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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

彼と、私

作者: okap

彼が死んだ、突然だった


彼とは年の離れた恋人で

出会いは私が10代半ばの時、彼に一目惚れした

彼は20代半ば、当然断られた

それでも根気強く側に居続けた


"20歳になって気持ちが変わらなかったら付き合おう"

そんな風に言われたのが18歳の冬

彼が白旗を上げた瞬間だった


それから毎日が楽しくて仕事も恋もまさにお花畑状態

彼はちゃんと20歳の誕生日に告白をしてくれた

それから5年彼と変わらずお付き合いをしていた

喧嘩も沢山した仲直りもした

仕事柄公には出来ない恋だったけど幸せだった


あの日までは


最後に交わした言葉は行ってらっしゃいだった

おかえりがないなんて思わなかった

綺麗な顔で棺桶に入ってる姿を見て

本当なんだと言う意味のわからない気持ちがじわじわと広がった

悲しいや寂しい、辛いという感情より現実なのだという感情が身体中を駆け巡った


そこからは時の流れが止まったかなようにスローモーションでお葬式やお通夜がとても長く感じた


彼を失ってから私は文字通りの廃人になった

トイレとお風呂以外布団から出なかった

こんな状況なのにお腹が空く自分に腹が立った


1ヶ月もすれば世間から彼の死は忘れ去られた

不倫や政治家の汚職などくだらない話題に溢れた

やるせなかった、悔しかった、、悲しかった


3ヶ月経った頃事務所から復帰しろと言われた

恋人が死んでも私は仕事に戻らなければならない

彼を忘れた人達に向けて笑顔を振り撒き元気を与えなければならない

心が疲弊した

もう何もかも辞めてしまいたい


死にたい。



死ななかった、怖かった

彼の元に行こうとすればそんなことは望んでないと彼に怒られる気がした


私は彼に怒られるのが嫌だった、彼が辛そうに怒るから

だから頑張って生きる

いつか彼に会った時めいいっぱい褒めてもらえるように


私は今日も生きていこう


最後サラッとしててごめんなさい

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