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第三章 同盟の締結

転移したロシア軍や日本、アメリカ、韓国などの国が協定を結ぶ話です。

(本作品は戦争などを助長・賛美する目的で執筆はしていません)

日本、アメリカ、韓国、北朝鮮、ロシア、台湾――通信が可能なこれら六つの国々は、あの日起こった異世界への転移後、互いの安否を確認し合いながら、まずはそれぞれの生存を優先して動いていた。

だが、単独で生き残れるほど状況は甘くなかった。


異世界の国家群の情報が次第に集まるにつれ、地球側の各国は共通の危機を認識するようになった。

エルファリア王国などの少数のの平和主義国家は一握りに過ぎず、大半は侵略を至上とする軍国主義国家、または世界の覇権を争う侵略的帝国主義国家であった。

それらの国家の中には後に判明することだが、1950年〜1960年代の地球の技術に匹敵する戦力を保有している国や信じがたいほど巨大で異様な雰囲気を醸し出す兵器を持つ国もあり、地球の技術でさえ互角に戦えるかどうかは不明だった。


さらに運の悪いことに、地球側の国々は転移の影響で人工衛星や宇宙通信網が壊滅的な被害を受け、情報収集能力が制限されていた。

このままでは、異世界勢力の侵攻に対して有効な防御すらできない可能性が非常に高いと判断された。


「互いに支え合い、協力するしかない」


この結論に達したのは、日本の防衛大臣とアメリカの国防長官が行った緊急のオンライン会議だった。会議の後、両国はあの日同じように転移した、韓国、北朝鮮、樺太や千島列島に駐留するロシア軍、台湾に対して連携を提案し、各国はそれを受け入れた。そして、6カ国間で連携を強化するための会議が、日本国内で開催されることとなった。


会議の場は日本の防衛省庁舎に設置された特設ルームだった。世界が一つの場所に集うには難しい状況のため、各国の代表者たちはオンラインで集結した。


「まず確認させていただきたい。我々の目指す目標は、『この異世界での生存と繁栄』で間違いないか?」

会議の冒頭で、日本側の司会を務める外務省高官が全員に問いかけた。


「異議はない。我々アメリカは、地球側全体の利益を守るために協力するつもりだ」

アメリカの代表者は力強く答えた。


「同感だ。異世界勢力の存在は不安だが、我々同士で争っている余裕はない」

韓国の代表も続けて同調した。


「……うむ。我々も、この未曾有の事態を乗り越えるには、連携に加わる以外に道はない」

北朝鮮側の発言には一瞬の沈黙があったが、誰も異論を挟む者はいなかった。

突如として発生した異世界への転移という予想しがたい異常事態の前では、これまでの国際的な緊張ですら、些細なものに思えたのだ。


「我々も賛成だ。ただし、我々の資源を守るための協力を惜しまないという約束が必要だ」

ロシア軍の代表も冷静に答えたが、その発言には一定の警戒心が垣間見えた。


そして台湾の代表も同意を示し、議論は各国が異世界で直面する課題――食糧供給、エネルギー不足、防衛と言った重要な課題について具体的な協力案を議論する方向へと移った。


やがて数日に及ぶ激論の末、地球側六カ国は「地球連合」(現世でいう国際連合の規模を縮小した組織)なる同盟を締結した。協定の主要な内容は以下の通りだった。


1. 各国は相互防衛を誓い、一国への武力侵攻及び宣戦布告は地球側全国家及び連合全体への攻撃や宣戦布告と見なす。

2. 食糧や資源の供給を分担し、飢餓や不足のリスクを軽減する。

3. それぞれの科学技術の共有を進め、異世界の脅威に対抗する手段を模索する。

4. 各国の経済的、文化的な交流を深め、共通のアイデンティティを育む。


会議終了後、日本の総理大臣は記者会見を開き、次のように発表した。


「突如として発生した異世界への転移という未曾有の状況において、我々は決して孤立しません。我々六カ国が一つの連合として手を取り合うことこそ、未来を切り開く鍵です。この協定を通じ、異世界での平和と発展を実現していく決意であります。国民の皆様にもどうか、ご協力を願いたい。」


この記者会見はSNSなどを通じて即座に日本中に広まった。

だが、今回の事態に関しては皆が同じ考えを持っていたので、異を唱える者は一人も現れなかった。


こうして、地球側国家は異世界で初めての正式な同盟を結成した。

だが、この同盟の前にはまだ多くの課題が残されていた。

特に異世界側勢力に対する防衛体制をどう構築するかが喫緊の課題だった。


その第一歩として、日本はエルファリア王国に自衛隊の部隊を派遣し、防衛体制の強化を支援することを決定した。また、アメリカはこの世界における偵察任務に特化した新たな部隊を編成し、周辺地域や周辺国家の情報収集を進める準備を開始した。

そしてロシア軍や韓国などもそれぞれの行動の開始を始めた。


さらに、地球側国家はこの世界に存在する「古代の遺跡」への注目を高めていた。

それらが異世界の覇権争いをしている国家たちにとっては、強大な力の源になることが明らかになりつつあったからだ。

そして、もしその技術を地球側が利用できれば、軍事的な均衡を一気に覆す可能性があった。


こうして地球側の協力体制が整い、異世界への対応に本格的に乗り出す準備が整った。

一方で、異世界国家からの視線が徐々に地球側に向けられ始めていた――。次の衝突が避けられない運命であるかのように。

マジで眠い…あと明日は学校が始まる日なので投稿が遅れるかも知れません。

テスト嫌だ…

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