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第一章 : 転移直後の混乱と希望

日本とアメリカと台湾などが一斉に転移して、まず最初に日本がコンタクトを取るという感じです。

それは、ただの「朝」のはずだった。


2025年1月3日。

日本、アメリカ、韓国、北朝鮮、ロシア、台湾の政府中枢に最初の異変が報告されたのは、午前8時過ぎだった。日本の空自のレーダー施設が太平洋上で奇妙なノイズを検出した直後、全方位で人工衛星との通信が途絶え、GPS信号が消失した。

そして、それは単なる通信障害などではなかった。


「総理!ヨーロッパ各国や中東諸国、アフリカなどと連絡が通じません!」


一斉に報告が押し寄せる中、地球規模の混乱が始まっていた。

各国は一夜にして、星空や海の向こうに見覚えのない風景が広がる世界へと転移していたのだ。

朝のニュースがその異常を視聴者に伝える中、日本中が騒然とした。


転移後、状況把握に最も迅速だったのはアメリカだった。

衛星からの通信が途絶えたことで、ただちに軍と連邦政府が調査を開始。

大陸沿岸を偵察機が飛び回り、周辺の海域に展開する空母打撃群や偵察機からの報告で、未知の地形や島々が発見される。

特にアラスカ沿岸の南方では、広大な大陸が発見された。


日本でも同様の動きが取られた。空自の偵察機が太平洋の調査を開始し、海保の巡視船が沿岸の警備に動員される。地球規模での異常を確認した日本政府は、即座にアメリカ、韓国、ロシア、北朝鮮、台湾との通信を試みた。

幸いにも、これらの国々との通信は依然として可能であり、最低限の連携が取れる状況が判明した。


しかし、それ以外の国家――ヨーロッパや中国、中東諸国などとの通信は完全に途絶えており、現在地や彼らがどうなったのかはまったく分からなかった。


「通信が可能な国々とは早急に協力体制を整える必要があります。特にアメリカとの情報共有が鍵になるでしょう」と、防衛大臣は進言した。


「アメリカは迅速に動くだろうが、ロシアや北朝鮮がどう出るか分からない。台湾や韓国とは協力を強化する方向で問題ないが……」


総理大臣官邸で開かれた緊急の閣僚会議では、これまで以上に緊張感のある議論が続いていた。日本政府は、まず自国内の状況安定化を最優先としつつ、周辺諸国との連携を模索する方針を打ち出した。


転移直後、日本列島内では奇妙な現象が立て続けに報告されていた。

最も目を引いたのは、日本列島周辺の変化だった。

千葉県銚子沖に突如として見たこともない巨大な島が現れ、島根県の日本海沖にはまだ開拓されていない広大な陸地が伸びていた。

また、北海道の東方に未知の大陸が確認されたという報告が入っている。


それだけではない。

人々の間では不思議な植物や動物が目撃され、各地の至る所で環境の変化が見られた。

特に自衛隊の偵察報告では、太平洋上の空気が異様に澄み渡り、生物多様性が急激に変化していることが判明している。


こうした異変の中、もっとも危惧されたのは「食糧問題」だった。

異世界へと転移したことで、国際的な物流が完全に停止。日本国内にある備蓄量だけでは、長期的に人口を支えるのは不可能と判断された。

米や小麦といった主要穀物、さらには石油や原油などの燃料の供給不足が懸念され、政府は即座に対応策を検討し始めた。


そんな中、この食糧問題が終わりを迎えるかも知れないという「発見」が起こったのは、海自のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を飛び立ったP-1哨戒機が南方の未知の島を確認した時だった。

島の中心には、緑豊かな森に囲まれた小さな王国が存在していた。

後にこの国は、「エルファリア王国」と名付けられることになる。


驚いたことに、この王国の住民たちは日本語と非常に似た言語を話しており、初期の交流は予想以上にスムーズに進んだ。

さらに彼らは、日本人が抱える最大の懸念――食糧問題に対する解決の糸口を示唆する「大地の女神」の恩恵を受けていたのだ。


その恩恵とは、土地に植えられるすべての作物が驚くほど豊かに実り、家畜でさえ非常に良い飯が食えるという物であった。

地球の科学では説明できないこの奇跡的な特性が、日本を含む地球側国家にとって一条の希望となった。


日本政府はエルファリア王国との正式な接触を試み、初の貿易交渉に踏み出そうとしていた。未知の異世界で、新たな生存戦略が始まる――。

どうでしたでしょうか。初めてなので誤字脱字などがあると思いますが、ありましたら感想にて教えてください。

それではまた次回会いましょう。

Good bye.

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