表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/11

8 努力と筋肉は裏切らない


「ええええええぇぇぇぇぇーーー!!!」

私は叫んだ。もう、めいっぱい。


そしたら、パパが飛び込んできたよ。髪、ボサボサ。寝癖がパンクロッカー。

「どうした!?虫!?怪我!?まさか……フィンがもう来たのか!?」

「違う、違う、見て!!」

私は自分のお腹をバッとめくる。おへその下あたりに、でかい銀色の丸模様が、うっすらと浮かんでいた。


「ええっ、ええっ!?えっ!?すごくない!?なにこれ!?」

パパは私のお腹を見て、一瞬フリーズしたあと──ニヤリとした。


「やっぱりねぇ〜!さすがパパのかわいいかわいいハーレちゃん!天才!昔からね、模様が自然に現れる人は、強くなるって言われてるんだよ」

「ええ!?強くなる!?私!?」


どうやらこの模様、本来は意図的に“入れ墨”のように入れるものらしい。


やったー!……て、これってもしかして…


私は腹に手を当てて、深呼吸して──気を巡らせてみる。

……すると、模様が、うっすらキラッとした。光った!やっぱり気に関係してるんだ…。


パパにもやってもらったけど──気を意識できないっぽい。でも、パパが「狩りしてるときのことを想像してみて」と言った瞬間、模様が光ってる。無意識に気をコントロールしてるのか。


パパ曰く、強い人は入れ墨が光るらしい。

なるほど、入れ墨しただけでは気が巡るわけではないが、無意識でコントロールしている人は、入れ墨が気の模様になるケースもあるということか。


フィンが来たから模様について聞いたら、同じようについていた。パパのもフィンのも見比べてみる。


んー?? 人によって違うけど、形は同じ。


パパは真ん中は4重で、銀色が3重丸。1つだけ白い線だった。それとは別に、中央上に大1重丸、右斜め上に大1重丸、右斜め下に大1重丸、左斜め下に二重丸

フィンは真ん中に2重丸。それとは別に、右斜め下に大1重

私は真ん中に1重丸。


気が関係してることはわかった。なら…


私は調査を開始した。


「パパはほかの人と比べて何が得意?」

「んー?ママを愛すること?」

のろけはいらんがな!!


パパの狩り仲間、肉食堂に集まる筋肉たちからも聞きまくる。

「模様、自然に出た人っているんですか?」

「人より自慢な筋肉はどこですか?」

「中央の丸って、増えたりするんですか?」


で、わかったのがコレ↓


模様は、初めに中央に大きな丸が現れ(光り)、それを囲うように部位の丸が現れる(光る)


中央の丸(気のタンク):最大5重。丸の数で溜められる量が変わる。溜まっているときらめき、使用すると鈍い銀色になる。能力が落ちて使えなくなると銀色から白になるらしい。

部位の丸(能力UP):最大2重。能力が上がる部位は5つ。丸の発現場所は決まっていて、時計回りで、目→耳→手→足→鼻の能力を指す。外側の丸が肉体強化 内側の丸が特殊能力となる。特殊能力は部位の特殊な能力であり内容に個人差はない


中央と部位の丸は銀の線でつながってる:気の流れの道。

特殊能力の発動条件:筋力じゃなく、イメージ力と知識が必要。特殊能力だけ発動する人もいる


そして、自然に模様が出るのは珍しいらしい。




やった!毎日、気のコントロールをしてたからだ!

__けど、丸1つって少なっ!……いやでも、自然に出た時点ですごい…はず?


パパって全盛期4重だったんだ…。周りの部位の丸も多いし。すごい!

「パパ、かっこいいね!」って言ったら、パパとフィンが違う意味で泣いてた。


そのあと、パパは筋肉仲間にずっと自慢し続けるし、フィンはそれをすごい形相(これは皆比)でにらみつけているし。二度とパパは褒めないから!


とはいえ、パパが言っていた「強くなる」というワードにチートの夢を見た私は、さらなる鍛錬のために、ラジオ体操第一を始めた。ほんとは太極拳のが合ってそうなんだけど、あれ、型わからん。




今日も元気に


♪ ターターターターッターー! タララッ タララッ タララ〜♪


朝焼けの空に、私は歌いながら仁王立ちしていた。


肩幅に足をひらき、両手をまっすぐ空へ。

「伸びて〜〜!伸びて〜〜〜〜!」


お腹の銀の丸が、ピカッときらめく。


♪ チャラララ〜ン♪ チャラララ〜ン♪


フィンも、ニコニコ(彼比)しながら、毎日一緒に体操してる。たぶん、きっと、間違えなく、お見合い祭りの時用のダンスの練習だと思ってる。わかってるけど否定はしない。…ごめんフィン。さすがに一人は恥ずかしいから…。


■部位

・中央 気をためるタンクのような機能

・足 ①飛ぶ ②速く走る *①キックを繰り出し飛ぶ

・手 ①器用 ②力持ち *①米に模様が描けるぐらい

・目 ①顕微鏡 ②遠くまで見える *①発現がほぼ奇跡 想像ができないから

・鼻 ①判別 ②遠くの匂いがわかる(濃くわかるのではない)

・耳 ①聞き分ける ②遠くの音を拾える 

①特殊能力 ②肉体強化

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ