーンの
ボーカルのフレディみたいな格好をして鞭を持ってうろつくようになった)。
刑務所から出ることが可能となった日、僕はさっそくギミスの奴を殺す
計画を練ることにした。彼は僕よりもIQが127ほど高いが、
所詮はロボットだ(ちなみに僕のIQは231)。
人間様には人間にしかできない発想という力がある。
これから始まる物語は僕とギミスの命をかけた、
ちょっとだけユカイな旅の始まりで
多くの人にとっては最も下らない最初の1ページの始まりでもある。
人生とプラスドライバーはどうも似ている。
夏目漱石の死因は小説の書きすぎです。
みなさん、気をつけましょう。