アツアツ!!夏と冬バージョン
☆夏バージョン
ある夏の日の事です。
たっくんとみんちゃんは今日もいっくん先輩と三人で飲みに来ています。
料理のサラダやピザが運ばれてきました。
「みんちゃん。サラダとピザ、取り分けてあげるね」
「わ~い♪ありがとう、たっくん♪」
いつものようにたっくんはみんちゃんにサラダとピザを取り分けてあげています。
「はい、みんちゃん。どうぞ」
「ありがとう♪たっくん♪」
みんちゃん、たっくんから皿を受け取りながら満面の笑みです♪
その様子をいっくん先輩は、どこか怖いような顔でジーッと見ています。
いっくん先輩、二人の仲の良さにヤキモチ妬いちゃったのですかね?♪
「おい……」
いっくん先輩が急に低い声を出しました。
「「はい?」」
いっくん先輩の声に、特にたっくんとみんちゃんは驚くことなくピザを食べています。
「はぁ~……」
いっくん先輩、二人の様子を見て深くため息を吐くとおもむろに口を開きます。
「……やれやれ。相変わらず君たちはラブラブモード全開だな。仲が良いのはいい事だが、そのラブラブ温度で地球の気温を上げるのはやめてもらおうか?」
「地球の気温??」
いっくん先輩の言葉にみんちゃんがピザを口にしながらはてなマークで繰り返します。
「最近のこの異常な暑さは君たちが地球上の温度を上げているに違いないからな」
「そうでもないと思いますが??」
たっくんも頭にはてなマークを浮かべながらそう答えます。
「いや!この地球温暖化が異常なぐらい熱を持っているのは絶対に君たちがこの地球の温度を上げているからだ!今すぐ、気象庁に詫びの電話を入れてそのラブラブモード異常気象をストップしろ!!」
いっくん先輩、握り拳を作りながらそう熱く語ります。
「え~っと……つまりどういうことですか??」
たっくん、いっくん先輩の話がよく吞み込めなくて、そう尋ねます。
「つまりだ!!君たちのそのラブラブモードを一切禁止する!!」
「「えぇ~?!!」」
あらあら♪いっくん先輩ってばそれは無茶な要求ですよ?♪
「でも、お家ではラブラブしてていいよね??」
「いや、駄目だ」
あらま!みんちゃんの質問にいっくん先輩あっさり否定しちゃいました。
「そんなの絶対無理だよ~!!」
みんちゃん、いっくん先輩に反感です!(頑張れ!みんちゃん!!)
「地球上に生息する人類の為に我慢しろ!これは先輩命令だ!」
「無理だよ~!!」
みんちゃん、いっくん先輩に猛烈に抗議しますが、いっくん先輩も引きません。
「あ~ついな~♪あ~ついな~♪だ~れかさんたちのせ~い~で~♪」
いっくん先輩、あまりの熱さに歌を歌い始めちゃいました。
そんなこんなで、その後の飲み会はたっくんとみんちゃんが仲良くしている場面がある度に、いっくん先輩からのキツ~イお叱りを受けたのでした。
☆冬バージョン
ある冬の日です。
たっくんとみんちゃんはあんなことが夏にあったにも関わらずに、今日もいっくん先輩と店に飲み会をしに来ています。
冬という事もあり、今日は鍋を注文して三人で箸を突き合いながら食べています。
そして、いつものようにたっくんがみんちゃんに鍋を器に取り分けてくれています。
たっくんは相変わらず優しいですね♪
「はい、みんちゃん。熱いからフーフーしながら食べてね」
「わ~い♪たっくん、ありがとう♪」
みんちゃん、嬉しそうにたっくんが器に入れてくれたアツアツの鍋を冷ましながら食べていきます。
今日はいっくん先輩も普通に鍋を囲んで楽しんでいます。
「今日は冷えるな。氷点下を下回っているのではないかと思うくらいの寒さだ」
いっくん先輩、熱燗を片手にそう声を発します。
「うぅ~……。今日は寒いでする~。冷たい日本酒は冷えるのでする~」
みんちゃんは熱燗が苦手なので冷酒にしたのですが、ちょっと寒そうです。
「確かに今日は冷えますね。冷え冷えのビールは美味しいですがお腹を冷やしそうです」
たっくんはまだ寒さには慣れていますが、冬に冷え冷えのビールはちょっと寒いみたいですね。
たっくんとみんちゃんはがちょっと寒そうにしながら冷たいお酒を飲んでる姿を、いっくん先輩はジーッと眺めていました。
「……そうか、分かったぞ!」
おや?いっくん先輩はあることを思い付いたようですよ?一体何を思い付いたのでしょうか?
「君たちのラブラブパワーで地球の温度を上げてくれ!こう寒いと手がかじかんでまともに動かないからな!」
あらあら♪夏の時はラブラブモード禁止令を出したのに、今度はラブラブモードを許可するのですね♪
「お……」
あら?なんか急にたっくんが身体を震わせましたよ?どうしたのでしょうか??
「お安い御用です!!」
たっくん、目を「キュピーン!」と光らせて声高らかに言います。
「いっくん先輩!今日からラブラブモード全開で構わないという事ですよね!!」
たっくんがランランと目を輝かせながら興奮気味にそう声を発します。
「え……いや……その……」
たっくんの反応に、いっくん先輩は「しまった」と心で感じてしまいます。
「みんちゃん寒いでしょ?!暖めてあげるよ!」
たっくん、そう言ってみんちゃんをぎゅーとハグしちゃいます。
「わ~♪たっくん、あったか~い♪」
みんちゃん、すごく嬉しそうですね♪
「あっ!みんちゃんの器が空だね!入れてあげるよ!」
たっくん、そう言ってみんちゃんの器に鍋を入れてあげます。
「美味しい?」
「牡蠣、すごく美味しいのです~♪」
みんちゃん、牡蠣を頬張りながら満面の笑みです。
「みんちゃん、可愛い~♪」
たっくん、美味しそうに牡蠣を食べるみんちゃんがとても愛しくなって頭を撫でてあげます。
「えへへ~♪たっくんの撫で撫では心地良いのです♪」
こうして、二人のラブラブモードはしばらく続きました。
「……おい」
その様子をず~っと見ていたいっくん先輩が口を開きます。
「いっくん先輩!どうですか?!暖かくなりましたか?!」
たっくん、ドヤ顔でそう声を発します。
おや?いっくん先輩が体を小刻みに揺れていますよ?どうしたのでしょうか??
「き……君たちがラブラブなのはよ~く分かった……。けしかけた僕も僕だが……」
いっくん先輩そこで一旦言葉が区切れます。
そして、急に血走った眼をしながら鬼のような形相になり……、
「いい加減にせんかぁぁぁぁぁぁ!!!」
と、店中にいっくん先輩の怒鳴り声が響いたのでありました。
そんなこんなで楽しい(?)飲み会は続いたのでありましたとさ♪
追伸♪
たっくんもみんちゃんも仲が良いのはいい事ですが、お外ではほどほどにしましょうね?♪
ちゃんちゃん♪




