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9/11

9 モンスター素材で始める村クラフト生活

夜は気の道を整える練習。朝はラジオ体操で深く気をコントロールする鍛錬。そう、私、毎日ちゃんとやってます!


そしたら、私のお腹の中央の丸が2重に。嬉しかった!フィンも足の筋肉強化の「丸」が出たらしく、パパ曰く「相当早い」らしい。すごいね、フィン!


でも今日は、それよりも重大な問題に取り組もうと思います!


それは――トイレ!


この村のトイレ、控えめに言って、終わってる。


トイレは川の下流に位置してて、そのまま川へ垂れ流し。川の先にはちょっとした「溜め池」みたいなのがあるんだけど、まぁ、臭いし汚いし、なんかコバエがぶんぶんしてるし。

くみ上げて塀の外に捨てることになってるんだけど、その塀の外も虫の楽園状態で衛生的にかなり危険。


住んでる人がいないからって放置してたら、風向きで村に臭いテロを起こしてる。こんなん、トイレに行かずに病気になるか、トイレのせいで病気になるかの二択じゃん!


そんなわけで、私は決意した。「トイレ改革、いざ始動!」


前世の記憶を絞り出して、アイデアを練りまくった末にたどり着いた案がこれ!


『実行内容』

1. ラッポーの頭骨を便器にして、 皮で作った巾着をかぶせて、そこに用を足す。

2. 骨バケツ(蓋つき)を制作。それにも皮を被せて、使用後の巾着をその中へ。で、そのままバケツ皮ごと、塀の外のごみ穴へポイッ!


最初に便器とバケツを作るため、プアとフィンのパパが大活躍。


フィンの家の居間に入って、骨と皮にお清めの葉っぱを乗せてお礼を言う。

私たちを殺しに来るモンスターだけど生きるためにしてるだけ。私たちもそう。だから命に対してありがとうとお礼を言う。ここはなんか前世の考え方に似てるね。


さてやるぞ…。

「ほい、これがラッポーの頭骨ね。で、巾着にこう被せるわけか?」

「うん、ここにおしり乗せる。丸くてフィットするのよ。うん!」

「……すごい発想だね、ハーレちゃん」


フィンのパパは笑いながら骨を削り始め、プアは真剣な顔で骨を選定。


「こっちの大腿骨を三点支持に使おう。安定性が――」

フィンのパパとプア、真剣に作業しながら、骨を組み合わせて、安定した便器にしていく。


続いてバケツ。前世の魔法の箱でみた「樽」の作り方を参考に、骨で枠を組み作っていく。蓋は肩甲骨。


「……完成!」

「おお〜、骨ってわかんない!真っ白でなんかカッコいい!」


私は思わず拍手した。骨便器と骨バケツ。まぁあれだ、見た目は100点!


でも、巾着を作るには「糸」が足りない。(どうしよう…)悩んでたら、救世主・フィンが解決してくれた…ともいえる。


あれは昼過ぎ。


「ハーレ!」


振り返ったら、

ぎゃあああああああああ!!!!!でっっっっっかいウシガエル。1メートルあるんですけど!?フィン、それどうやって持って帰ってきた!?というか、持ってくるなあああ!!!


フィンの後ろからパパが頭をかきながら走ってくる。


「止めようと思ったんだけど、ハーレちゃんが皮で困ってるって。パパはハーレちゃんの味方だよ♡」


「うう、ごめん…ありがと…でも無理」

3メートルは離れて叫ぶ私。フィンは「えっ」って顔をしてたけど、いやこの大きさとぬめりと匂い、無理です。


半泣きの私の顔を見たフィンは骨ナイフを、スッとだし、カエルめがけて振り下ろ…「ダメだ。フィンくん。塀の内側で解体したら、違うモンスター呼んじゃうんだからね」とパパはフィンを止めているけど、そうじゃない!


私を塀の外に出すのは危ないから、と生きたモンスターを持って入るより、私が外に行ったほうが色々と正しいと思うよ…フィン。パパも反省して!


と、そのとき気づいた。カエルのぬめり、粘っててベタベタしてて……なんか糊っぽい?


別のバケツに粘液を入れてもらい、半泣きで実験を繰り返す私。骨の粉、皮の繊維、草の樹脂……色々混ぜて、ねりねり、ぐつぐつ。


すると、骨の粉を入れて練り、いい硬さでやめたものだけが強い接着効果を持つことが分かった。


骨同士が、しっかりくっ付いているじゃないか!


「きたぁぁぁああ!!接着剤完成ぃぃぃ!!」…やった…これで世界が変わる__


フィンがぴったりくっ付いてきて、パパは「こりゃすげぇな」と腕を組んで笑っていた。

名付けて、モンスター接着剤!(仮)


そして今日、衛生革命、始まる!

「もこ木の皮」をくれた商業ギルドのランさん(シュッとしたおじいちゃん)に相談。


水路の1か所を止めてもらい、汚物池の掃除。骨バケツで塀の上に持ち上げて、外に捨てる。めっちゃ重労働。冒険者ギルドに依頼しても、臭いから集まりが悪い…。


あ、冒険者ギルドって、登録しているギルドメンバーに仕事を依頼するところで、仕事内容としては狩りや商業ギルドからくる村内の雑用や、商人ギルドから依頼を受けた個別案件を斡旋するところ。パパも所属してる。


この村は、ギルドが3つあって、あと商人ギルドがある。流通系を主として、商品の売買や隣町まで行って取引したりする。ちなみにこの村、3つのギルドで回ってるんだ。


なんとか人を集めて、みんなで頑張って何度も掃除して匂いが取れたら、いよいよ設置。

小屋(骨と皮)を設置して、バケツ(蓋つき)を置く。その隣には便器ラッポー。巾着入れ(籠)も用意。


巾着もネズミの皮を主に使ってるんだけど、毛の部分を中にして作ってるから、水分もそれがまとっていい感じに漏れない。

ネズミはガンガン増えて塀もかじるから、村では月30匹討伐が税。物の税ってすごいよね。捨てる皮の有効利用だとランさんも喜んでた。


バケツは1日2回回収で臭くない。掃除もラク。

その結果、1か所しか整備してなかったら人が殺到して、全村で導入決定したよ!


徐々に改修していって、そのうち全部これにするらしい。ホッとした。


あとトイレ用の骨バケツと便器。プアとフィンのパパが大活躍で表彰される予定。そしてもちろん、私も!


トイレ改革、だいせいこ〜う!


後日、ランさんがトイレに名前を付けた。「ハーレ式便座」らしい。ありえないんだけど!

即座に変更をお願い?するため、ランさんのところに突撃する話はまた今度。


あと、誰かがトイレで頑張ってる最中に便器倒して大惨事になったみたい。(支える骨を折ったらしい)プアが新便器作成に頭を抱えていた。あれって筋肉が重すぎたからでしょ。私しらなーい。


■ギルド

・商業ギルド→役所のようなもの 村の中央の果実園と草原の管理、マンションの斡旋、マンションの家賃(税)の取り扱いを決める 水路管理等

・ギルドがあり

・商人ギルド→流通系を主として、商品の売買 

・冒険ギルド→登録しているギルドメンバーに仕事を依頼 仕事内容としては商業ギルドから依頼を受けた狩りや、商人ギルドから依頼を受けた個別案件を斡旋する


■登場人物

主人公 苗字:モモ 名:ハーレ

ヒーロー 苗字:ゲシュ 名:フィン

母 名:マリ 商人ギルド登録

父 名:ガーデ 冒険者ギルド登録

商業ギルマス ラン

親友 苗字:ドルド 名:プア

フィンのパパ 苗字:ゲシュ 名:グー 浅瀬ぐらいには狩りはできるが本職は武器加工 商人ギルド登録

隣のおばあちゃん(薬師) 名前:おばあちゃん 商人ギルド登録

筋肉は正義食堂 ユボさん。肉焼き職人 商業ギルド登録

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