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21 8月6日 デイリーニュース紙 切り抜き

 八月六日 デイリーニュース紙 切り抜き


 ブリンクストン郡ガードナー伯爵邸で起こった痛ましい事件は、解決の糸口が見えてきたようだ。

 本日、当局が発表した新情報によれば、同伯爵邸の敷地内よりガードナー伯爵夫人を刺殺したと思われる凶器が発見されたが、これはガードナー伯爵家が所有していたグルカナイフと判明した。

 当グルカナイフは先代伯爵が購入し、広間にて飾られていたとの事であるが、いつ頃より紛失していたか覚えているものはいないという。

 また、先日同伯爵邸より痛ましい遺体となって発見されたガードナー伯爵についても、遺体に残っている傷跡はこのナイフの刃先と一致している為、当局は伯爵についても同じ犯人により殺害されたと断定した模様である。

 これらの事実から、当局は伯爵邸内部の人間が関与した疑いを強めているとの事で、家人や使用人などは厳しい詮議を受けているというが、今のところは関与したという確証は得られていないようだ。

 また、家人で唯一家を離れていた弟君のアルヴァ・ガードナー氏についても、ガードナー伯爵が亡くなる事で最大の利益を得ることが出来る人物として、取り調べを受けているという話である。


 当局からの情報は以上であるが、本紙は絶対に氏名を明かさない事を条件として別の興味深い情報を入手した。

 その人間は、仮にA氏としておくが、亡くなられたガードナー伯爵の祖母であるジェイミー・ガードナー元伯爵夫人は、ガードナー伯爵が戦地にいたころより、もし伯爵が戦地にて亡くなった場合はヒラリー・ガードナー伯爵夫人とアルヴァ氏を婚姻させる事も視野に入れていたとの話があり、この事を知り得たガードナー伯爵が夫人と弟君の不貞を疑い精神を病んだ結果、夫人を殺害し、自らも命をたったのではないか、とA氏は話してくれたのである。

 本情報は勿論、当局の発表とは異なるがA氏は確信に近いものを持っていると見え、犯人探しなど無駄であり伯爵の遺書などが残っていないか邸宅をもっとよく調べた方がよいと断じてくれた。

 もし、これらの話が事実だとした場合、暫くの間は社交界での話題の中心になりそうである。

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