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こんにちわ。この作品を書いているkazuです。文系苦手で、上手く書けていませんが、読んでいただいている方には、感謝しています。今回は、少しだけ性的描写が含まれています。本当に少しだけだけど…。
「…キモッ…」
深雪はトイレの中でそっと呟いた。さっきの奴、毎回毎回私の頭を撫でてきて気持ち悪い。
溜息をついてから、トイレを出ようと我に戻り、ある事に気づいた。とても綺麗なトイレだ。くだらない事かもしれないけど、こんな綺麗な校舎の高校に入れるなんて思ってもいなかった。今まで、頭悪いと周りから言われてきた私も、こんな有望高校に入れるなんて。全て、悠樹のおかげ。もしも双子じゃなかったら……。そう考えると胸が締め付けられる。きっと、さっき腕を離そうとしたのは、双子同士でイチャイチャして気持ち悪いって思われたからかな…。胸が苦しくなってくる。段々周りの声が遠のいてゆく。私は、トイレを出て、気分転換にジュースを買おうと、自動販売機のある方へ向かった。
2年や3年の群がりが廊下にいっぱいいる。私は、あまり目立ってはいけないと思い、肩を窄め歩いていった。すると、自動販売機が2台並んでいる場所が見えた。私は、やっとこの廊下から抜けれると思い、走っていくと、いきなり前に男が現れぶつかってきた。
「おい。1年。邪魔なんだよ」
そういわれ、私はしまった!と思い、下を向きながら小さな声で、すみません、と言い、逃げようとした。すると、腕を掴まれ、思いっきり壁に押された。ドンッという音が廊下に響き廊下にいる人たちの視線が私に向けられた。
「ぃったぁ…。何するんですか!!」
私は思わず大きな声を出してしまった。バッと上を向くと、そこには、金髪で耳ピアスが何個もつけて、十字クロスのネックレスをぶらさげた、まさしくチャラ男と言える男が私を押さえつけていた。
私は、あまりの派手さにじっと見つめていると、男が
「俺は、2年の三木流星。お前の携番とメルアドを教えてくれたら、離してやる。」
私は、すかさず、驚きの顔から、怒りの顔へ変えた。
「ふざけないで下さい。何でそんなの教えなきゃいけないんですか。」
私はできるだけ低い声で言った。しかし、流星は、プッと吹き出して、
「気の強い女だな。気に入った。お前の名前は?それぐらいは良いだろ?」
私は、睨みながらも、しょうがなく、
「仲原深雪。」
そう口を尖らせながら言うと、流星は怪しい笑みを浮かべ、いきなり、顔を近づけてきた。
「俺の女にならねえ?」
そう、言われ、私は、怒りも頂点に達し、手を強引に離し、叫んだ。
「アンタなんかと死んでも付き合いたくない!!」
そういうと、そこらにいた、女子がいきなり私を皆で睨みつけてきた。すると、ボスっぽい女の人が
「いい度胸じゃない。流星を振るなんて。流星がどれだけモテてるか知ってんの!?」
確かに、顔は良い…かも?背も高いし。でも、初めてあった人にOKするほど私は甘くない。
「で、でも、やだ。」
そう呟くと、流星が、口を塞いだ。唇で。私は、いきなりの事に驚き、暴れようとすると、体が密着しすぎて、逃げられない。下も、足でふさがれてるし、右も左も、上も背高いから無理!私は必死に逃げようとすると、口の中に変なものが入ってくる。
「…んぅっ!!!」
これは…。舌…。ってことは、ディープキス!?休むことなく、彼の舌が私の口の中をグチャグチャにする。
「ぅっんっっ…」
周りにいる女子たちは、目を塞いでいる。男子たちは、ニヤニヤしながら私たちを嫌な目で見る。
初日から最低!!!
唇が離れたと思うと、今度は、耳を噛んで来た。
「…ひゃっ…」
私は、思わず甘い声を出してしまう。そして、やっと、唇が本当に離れた。
「ファーストキスでしょ?ありがとね」
そう、耳元で囁き、去っていった。私は、顔が真っ赤になり、
「最っっ低!!」
と叫んだ。そして、すぐに、その場から逃げ出した。そしてまた、トイレに逃げ込む。
「…ゃだぁ…」呟き、頬に涙が伝う。
私は、無償に悠樹に会いたくなった。慰めて欲しいよ。
今日は、気持ち悪い奴に頭撫でられるは、流星って人にファーストキスを奪われ、ディープキスまで。
なんて運の悪い…。咽も渇いたし…。すると、トイレのドアを叩く音が聞こえた。
まさか、またアイツ!?ってかココ女子トイレ…と、返事もせず、考えていると
「ねえ?どうしたの?泣いてる声聞こえたけど」
女の子の声…。良かったぁ…。私はそっとドアを開けると、そこには、セミロングで、可愛い女の子が立っていた。
「はい。どうぞ。レモンティーだけど大丈夫?」
「ありがとぉ…。」
優しそうな子。同中の女の子もいないから、友達になれるチャンスかも…。
「で、どうしたの?」
「いや、あの…。」
あんな事、恥ずかしくて言えない…。私は、顔が真っ赤になる。すると、女の子は微笑み、
「大丈夫!言えるようになったら言ってよ。メルアド教えるからさ」
女の子は、ペンとメモを胸ポケットから取り出し、メルアドを書き始めた。
私は、ただレモンティーを飲んでいると、
「そういえば、名前なんて言うの?」
「えっと・・仲原深雪。深雪でいいよ。」
「へぇ~!可愛い名前!私は、木村杏、杏でいいよ♪」
「そういえばさ、さっき自動販売機にジュース買いに行く時、なんか、女の子が2年か3年の男の人に襲われてるとこ見たんだ…。顔は良く見てないんだけどね」
私は、それを聞き、すぐに自分の事だと分かった。すると、また、顔が赤くなる。それに杏は気づいたのか、
「え…、ちょ、もしかして、あの女の子って深雪!?」
私が、隠せまいと思い、そっと頷いた。
「やだぁ…!!大丈夫!?可哀想…」
杏は、私の肩を掴み、大丈夫?と何回も聞いてきた。私は、何回もそれに答え、頷いた。
「でもねー。あの人の噂しってるよ~。中学で100人斬りしたって。」
「100人斬り?」
「うん。何か~モテモテらしくて、学年の女子ほとんどに告白されたとか。他校の女子にもね。」
「え、でも、彼女いないと思うよ?あの人」
「だって、皆振ってるもん」
そうだとすると、私、告白されたのって、結構すごい事?でも、なんかすっごく軽そうだった…。
「まあ、いいよ。もうそろそろ、ミーティング始まるでしょ。行こう。」
「え?同じクラス?」
「うん♪」
そして、私たちは、1年校舎に戻り、教室へ行った。